子宮外妊娠

 

子宮外妊娠とは、受精卵が子宮内腔以外の場所で着床してしまうことをいい、その多くが卵管での着床ですが、放っておくと卵管破裂などを起こしてしまうので早急の発見が大切。では、なぜ子宮内腔以外で受精卵が着床してしまうのでしょうか?

 

本来精子と卵子が出会い受精するのは卵管です。

 

受精卵は卵管を通って子宮に到達し、子宮壁に着床することを妊娠といいますが、クラミジア感染症などで炎症や癒着を起こしていると、卵管が狭くなり、受精卵がスムーズに通り抜けることができず、卵管に着床してしまうと考えられています。

 

子宮外妊娠は、市販の妊娠検査薬で陽性が出ます。

 

陽性が出たから正常妊娠とは限らないのです。

 

卵管で着床してしまったまま放っておくと、妊娠7~8週頃に卵管破裂を起こしてしまいます。激痛と大出血で、救急車で運ばれることになるでしょう。

 

妊娠検査薬で陽性が出て、超音波検査で子宮内に赤ちゃんの入っている袋(胎のう)が見えれば正常妊娠です。おめでとうございます。

 

通常は妊娠5週頃に胎のうが見え、6週頃に胎児心拍が見えるのですが、排卵が遅れたりした場合、これらの確認も遅れますので、これらが確認できない場合、数日ほどおいてから再度確認します。

 

妊娠反応が陽性なのに子宮内にこれらが確認できないと、子宮外妊娠と診断されます。

 

妊娠早期に子宮外妊娠と診断された場合、腹腔鏡手術をします。お腹に小さな穴を開け、そこからスコープを入れて様子を確認し、そこで卵管を取るか、胎児と胎盤部分だけをはがすかを判断します。卵管破裂を起こしてしまった場合は、開腹手術になります。

 

市販の妊娠検査薬で陽性が出た場合、早めに産婦人科を受診してくださいね。

 

 

つわり・妊娠悪阻

 

妊娠5週前後になると妊婦さんの約80%に、「つわり」が始まります。つわりの症状で代表的なものは、吐き気、嘔吐、食欲不振など。

 

食べつわりと言って、空腹になると気持ち悪くなるので、つねに食べている人もいます。

 

妊娠悪阻とはつわりが重症化したもので、食事を摂ることがまったくできなくなったり、水も飲めない状態をいいます。脱水が心配なので治療が必要になってきます。

 

つわりの原因ははっきりとはわかっていないのですが、妊娠が成立することによってhCGというホルモンが急増するので、それが関係していると考えられています。

 

つわりは多くの妊婦さんが経験しますが、妊娠悪阻の頻度は非常にまれです。つわりで食べられるものが減ったとしても、初期の赤ちゃんに必要な影響分はごくわずかなので、今はそれほど心配することはありません。

 

何か食べられるものがあれば、つわりのときは多少栄養に偏りが出ても仕方ないので食べたいものを食べてもよいでしょう。ただ、食べづわりの人は、あまり暴食をしていると、後々の体重管理が大変になります。つわりの時期は食べたいものを好きなだけとは言いますが、少し気をつけてください。

 

食べ物のにおいがきつく感じて気持ち悪くなるときは、冷やして食べてみてください。

 

においは冷やすと少なくなるので食べられるかもしれません。氷を口にほおばるのも、口の中がすっきりするので、つわりを乗り切るひとつの手です。

 

しかし水も飲めないとか、食べていないのに吐く、尿の量が極端に減る、体重が急激に減る、などの症状ができていたら、主治医に相談してください。

 

尿中にケトン体が出ていないかを確認したり、点滴で栄養を補ったりします。点滴は栄養剤ですので、奇形を起こすおそれはありませんので安心してくださいね。点滴は外来でも受けられますが、場合によっては入院になります。

 

入院することによって、妊娠による不安が少し解消したり、環境が変わって妊娠悪阻が緩和する人もいます。つわり・妊娠悪阻は精神的な原因もあるようです。

 

 

胞状奇胎

 

胎盤の元となる絨毛という組織が異常に増殖し、ぶどうの房のような組織で子宮の中がいっぱいになる病気です。胞状奇胎と診断されたら子宮内掻爬をし、その後は定期的に経過観察します。

 

精子と卵が受精すると、受精卵は子宮内へ到達し子宮内膜に着床します。この時、受精卵は胎児へ発生する「胎芽」部分と、胎盤へ発生する「絨毛」とに分かれる状態にまで発生しています。

 

絨毛というのは細かい毛のような組織で、胎児とはへその緒を通じてつながっており、ママから栄養分や酸素を吸収する働きを持つ組織です。

 

また同時に、hCGというホルモンを分泌して卵巣に形成されている黄体を刺激し、黄体ホルモンの分泌を促すことで妊娠の維持をする働きもしています。

 

ところが、この絨毛部分だけが異常増殖を起こすことがあり、絨毛組織だけで子宮をいっぱいにしてしまう病気を胞状奇胎といいます。

 

症状としては、つわりもあり、目立った自覚症状はありません。超音波で見ると、子宮の中にぶどうの房のような組織が見え、妊娠週数にしては子宮が大きく、内診をすると子宮がやけにやわらかいのが特徴です。

 

治療は、第一に子宮内掻爬をすることです。子宮内掻爬は1週間ほどの間隔で二度に渡って掻爬を行うのが普通です。絨毛組織が子宮内に残ると、絨毛がんになる恐れがあるので、術後はhCGの量を定期的に検査し、この量が正常化し、基礎体温が二相性になるのを観察します。

 

次の妊娠の許可が出るのは、施設にもよりますが、6ヶ月~2年くらいが一般的です。主治医に「もう妊娠しても大丈夫ですよ」と言っていただくまでは必ず避妊してくださいね。

 

 

絨毛膜下血腫

 

絨毛膜下血腫とは、子宮内膜と絨毛膜の間にできた血の塊です。妊娠初期にはよく見られることで、血腫が小さい場合は、胎盤が完成される妊娠4?5ヶ月頃までには治まっていくケースが多いようです。

 

血腫が大きい場合は、流産につながることもあります。妊娠初期に偶然に見出される無症状のものでは、約1~2ヶ月程で血腫は縮小、または消失することが多く、その後の妊娠経過に影響はありません。

 

受精卵は子宮内膜に着床すると、絨毛組織を内膜にのばして胎盤を作ります。このときに子宮内膜の血管が壊され出血し、血腫ができることがあるのです。

 

主な自覚症状は出血で、中には流産につながるものもあるので、長期間、または多量に出血があったり、血腫が大きくなったりする場合、子宮収縮による下腹痛を伴う場合、また特に感染を疑わせる場合は入院管理します。

 

治療は安静が基本。感染兆候があれば、抗生剤の投与をします。子宮収縮による下腹部痛には、子宮収縮抑制剤も併用します。

 

血腫の消失が確認されるまでは、こまめに経過観察が必要です。血腫の消失が確認されれば、絨毛膜下血腫による影響は心配ありません。マタニティライフを楽しみましょう。一般的に妊娠のたびに繰り返す病気ではないと考えられています。

 

 

切迫流産

 

基本的には安静にするしか方法はありません。止血薬が処方されることもありますが、出血を抑えることはできても、切迫流産の根本治療にはなりません。

 

子宮収縮が強く、痛みを伴う場合は、対症的に子宮収縮抑制薬を使うこともあります。子宮頚管無力症が原因の場合は、安静にし、時期を見て手術をします。

 

おかしいな?と思ったら、遠慮せずに主治医に相談してくださね。なんでもなければそれでいいのですから。

 

 

流産

 

妊娠22週未満に、子宮の中で赤ちゃんの生存が認められなくなったり、発育しなくなって妊娠が中断することを流産といいます。

 

妊娠12週までの初期流産が多く、その原因の多くは赤ちゃん側にあります。流産とは珍しいものではなく、全妊娠の15%前後だといわれています。

 

妊娠22週未満の分娩を流産といいますが、流産が起きる原因などは、その週数によってかなり違ってくるので、12週未満の初期流産と、12週以降の後期流産と分けられています。

 

また、科学的流産(ケミカルアボーション)といい、妊娠検査薬や尿検査では妊娠反応が陽性であるにも関わらず、超音波検査では胎のうも心拍も確認できないものもあります。

 

通常の月経とともに流産してしまい、本人も気付かないこともあります。

 

初期流産の原因でもっとも多いのが染色体異常で、初期流産の約70%を占めます。後期流産の原因としては、子宮頚管無力症や絨毛膜羊膜炎など、ママ側に原因があることが多いでしょう。

 

その他の原因に、妊娠前後の卵巣ホルモン分泌不良や不育症、習慣流産などがあります。

 

自覚症状の多くは出血と下腹部痛です。初期流産の場合、微量の出血や軽い痛みが続き、これらの症状が徐々ひどくなったり、あるいは、突然の出血や痛みに襲われることもあります。

 

稽留流産といい、流産の症状はないのに子宮の中で赤ちゃんが生存していないという場合もあり、この場合は超音波検査で発見されます。

 

また、多めの出血とともに胎嚢が子宮から排出されれば、進行流産と診断されます。

 

後期流産の場合は、出血量も多く、痛みがだんだん強くなるという経過が多いでしょう。

 

稽留流産や進行流産と診断された時は、子宮内容を取り除く処置を受けます。自然に子宮内のものが排出されてしまっても、不全流産といって、一部が残ることがあるためです。1~2日の入院となることが多いでしょう。

 

ただし、胎嚢が見えないくらい初期の流産や、胎嚢が1~2センチより小さい場合は、完全流産となって処置が不要な場合もあります。

 

流産後は1~2ヶ月で月経が再開しますが、2~3回月経がきたら再び妊娠してもよいと指示されることが多いと思います。

 

次の妊娠の流産率は上がることはなく同率ですが、流産が3回以上続く場合は、習慣流産の検査を受けた方がよいでしょう。