便秘や下痢はなぜ起こるのか、不思議に思う方は多いのではないでしょうか。多くは腸内バランスが崩れることにより発生しますが、実は便秘や下痢の原因はさまざまです。

 

ここでは、便秘や下痢の原因を紹介するとともに、食事や水分摂取をもとにした改善法をご説明するので、便秘や下痢に悩んでいる方は最後までしっかりとお読みください。

 

 

■器質性便秘が起こる原因

 

便秘は、その起こった原因によって、大きく2つに分けることができますが、その1つが「器質性便秘」です。器質性便秘は、大腸やその周辺に病気があるために起こります。

 

例えば、大腸にできた「がん」「ポリープ」などの腫瘍(しゅよう)が大きくなると、腸が狭くなって便が出にくくなります。また、大腸やその周辺に炎症がある場合も、腸が狭くなって便が通りにくくなり、便秘になることがあります。

 

急に便秘になったり、便秘と下痢を繰り返すような場合は、器質性便秘の可能性があるので注意が必要です。早めに医療機関を受診して、便秘の原因を確かめておきましょう。

 

■機能性便秘が起こる原因

 

「機能性便秘」は、腸の働きや反射が悪くなって起こる便秘です。便秘の多くは、この機能性便秘です。機能性便秘は、ふだんの生活習慣が原因となり、特に大きな影響を与えるのが食生活です。

 

野菜などに含まれる食物繊維には、大腸で便を形づくり、適度な軟らかさを与えたり、大腸を刺激して便の排せつを促す働きがあります。ですから食物繊維の少ない食生活を送っていると、便秘になりやすくなります。

 

ほかに朝食を抜くなどの不規則な食生活も、「胃・大腸反射」が起こりにくくなり、便秘の一因になるといわれています。

 

運動不足も腸本来の運動リズムを乱すため、便秘の原因になります。腹筋も弱まるので、便を外に押し出す力が弱くなります。

 

また、便意があるのにトイレに行くのを我慢していると、脳から排便を促す指令が徐々に送られなくなり、便意が起こりにくくなります。

 

このほか、ストレスがたまっていると自律神経のバランスが崩れ、大腸がスムーズに働かなくなります。

 

■下痢が起こる原因

 

下痢の多くは、おなかの冷えや消化不良が原因で起こる一過性のもので、安静にしていればやがて治ります。ただし、なかには注意が必要なものもあります。

 

急性の下痢で気をつけたいのは、急激に起こり激しい腹痛を伴うなど、症状の重い下痢です。この場合は「食中毒」「ウイルス性の胃腸炎」などの可能性があります。

 

特に、海外旅行後に下痢になった場合は、何らかの細菌やウイルスに感染している疑いがあるので、早めに医療機関を受診してください。

 

一方、慢性的に下痢が続くという場合に多いのが、ストレスなどが原因となって起こる「過敏性腸症候群」です。

 

ただし、体重が減ったり、出血があるという場合には、「潰瘍(かいよう)性大腸炎」「大腸がん」などの病気が隠れている可能性があるので、一度医療機関を受診することをお勧めします。

 

 

腸にやさしい食生活のポイントは?

 

以下に便秘や下痢を改善するための食生活をご紹介します。

「食事内容に気をつける」、「規則正しく食事をとる」、「腸内環境を整える」の3つがポイントです。

 

■食事内容に気をつける

偏った食生活は、腸内の環境を悪化させ、トラブルを起こしやすくします。まずは、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

 

ファストフードや出来合いのお弁当などが中心の生活だと、どうしても脂質や炭水化物が多くなりがちです。野菜や海藻類、豆類を使った副菜を取り入れたりして、栄養バランスを整えましょう。

 

また「暴飲暴食」「香辛料やアルコール、脂質のとり過ぎ」にも気をつけます。食物繊維をとることも大切です。

 

食物繊維には便を形づくり適度な軟らかさを与える働きと、腸を刺激して便を出しやすくするという働きがあります。

 

現在、日本人の1日の食物繊維の摂取量の平均は、必要な摂取量を下回っています。意識してとるようにしましょう。

 

また、「水分摂取」が不十分だと、便の水分が減ってきて排せつしにくくなるので、適度な水分摂取を心がけます。特に汗をたくさんかいたときなどは、こまめに水分を補給してください。

 

■規則正しく食事をとる

規則正しく食事をとると、腸も規則正しく働くことができます。特に、朝食を抜くと、大腸の運動を促す「胃・大腸反射」が起こりにくくなるといわれます。

 

また、1日に何回も間食したり、無理なダイエットをすることも、腸には好ましくありません。1日3食、決まった時間に食事をする習慣をつけましょう。

 

■腸内環境を整える

人間の腸にすみついている「腸内細菌」には、人の体によい影響を及ぼすいわゆる「善玉菌」と、悪い影響を及ぼす「悪玉菌」があります。

 

さらに、抗菌薬の服用などで、いつもすみついている善玉菌と悪玉菌の両方が一気に減ったときに、急激に増えてトラブルを起こす「日和見(ひよりみ)菌」もあります。

 

善玉菌と悪玉菌は、食生活や健康状態によってその数が増減します。腸内環境を健康に保つためには、善玉菌と悪玉菌のバランスがとれていることが大切です。

 

そのためには、善玉菌である「ビフィズス菌」などの乳酸菌や「プロバイオティクス」を含む食品をとることをお勧めします。