PMS(月経前症候群)と鬱病は混同されがちですが、これらは異なる場合が多いのが実情です。ここでは、PMS(月経前症候群)と鬱の症状を説明しながら比較した上で、改善策・対策法をご紹介します。

 

 

PMSの原因と症状

 

PMSはホルモンバランスの乱れにより起こる病気であり、一般的には「黄体ホルモン分泌の高まり」、「セロトニンの低下」、「βーエンドルフィンの低下」の3つが原因です。

 

≪黄体ホルモン(プロゲステロン)≫

黄体ホルモン(プロゲステロン)は女性の生理に非常に関係の深いホルモンであるため、これが過剰に分泌されたり、分泌量が正常でない場合にPMSが起こります。

 

≪セロトニン≫

セロトニンは精神を安定させる神経伝達物質のことで、これが低下することにより不安になったりイライラしたり、時には攻撃的になるなどの症状が起こります。

 

≪βーエンドルフィン≫

βーエンドルフィンは脳内麻薬といわれる物質で、楽しいと感じた時に分泌される物質です。この分泌量が低下することで精神が不安定になるといった症状があらわれます。

 

PMSの症状は以下の通りです。

 

身体症状

  • 乳房がはる/乳房が痛い
  • 下腹部痛/下腹部がはる
  • むくむ
  • 動機がする
  • 腰痛/肩コリ
  • ほてり/のぼせ
  • 眠くなる/不眠になる
  • 食欲が増す/過食する
  • 甘い物や間食が増える
  • 体重が増える
  • 疲れやすい/体がだるくなる
  • 肌があれる
  • 便秘になる/下痢になる

 

精神症状

  • イライラする
  • 怒りっぽくなる
  • 興奮しやすくなる
  • 短気になる
  • 神経質になる
  • 泣きたくなる
  • 不安になる
  • 集中力がなくなる
  • 憂鬱になる
  • 物忘れが多くなる

 

社会的症状

  • いつもと同じように仕事ができない
  • 仕事にいくのが面倒くさくなる
  • 人付き合いが嫌になる
  • 家から出たくない
  • 人とのいさかいが多くなる
  • 1人になりたい
  • 生理、女性である事が嫌になる

 

様々な症状がありますが、人によって異なります。しかしながら多くの場合には精神的な症状が強く起きることから、鬱病と混同されてしまいがちなのです。

 

 

鬱病の原因と症状

 

鬱病の主な原因はストレスです。職場や学校などにおいての人間関係や過労、環境の急激な変化によって、耐え切れなくなり、心をシャットダウンさせてしまいます。その後、PMSと同様にセロトニンなどの分泌量が低下することによって精神不安定になり、いわゆる抑うつ状態になり、それが進行すると鬱病と診断されるようになります。

 

鬱病の症状は以下の通り、

 

身体症状

  • 眠くなる/不眠になる
  • 食欲が増す/過食する
  • 疲れやすい/体がだるくなる

 

精神症状

  • イライラする
  • 怒りっぽくなる
  • 興奮しやすくなる
  • 短気になる
  • 神経質になる
  • 泣きたくなる
  • 不安になる
  • 集中力がなくなる
  • 憂鬱になる
  • 物忘れが多くなる

 

社会的症状

  • 人付き合いが嫌になる
  • 家から出たくない
  • 1人になりたい

 

 

PMSと鬱病の決定的な違い

 

上記のようにPMSと鬱病は非常に似たような症状が起こります。それゆえ、同じものではないかと考える人が多いのですが、実はこれを区別するのに決定的な違いが存在します。それは”精神的に不安定になる時期”です。

 

PMSの場合、生理直前~2週間程度にのみ精神が不安定になりますが、鬱病の場合には常に症状があらわれます。常に生理前に精神が不安定であり、鬱病に罹ってしまったという場合には、生理前だけでなく常に精神不安定の状態が続くというわけです。それゆえ、生理前だけという場合には、鬱病ではなくPMSであり、鬱病とは診断されません。

 

また、鬱病に似たものに「適応障害」がありますが、これもPMSとの関連性はありません。(関連:鬱じゃない!鬱っぽい症状が続く「適応障害」の診断・原因・治療

 

 

PMSの改善策・対処法

 

PMSはホルモンバランスの乱れによって起こるものなので、生活習慣を改善していくことが非常に大切です。

 

■ストレス発散

まず第一にストレスを発散させることが大切です。ストレスが溜まるとホルモンバランスが崩れ、それに伴いPMSの症状が起きる、もしくは強くなっていくため、これまで以上にリフレッシュする時間を作ってください。

 

■楽しいことをする

ストレス発散とも関連していますが、自身にとって楽しいと思うことをすることによって、精神を安定的にするセロトニンの分泌量が増えていきます。趣味を持つ、友達との交流の時間を増やすなど、楽しいと思えることを積極的に行っていきましょう。

 

■運動を取り入れる

PMSの原因の1つに挙げたβーエンドルフィンという物質は、適度な有酸素運動で増えていきます。朝、夕暮れ時、夜といった気持ちの良い時間帯に20分~30分ほどジョギングをしてみましょう。

 

■バランスのよい食事を

現状で不摂生な食事をしている場合、毎日バランスのよい食事を摂ることでPMSが緩和されることが多々あります。そのため偏りなくバランスのとれた食事を常日頃から意識して摂るようにしましょう。

 

PMSに良い食品

豆類:豆腐/豆乳/納豆/味噌汁
穀類:玄米/蕎麦etc
海藻類:ワカメ/昆布/海苔/ひじきetc
野菜類:野菜全般
植物油:大豆油/オリーブ油etc
種子類:ゴマ/アーモンドetc

 

PMSに良くない食品

砂糖類:砂糖が多い食べ物
小麦粉類:パスタ/パンetc
塩類:塩分が強い食べ物
カフェイン:コーヒー/紅茶etc
お酒類:アルコールetc
他:インスタント食品(添加物の多い物)etc

 

 

症状がひどい場合には婦人科に受診を

 

生理前に常にひどい症状に悩まされ、生活に支障をきたす場合には、迷わず婦人科に受診しましょう。プレフェミン、ピル、漢方など様々な薬があり、状況に応じて処方してくれるでしょう。

 

ただし、これらは症状を緩和させるための補助ということを忘れてはいけません。PMSを完全に治したいのであれば、ホルモンバランスを正常にするためにストレス発散や生活習慣の改善に取り組んでいきましょう。