私達の生活はたいへん便利になりました。今の日本経済は、かつてない不況ですが、それでも日常生活に必要なものは、たいてい手に入れることができます。

 

これまでの豊かな大量消費生活は、大量のエネルギーによって支えられてきました。その大量エネルギーの多くは石油や石炭などの化石燃料でした。また、石油から作られるプラスチックなどの多くの化学物質製品も私達の生活必需品となっています。

 

今や、地球上の化学物質は400万種、私達の日常生活用品中の化学物質は6万種にもなります。シャンプーや洗剤だけでも2000種もあり、私達の生活は化学物質で溢れている。いや、化学物質まみれといってもよいでしょう。

 

住宅内に充満した揮発性化学物質が皮膚や粘膜、呼吸器系から吸収され、多彩な症状をおこしてくる病気をシックハウス症候群といいます。

 

屋内の揮発性化学物質の発生源は、

  • フローリング(接着剤・ホルマリン、難燃剤・フェンチオン)、
  • 合板(接着剤・ホルマリン)、
  • 壁紙(接着剤・ホルマリン、難燃剤・フェンチオン)、
  • (防虫剤・フェンチオン・ナフタリン)、
  • 家具・床板塗料・樹脂・ワックスの溶剤(ベンゼン・ベンゼン誘導体・トルエン・キシレン)、
  • 床下防蟻剤・防腐剤(有機リン系殺虫剤・クロルピリホス・フェンチオン)

 

などあらゆるところに潜んでいます。

 

 

アトピー性皮膚炎の増加と原因

 

この十数年、子供も大人もアトピー性皮膚炎がたいへん増えています。とくに、大人のアトピー性皮膚炎の増加が目立っています。アトピー性皮膚炎はなぜ増えたのでしょうか。色んな学説がありますが、はっきりした原因はまだよく分かっていません。世間では「卵」や、「ダニ」などがよく問題にされますが、私はもっと根の深いものだと考えています。

 

化学物質がアトピー性皮膚炎の発症に深く関与していると考えているのです。さて、大人のアトピー性皮膚炎の皮膚症状で注目されることがあります。

 

患者さんの80%以上、顔と首の露出部位に皮膚病変が好発することです。これは世界でも日本だけの特異的なことで、空気中にアレルギーの原因(エアーボーン・アレルゲン)があるのではないかと考えられています。とくに、「シックハウスを考える会」代表 上原裕之先生が問題提起された、「シックハウス症候群」の主な原因化学物質・VOCの1つである「ホルムアルデヒド」が注目されています。

 

また最近では、環境汚染化学物質、環境ホルモンなどが、生体免疫系に異常を引き起こし、アトピー性皮膚炎にも関与しているのではないかとの疑いがかけられています。

 

顔も姿も遺伝形質も同じである一卵性双生児の子供が、日本で育った子はアトピーになったが、ハワイで育った子はアトピーにはならなかったという話があるように、環境因子が発症に大きくかかわっていると考えられます。また、ここ十数年で激増したことから、大きな意味では人類文明による現代病というとらえ方もできるでしょう。

 

 

我が家でできる化学物質対策

 

家庭、身の回りから化学物質をできるだけ減らし、排除しましょう。いま環境汚染化学物質として問題になっている「ダイオキシン」は、「プラスッチック」と「ビニール」を燃やすことで発生します。

 

プラスチック製品や、ラップ類(塩素系)はできるだけ使わないようにしましょう。化学物質は、「置かない」、「使わない」、「作らない」、「もらわない」ようにしましょう。

 

①食べ物中の化学物質もチェックして、できるだけ摂取しないようにしましょう。

食品添加物、合成保存料、着色料(たらこ)、発色剤(ハム)、合成香料、など。

 

②アトピーの皮膚には、「化学物質はできるだけつけない、取り込まない」というライフスタイルを送りましょう。

自然との共生や、地球環境を考えた生活を。自然素材「日本の木」の再評価を。「シックハウス問題」の行き着くところは環境問題です。環境問題は、まず身近な家庭から始めることが大切です。

とくにお母さんは家庭環境問題のキイパーソンです。台所は、洗剤、プラスチック、ラップ、など化学物質のもっとも集まっている場所です。環境に優しい「エコ・クッキング」を実践しましょう。子供にも環境問題の教育をしましょう。「物をできるだけ長く使う」、「リサイクルする」、「ゴミを出さない生活」をしましょう。

 

環境問題を考えたライフスタイルをしましょう

 

こうして、化学物質の被害が増えたのは、私達の生活にたいする地球や自然からの警告ではないでしょうか。地球からみれば、人間は地球上のたかが1種の動物です。自然を破壊するもの、自然から遠ざかるものは、自然から報復を受け、拒否される。私達があまりにも、「快適さ・便利さ」を追求し、優先した結果が、「不愉快さ・不便さ」を引き起こしたのではないでしょうか。

 

今、自然素材である「木」が、環境問題やエネルギー問題解決の重要なカギになっていることが注目されています。「日本の木」をキーワードに、本当の意味の「快適さや、健康を」取り戻すことを考える時が来たと言えるのではないでしょうか。

 

突き抜けるような青い空と真っ赤な夕日、コバルトブルーの海、緑の森林と色とりどりに咲き誇る花々、鳥や魚、さまざまな動物たち。この宇宙で稀な天体のひとつであるこの美しい地球を汚さずに、次の世代の子供たちに渡してやりたいと思います。