前線や低気圧が通過するこの時期にひどくなる喘息。気管支が狭くなって、呼吸が苦しくなり、ゼーゼー、ヒューヒューいう音が聞こえる病気です。喘息の患者さんのうち、小児では約90%、成人では約70%の人にアレルギー反応がみられるように、喘息はアレルギー疾患の代表のひとつです。

 

アレルギー以外で喘息の原因となるものに自律神経の失調、風邪などのウイルス、冷たい空気、アルコール、月経などがあります。しかし、重症の場合を除けば、喘息はアロマテラピーで改善できます。今回は喘息を和らげるアロマテラピーをご紹介いたします。

 

 

アロマテラピーとは

 

アロマテラピーとはハーブから抽出した100%天然の精油(エッセンシャルオイル)を使って、心身の健康をはかる植物療法のひとつです。日本でも何年か前からアロマテラピーがブームになり、お部屋で手軽に好きな香りを楽しんでいる方も多いでしょう。

 

香りがもたらすリラックス効果 はアロマテラピーの大切な要素です。しかし、アロマテラピーの働きはこれだけではありません。実は、精油の薬効で心身の不調を治すこともできるのです。

 

香りの脳をへの刺激と芳香成分の血液浸透

なぜ、アロマテラピーが心身の不調を改善するのか、そのメカニズムを見ていきましょう。芳香浴(香りをかぐ)の場合、鼻腔の内側にある嗅覚神経が、香りの情報を電気的な信号に変換して脳の大脳辺緑系から視床下部へ伝えます。

 

信号を受けた大脳辺緑系は、香りの種類によって神経を鎮めるセロトニンを分泌したり、興奮させるノルアドレナリンを分泌したりします。視床下部も香りの種類に対応する神経活性物質を放出したり、自律神経系、内分泌系、免疫システムのバランスを回復するのです。

 

精油をマッサージやアロマバスで使った場合、芳香成分の分子は非常に小さいので、皮膚から吸収され血液中に入り、身体の各臓器に送り込まれます。精油の吸入では、芳香成分は肺に取り込まれて、ここから血液に混ざって全身に運ばれます。安全で効果的なアロマテラピーを行なうには、100%ピュアな良質の精油を使うことが重要なポイントとなります。

 

また、ラベルを見て、原料ハーブの学名、原産国が表記されている、原料ハーブの抽出部位 が表記されている、有機栽培で育てられた原料、ロット番号ごとに成分表示されているなど、品質に対して徹底管理を行なっていると、尚よいでしょう。

 

 

喘息におすすめのレシピ

 

それでは具体的に、喘息におすすめのレシピをご紹介しましょう。喘息には以下の精油を使います。

 

■ジュニパー

抗炎症作用、気管支のうっ血をとります。

 

■真正ラベンダー

鎮静作用があります。

 

■サイプレス

鎮咳作用、気管支の異常な収縮を抑える働きがあります。

 

■ユーカリ・ラジアタ

去痰作用があります。

 

■乳香(フランキンセンス)

抗菌作用、鎮咳作用、鎮静作用があり、肺に対して特に有効です。

 

■ジャーマン・カモミール

抗炎症作用、抗アレルギー作用があります。

 

■ネロリ

抗菌作用、抗不安作用、鎮痙作用があります。

 

これらの精油のうち、妊娠初期の使用を控えた方がいいものは以下の通りです。

 

●ジュニパー
●サイプレス
●ジャーマン・カモミール(芳香浴は可)

 

①炎症を抑え、興奮を鎮めるレシピ

日本アロマセラピー学会の医師が治療で用い、有用性を認めたレシピです。ユーカリ・ラジアタは気管支粘膜を保護し、ジュニパーが炎症を抑え、真正ラベンダーが興奮を鎮めます。ユーカリ・ラジアタ1滴、ジュニパー1滴、真正ラベンダー1滴をホホバオイル5mlでうすめます。

 

②子どもにもやさしいレシピ

ユーカリ・ラジアタ1滴、真正ラベンダー2滴をホホバオイル5mlでうすめます。

 

③アレルギーにも感染症にも

乳香はアレルギーによる気管支のうっ血はもちろん、風邪などの感染症にも効果 があります。ジャーマン・カモミールはアレルギーを抑え、ネロリは不安を和らげ、気管支の平滑筋の痙縮を鎮めます。乳香1滴、ジャーマン・カモミール1滴、ネロリ1滴をホホバオイル5mlでうすめます。

 

 

マッサージの方法

 

これらの精油をブレンドしてマッサージに使用します。オイルを手にとって、首から胸にかけてゆっくりとマッサージしてください。

 

喘息の発作は夜半過ぎに起こることが多いので、夜寝る前には必ずマッサージを行なうといいでしょう。入眠時も含めて、1日1回から3回、マッサージを行なってください。

 

マッサージを行なう上での注意

■精油は原液で使わないでください。

精油には高濃度で有効成分が含まれているので原液を肌につけることはできません。必ずキャリアオイル(ホホバオイルなど)で希釈してください。

 

■必ずパッチテストをしてください。

体質によってはアレルギー反応を引き起こすこともありますので、必ず二の腕の皮膚のやわらかいところにキャリアオイルでうすめた精油を塗って、30分くらい様子を見てください。また、アレルギー反応は遅くても48時間以内に症状があらわれますので、念のため2日間は皮膚の状態をチェックしましょう。

 

■レシピの用法・用量は必ず守りましょう。

自己判断で精油の量を増やすのは禁物です。用法・用量を必ず守りましょう。 また、同じレシピを2週間続けたら、その後1週間休んで再開してください。

 

■保管は射光ビンで。

精油は光や熱に反応して変性しますので、必ず射光ビンに保管しましょう。また、ブレンドした精油は3週間程度で使い切るようにしてください。

 

■マッサージした個所の直射日光は避けましょう。

光感作性のある精油もありますので、マッサージを行なったら6時間は直射日光は避けてください。

 

 

リラックスしたいときにもオススメ

 

軽度の喘息に効果を示すアロマテラピーですが、特定の香りや好きな香りの精油を使用することで、絶大なリラックス効果をもたらします。そのため、近年では多くの医療機関で精神疾患の患者に対してアロマテラピーの実践を勧めているほどです。

 

アロマテラピーで用いられる精油は、当記事で紹介したものの他にも、さまざまな種類がありますので、喘息の改善に加え、毎日を気分よく過ごしたいという方は、「アロマの効果|香の力で不安・ストレス・認知症・鬱が解消できる」も併せてお読みいただき、生活の一部に取り入れてみてください。