ここではパニック障害の概要から、対策、改善、克服法などを一挙に紹介していきたいと思います。もしかしたら自分がパニック障害かもしれないと思ってる方や、すでに診断された方の参考になれば幸いです。

 

 

パニック障害とは?

 

実は、100人に2~3人はパニック障害にかかっているというそれほど珍しい病気ではありません。パニック障害とは、突然襲う強い不安感のために死の恐怖まで感じてしまう心の病気です。

 

次の症状が30分~1時間程度おこります。

 

激しい動悸、胸の痛み、息苦しさ、頻脈

めまい、ふらつき、不安定感

呼吸困難、過呼吸

吐き気、胸や腹部の不快感

体や手足のふるえ、感覚の麻痺

発汗、冷感または温感

自分が自分でない感じ、気が狂ってしまうような感じ

このまま死ぬのではないかという恐怖  等々

 

これらの症状を「パニック発作」といいます。パニック発作は、本人は死ぬほど苦しいのですが、パニック発作で死ぬようなことはまずあり得ません。

 

何の前触れもなく突然おこるので、ときには日常生活にまで支障をきたす場合があります。

 

また、この発作は、何度か繰り返しておこることが多いようです。一度経験した発作が「また発作がおきたらどうしよう」という不安によって発作が誘発されるのです。これを「予期不安」といいます。

 

だいたい最初の発作がおきた場所や状況下でおこることが多く、その場に身をおくことを避けるようになります。

 

症状が進行すると、もしパニック発作が起きた時、逃げられない、助けてもらえない…といった可能性が考えられる場所へは、恐怖で行けなくなったりします。 これを「広場恐怖」といいます。電車やバス、車、飛行機、エレベーター、会議室、美容院、映画館、歯医者、人ごみ、ひとりきりになる場所などが多いようです。

 

 

パニック障害を発症しやすい人

 

女性の発症率が高く、男性の発症の2倍ほどです。特に20代~40代に多い。

 

パニック障害の人は、どちらかといえば明るく社交的、真面目で人当たりがよく、癖のないごく普通の人柄であるような印象があります。仕事や物事に対しても熱心です。一方で、神経質、情緒不安定で、内向的な性格が多いという報告もあります。また、このパニック障害の人の2人に1人が、家族にも同じ病気にかかっていることから遺伝素因も指摘されております。

 

※心筋梗塞、狭心症、メニエール病、バセドウ病等、パニック障害に似た症状の病気も存在します。自己判断せずにきちんと病院で受診しましょう。

 

また、カフェイン過剰摂取(コーヒー・お茶等)や風邪などの体調不良で、パニック発作をおこしやすいことが明らかになっています。もう1度生活を見直しましょう。

 

 

パニック障害を克服しよう!

 

「もしかしたら私はパニック障害かもしれない!」と思ったら、まずは病院に行きましょう。安易な自己判断は危険です。それが治療法のまず一歩だと思います。ここでは、パニック障害に有効だと思われる治療方法を紹介したいと思います。

 

呼吸法

パニック発作が起こったら、周囲の人にも言えることですが、とにかく、落ち着くことです。できるだけゆっくり呼吸するように心がけ、横になれるなら横になり、深呼吸します。焦れば焦るほど発作はひどくなるので、落ち着きましょう。30分程度でラクになります。

またパニック障害の方は、浅い呼吸を繰り返すのも特徴的です。腹式呼吸も効果的です。おなかに力を入れて日頃から腹筋を使って呼吸することも大切です。丹田呼吸法(検索サイトで検索してみてください)をマスターするのもいいかもしれません。

 

薬物療法

パニック発作の治療は、抗不安薬や抗うつ薬でかなり改善すると思います。必ずしもというわけではなく人に合う合わないはあるとは思いますが。パニック発作自体は急性の症状ですが、パニック障害は慢性的な病です。そのため長期にわたる服用になる可能性もありますので、症状が軽いうちに早めに受診した方がいいと思います。

 

規則正しい生活を心がける

意外と、パニック障害はバリバリと仕事をこなしているビジネスマンにも多いといいます。自分の内側にある不安に気付かず、ストレスとプレッシャーに耐えて、ある日突然パニック発作をおこすこともあり得ます。パニック発作はストレスがきっかけとなっておこることが多いみたいです。長時間の労働で心身ともに疲労し、血中の乳酸(疲労物質)が高まると、パニック発作を誘発しやすいです。

そのため、適度な息抜き、睡眠は必要です。また、煙草やお酒も控えた方がよいです。その他、コーヒーや紅茶等に含まれるカフェインも脳に興奮状態をおこすことがあるので控えめに飲む方が無難です。

また、身近な人の死別や病気、会社や家庭でのトラブル等精神的ダメージによってパニック発作を起こしたりすることもあります。あまりストレスをうちにためず、発散することもときには大事です。

 

運動をする、光にあたる

これは本当は凄く重要なことなんです。パニック障害やうつ病等は、セロトニンの不足もひとつの原因であると考えられています。セロトニンとは、脳内の神経伝達物質のひとつで、必須アミノ酸であるトリプトファンの代謝過程で生成されるものです。

そのセロトニンを増やすためにも、運動をしたり、毎日太陽の光を浴びることは凄く重要なことです。少しずつでもやっていくといいでしょう。

 

自律訓練法

自律訓練法とは、リラクゼーション・トレーニング法のひとつです。自分の体の状態に気付き、その緊張を緩めることでリラックスした状態へと導きます。

 

自律訓練法のやり方

はじめの慣れないうちは、2~3分程度でやめるようにしましょう。慣れてきたら1回10分以内で、1日に2~3回(朝・昼・晩)を目安に行ってください。静かな落ち着ける場所で行ってください。ベッドのある自分の部屋がベストだと思います。服装もなるべくリラックスしたゆったりとした服装で。時計やアクセサリーは外しておきましょう。まず、枕はしないで横たわってください。足はやや開き気味に、腕はからだから放して、リラックスしてください。

 

1.目を閉じて腹式呼吸を繰り返す。

2.「気持ちは落ち着いている」と心の中で、ゆっくり繰り返す。

3.両腕・両脚を想い浮かべて、「重たい」と心の中で繰り返す。

4.両腕・両脚を思い浮かべて、「温かい」と心の中で繰り返す。

5.「心臓が静かに規則正しく打っている」と心の中でゆっくり繰り返す。

6.「らくに呼吸をしている」と心の中でゆっくり繰り返す。

7.「おなかが温かい」と心の中でゆっくり繰り返す。

8.「額が心地よく、涼しい」と心の中でゆっくり繰り返す。

 

以上を繰り返してください。

 

認知療法

認知療法とは、マイナスの感情をプラスの感情に導く「思考の訓練」をすることによって、パニック発作時に現れる身体症状に対して以前のようにパニックに陥らず、パニック発作への感情的コントロールができるようにすることです。 パニック発作である限りは、それがどんなに苦しい症状であっても死ぬようなことはまずありません。

しかし、物事の考え方がマイナスの方向にゆがんでしまっているために死の恐怖を感じてしまうのです。それをカウンセリングや自己訓練によって考え方をなおしていこうというものです。

例えば、「胸が苦しい・・・ドキドキしてきた!死んでしまうかもしれない!どうしよう!」と感情的に反応してしまうのを、「胸が苦しい・・・これはパニック発作だ。また来たな。よし!来るなら来い!」と冷静に考えられるようにしていきます。

 

行動療法

薬物療法で発作はある程度コントロールできるようになります。ですが、一生お薬を飲み続けるわけにもいけませんよね。そこで行動療法によって問題となる行動の成り立ちを分析して明らかにし、それをもとに修正していき症状や行動を改善していくものです。

たとえば、「パニック発作がおきたらどうしよう」と不安のために避けている場所や状況にあえて身をさらし、それを繰り返していくことによって「大丈夫だった」という自信をつけ、恐怖を克服しようというものです。ただし、いきなり極度の不安を感じる場所に行くのは逆効果です。

 

不安レベルの小さい場面から徐々にならしていって、段々大きな場面へと挑戦していきます。例えば、電車が苦手な人は、誰かにつきそってもらって各駅停車の一区間を乗る事からはじめ、徐々に乗る区間を長くし、さらには特急・新幹線に乗れるようにし、1人で乗れるようになるまで、焦らずゆっくり段階を踏んでいきます。

頓服用のお薬を飲んで挑戦していくのもいいでしょう。頭の中に「いつもパニック症状がおきる場所に居ても全然平気だった」という認識をうえつけていけばいいわけです。

 

パニック障害は意外にも多くの人が発症しています。自分だけではないということを自覚し、焦らずゆっくりと改善していきましょう。