尿意が近くて外出するのが難しい。そのような悩みを抱えている人は非常に多くいらっしゃいます。

 

頻尿は様々な原因から成るため、根本的な原因を取り除くのが最も有効な手段です。これを機に頻尿に向き合ってみてはいかがでしょうか?

 

 

治療の必要性は頻尿が生活にあたえる影響の大きさも含めて判断する

 

頻尿をきたす病気は多いのですが、原因のわからないものも少なくありません。

 

正常な成人では、1日の排尿回数は4〜6回が普通です。頻尿は「2時間以下の間隔でおこる排尿」と定義され、通常、1日10回以上の排尿があれば、頻尿といいます。

 

また、昼間(覚醒時)で8回以上、夜間(就寝時)で3回以上を頻尿と定義する考え方もあります。

 

日本人では、膀胱(ぼうこう)内に約150mlの尿がたまると軽い尿意を、約250mlになると強い尿意を感じてトイレに行くのが一般的です。

 

大きい体格の人では、350ml程度の尿を膀胱内にためることができる場合もあります。

頻尿を治療するかどうかは排尿回数のみならず、その原因疾患が何かということ、および本人の生活にどれだけ影響を及ぼしているかなどにより判断されます。

 

尿が膀胱にたまり、排出される排尿のしくみは大変複雑で、現在でもすべてが解明されてはいません。

 

膀胱に一定以上の尿がたまると、膀胱につながる神経を通じて骨盤内の神経、脊髄(せきずい)神経、大脳へと信号が伝わることにより尿意を感じ、その後、排尿の姿勢をとるとスムーズに排尿が始まります。

 

大脳の働きにより、意識して排尿を我慢したり、軽い尿意でも排尿することもできます。正常な排尿の場合には脳から脊髄、末梢へとつながる神経と、排尿筋によって尿を送りだす膀胱との関係がうまく保たれていますが、その関係が崩れて頻尿をきたす病気が数多くあります。

 

 

治療の必要性は頻尿が生活にあたえる影響の大きさも含めて判断する

 

頻尿の原因となる病気には次のようなものがあげられます。

 

●膀胱炎などの尿路感染症、膀胱腫瘍、膀胱結石など膀胱を刺激する病気

●脳梗塞などの脳血管障害

●パーキンソン病、多発性硬化症などによる神経障害

●脊髄の損傷や、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患による神経障害

●間質性膀胱炎(女性に多く、原因不明)

●放射線療法(子宮がん、膀胱がんなどの治療として)や骨盤内手術による膀胱容量の低下

●子宮筋腫、卵巣(らんそう)腫瘍などの骨盤内腫瘤の圧迫による膀胱容量の低下

●糖尿病、尿崩症(にょうほうしょう)による尿量の増加

●薬剤の副作用

 

これらの病気にかかっていない場合でも、コーヒーや清涼飲料水を習慣的に飲むことが頻尿の原因となることがあります。

 

また、精神的な問題が原因でおこる神経性頻尿もあります。

 

このように頻尿の原因となる病気は多く、またさまざまな原因が複数重なることもあるため、頻尿がつづく場合や再々くり返すときには、泌尿器科専門医への受診をおすすめします。

 

 

神経性頻尿の診断には排尿のようすを記録した「排尿日記」も役に立つ

 

明確な原因疾患がなく、排尿痛、膿尿などの膀胱炎を疑わせる症状がない場合、排尿後に残尿がなければ、神経性頻尿の可能性があります。

 

神経性頻尿とはもともと病気がないにもかかわらず、膀胱に少量の尿がたまっただけで強い尿意を感じ、何回も排尿に行くため、頻尿となるものです。

 

その原因は試験、仕事、デート中、交通機関内などトイレに行きにくい状況という心理的ストレスや、膀胱炎、尿失禁のエピソードをきっかけに、「また同じことがおきては」と不安になり、その結果、無意識的に頻尿になるパターンがよくみられます。

 

また、受験、職場・家庭のストレス、事故、いじめ、大震災などの災害による重大な精神障害を契機に発症することもあります。

 

神経症的訴えが強い場合は精神科でのカウンセリングが必要となりますが、軽い場合は薬物療法や膀胱訓練などの泌尿器科的な治療で症状がなくなります。

 

神経性頻尿の診断には、1日の排尿回数と排尿量を記した排尿日記が役立ちます。

 

原因疾患のある場合は一般に排尿回数は昼夜問わず多いのに対し、神経性頻尿では起床直後の排尿量は正常で、夜間は排尿せずに睡眠でき、昼間にのみ頻回に排尿する傾向があります。

 

成人の頻尿には前述したように、膀胱腫瘍など重大な原因疾患がときに潜んでいるので、一度泌尿器科を受診され、膀胱鏡検査などをお受けになるとよいと思います。