毎日、何回も何回も手を洗ってしまうという人が昨今増えてきています。このような状況の人は「強迫性障害」です。

 

毎日の生活に支障が出るほど、手を洗わないとしょうがないという人は、強迫性障害について知識を深め、治療に向けて積極的に行動に移していきましょう。

 

 

強迫性障害とは?

 

「強迫性障害」とは、従来からいわれてきた「強迫神経症」と同じものですが、精神分析的な「神経症」よりも「障害」という用語が国際的に多用されるようになってきました。

 

この強迫性障害は「強迫観念」と「強迫行為」の2つから成り立っています。

 

強迫観念とは、ばかばかしいとはわかっていても、ある考えが浮かんできて困るというものです。

 

強迫行為とは、これもばかばかしいと分かっていながら、ある行為を何度もくり返さざるをえないというものです。多くは強迫観念に基づいており、それを打ち消すために強迫行為に及びます。

 

強迫行為としてよくみられるものには、不潔恐怖から何回も手を洗う洗浄強迫のほか、何回もものごとを確認する確認強迫があげられます。

 

 

強迫性障害のタイプ

 

強迫性障害には、自分で気にして自分で確認する「自己完結型」と、確認のために他人を巻き込む「他者巻き込み型」の2つのタイプがあります。後者の他者巻き込み型は女性に多く、未熟・依存的なタイプであり、一般的に重症です。

 

強迫性障害になりやすい人には、潔癖、几帳面、きちんとしていないと気がすまない、完全癖、不全感、分かってはいるけれどやめられない、攻撃性が強い、他人を自分の思い通りに動かそうとする(操作性・支配性)、全能感、しつこい、くどい、こだわる……などの心理傾向が多くみられます。

 

最近は、外来治療で十分に治る軽症の患者さんが増えていますが、うつ状態を起こしやすいという指摘もありますので、くわしくは専門医に診てもらいましょう。

 

 

強迫性障害の治療法

 

治療には主に、精神療法、行動療法、薬物治療の3つがあります。

 

●支持的精神療法
まずは医師と患者さんが良好な関係を築くことが大切です。それから、強迫行為の回数などを減らしていきます。少しずつでも減らすことができれば、自信にもつながりますし、不安も軽くなります。

 

●精神分析療法
抑圧された不満の対象などを意識して、なぜ強迫性障害が生じるのかを考えていきます。症状の意味合いを探っていく治療方法です。

 

●森田療法
強迫観念と強迫行為を追い払おうとせず、あるがままに受け入れる姿勢をとります。そのままの状態で、生活と行動を正しく整えていきます。

 

これらは強迫行為の回数を次第に減らしていく療法です。達成できる目標を段階的に設定して、それを克服していくことで自信をつけていきます。ときには強迫行為を行わずにはいられないような状況にあえて身を置いて、それを行わないで対処できるように少しずつ訓練していく方法もあります。