からだの痛みは、からだの異常が神経を刺激して起こります。それらの痛みのなかでも、末梢神経の走行に沿って痛みが起こる場合を神経痛といいます。

 

発作は間歇(かんけつ)的で長くは続きません。しかし神経をさくような激しい電撃的な痛みで、それがおさまっても、またしばらくすると反復して起こります。そのため食事や睡眠も妨げられ、痛みに加えて不安や恐怖も生じてきます。

 

痛む神経は、三叉神経(顔と頭の前3分の1)、舌咽神経(舌の奥から耳)、後頭神経(首から後頭部)、肋間神経(側胸部)、坐骨神経(腰から脚)の5つにだいたい決まっています。

 

また、神経が関係している特定の場所に触れると、痛みが誘発されます。これも神経痛の特徴のひとつです。

 

 

神経ブロックは神経痛の種類を問わずに行われる治療法

 

原因がはっきりせず、神経学的検査でも全く異常がないものを、特発性神経痛といいます。特発性三叉神経痛や舌咽神経痛には、テグレトールがよく効きます。

 

そのほか、痛みを緩和する薬物療法や鎮痛剤・副腎皮質ステロイド剤や神経ブロックなどの対症療法が、治療の中心となります。しかし神経痛には、なにか基礎の病気があるものと考えて検査することが大切です。

 

なにか原因となる病気があるために起こるものを二次性神経痛といいます。椎間板ヘルニア、変形性脊椎症などの整形外科的疾患による神経の圧迫、がん細胞の神経への圧迫・浸潤、さらに神経の炎症・感染(帯状疱疹後の神経痛)などがあげられます。

 

これらは原病の治療をすすめるのと並行して、痛みを緩和するための対症療法を行ってもよいでしょう。

 

それらには、軽症であればアスピリンのような市販薬でも効きめはありますが、重くなるとモルヒネのような鎮痛剤でないと痛みはおさまりません。ただし、鎮痛剤は習慣性になり、中毒症状や副作用を起こすこともありますので、必ず医師の指示を守って服用します。

 

また、痛む神経そのものに麻酔薬を注入する神経ブロックは、神経痛の種類を問わず行われ、原因や症状によって有効です。この治療は、ペインクリニックのある病院で受けられます。

 

 

痛みは異常を示すサイン。素人判断は禁物です

 

他の病気と神経痛とを取り違えて、そのまま過ごしているケースが多くあります。たとえば、口唇のあたりに痛みがくる三叉神経痛を歯の痛みと取り違えたり、肺に腫瘍があるのを肋間神経痛と思い込むなどです。

 

また、足や腰に痛みがくる坐骨神経痛を、老人特有の持病と考え自己療法に頼る人もいますが、背骨の変形や腫瘍が原因ということもあります。

 

痛みはからだの異常を示すサインですので、まずは医師の診断を受け、それが治るものであれば治療に心がけましょう。

 

 

不安や恐れは痛みを強める。リラックスできる環境づくりも大切

 

風呂に入って温まる、痛いところをさする、などは昔から家庭で行われてきた方法ですが、温めることは一種の理学療法ですし、痛む部位をさするなど軽い刺激を与えることは、神経生理学的な痛みの緩和法です。

 

また、不安や恐れを感じると、痛みは増強します。ですから、精神的にリラックスできるような環境づくりも大切です。入浴は保温効果ばかりでなく、気分をやわらげる働きもあります。

 

ひとたび痛みが起こると、そのまわりの筋肉が緊張して血のめぐりが悪くなり、ますます痛みが強くなり悪循環におちいります。

 

この悪循環には、不安などの精神的な要因も加勢します。精神的な緊張を招く条件を取り除くようにつとめると同時に、早めに受診して適切な治療を受けましょう。