生きていくうえで必要な栄養素というのはたくさんありますが、「美」という観点からいうと、ビタミンは非常に重要な栄養素です。

 

中でもビタミンEは、老化防止やホルモンの正常化、血行の促進など、「美」に直結するさまざまな作用を持っているため、美しくなりたいという女性は特に、ビタミンEを積極的に摂取していくことが大切です。

 

 

ビタミンEは女性の味方

 

ビタミンEは、もともと不妊に効果のある物質として発見され、その別名をトコフェロール(Tocopherol)、ギリシャ語で「Tocos(子供を産む)」、「Phero(力を与える)」を意味していることからもわかるように女性と関係の深いビタミンです。

 

現在では、そのほかに老化を防ぐ抗酸化作用、ホルモンバランス調整作用、血行促進作用が明らかになっており、からだのさまざまな老化を防ぐ働きがあることから、「若さのビタミン」ともいわれています。また、女性に多い冷え性や肩こり、更年期の不快な症状などを和らげることから、ビタミンEは、女性にとって頼もしいビタミンといえます。

 

ビタミンEを多く含む食品には、アーモンド・ナッツ類やさんま・さばなどの青魚、かぼちゃやほうれん草などがあります。日ごろからビタミンEを摂るように心がけましょう。

 

なお、ビタミンEには、「細胞の酸化防止」、「ホルモンバランスの正常化」、「血行促進」など、実にさまざまな有効作用があり、特に女性にとっては必要不可欠な栄養素と言えるでしょう。

 

 

細胞が酸化すると老化が進行

 

私たちのからだは約60兆個の細胞でできています。その表面を覆っている細胞膜は不飽和脂肪酸という酸化しやすい物質でできており、酸化すると過酸化脂質という「サビ」のようなものになり、細胞が老化していきます。そしてだんだんと細胞の機能が失われ、さまざまな病気が引き起こされやすくなります。

 

例えば、最近よく話題になる動脈硬化は、血管が酸化によってもろく硬い状態になると起こりやすくなるといわれています。さらに、血液中の血小板が酸化されると、粘着性が増し、凝集して血栓ができやすくなります。これらの血栓によって血管がつまると、その先に血液が流れなくなり、脳梗塞や心筋梗塞などが起こります。

 

ビタミンEには、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ「抗酸化作用」があるので、からだの細胞一つ一つが本来の働きを取り戻します。このような抗酸化作用によって、血管や血小板の細胞膜を酸化から守り、血行を改善します。細胞の酸化は20歳代から増えてきますので、積極的に補給したいビタミンです。過酸化脂質が増加すると、血行やホルモンバランスなどに影響があらわれます。

<このような方は体内脂肪の酸化にご用心>

  • 喫煙の習慣がある
  • お酒をよく飲む
  • ストレスを受ける機会が多い
  • 血圧が高め
  • 血糖が高め
  • コレステロールが高め
  • 40歳以上

 

 

ホルモンバランスの乱れが不調感を招く

 

閉経を迎える前後の更年期には、卵巣機能の低下によって女性ホルモンの分泌が低下することがよく知られています。しかし、若い世代でもストレスや喫煙、激しいダイエットなどが原因で女性ホルモンの分泌が低下することがあります。

 

女性ホルモンが減少すると、そのバランスが乱れ、イライラしたり、血行障害による肩こりや冷えなど、心とからだに不快な症状が起こりやすくなります。しかも現われる症状の種類や強さが一定ではなく、日によって異なることから、「不定愁訴」と呼ばれています。

 

その原因にはさまざまなものが考えられていますが、主にホルモンバランスと深い関わりのある自律神経が乱れるためといわれています。不定愁訴は更年期に多くみられますが、最近では、若い世代でもホルモンバランスを乱し、不定愁訴を訴える女性が増えています。

 

ビタミンEは、ホルモン分泌器官に多く含まれており、細胞膜の酸化を防いで安定させることでホルモン分泌のバランスを整えています。これがビタミンEのホルモン分泌調整作用といわれるもので、ホルモンバランスの乱れによる不定愁訴を軽減します。

 

さらにビタミンEは血行を良くする働きがあるため、更年期に多くみられるのぼせや手足のしびれ・冷え、肩こりなどの症状を和らげる効果もあります。

 

 

血行不良は冷え性・肩こりを引き起こす

 

血液の成分である赤血球は、血管を通ってからだのすみずみに酸素と栄養素を運び、二酸化炭素と老廃物を受け取る重要な働きをしています。通常、赤血球はその直径より細い毛細血管を通過する時には、細長く変形してスムーズに流れていきます。

 

しかし、この変形する能力が低下すると、赤血球が細い血管に流れ込むことができなくなります。手先や足先などからだの末梢には細い血管がたくさんあり、それらの血流が悪くなることを「末梢血行障害」といいます。

 

また、末梢血行障害は血管の収縮や拡張のコントロールがうまく機能しないことによっても起こります。血管が必要以上に収縮してしまうため、血流が悪くなってしまうのです。このような血管の運動機能の障害は、ホルモンバランスやストレスなどによって自律神経が乱れてしまうことが原因の一つといわれています。

 

手足の細い血管にまで血液が十分めぐらないと、手足の冷えを感じるようになります。また、肩や首の筋肉がこわばり、血液の流れが悪くなると、乳酸などの疲労物質がたまりやすくなり、肩こりを感じるようになります。

 

ビタミンEが十分に摂取できていると、赤血球の変形能力が維持され、赤血球は細い血管でもラグビーボールのように変形して流れていくことができます。また、ビタミンEには末梢の血管を拡張させて血液の流れを良くする働きがあるため、肩こりや冷え性のつらい症状を和らげます。

 

さらに、血流が良くなるとお肌の新陳代謝も活発になることから、ビタミンEはお肌の潤いとハリを保ち、シミやそばかすの緩和にも効果的といわれています。

 

血行をよくする働き

①赤血球の変形能維持

毛細血管を通り抜けられるように赤血球膜の表面を柔らかくして変形能力を維持し、血液の流れを良くします。

②血小板の凝集抑制

ビタミンEは血小板凝集と血管収縮の原因物質を減少させ、その反対の働きをする物質を増加させます。

③LDLコレステロールの酸化防止

ビタミンEはLDLコレステロールの酸化を防止し、血管の機能を維持します。

 

 

さいごに

 

ビタミンEは、老化の防止やホルモン正常化、血行の促進、肩こりの緩和など、さまざまな効能がある栄養であるものの、一般的な食事にはそれほど含まれていないため、多くの方は十分に摂取できていないのが実情です。

 

今ではビタミンEのサプリメントが豊富に販売されていますので、”美”を保ちたいという方や、健康でいたいという方は、積極的に摂取していくようにしましょう。