鼻の骨が曲がっていうものを鼻中隔湾曲と呼び、これによりいびきが起こる場合があります。その場合、いびきを完全に治すために根本の原因である鼻中隔湾曲を治さなければいけません。

 

ここでは、鼻中隔湾曲といびきの関係性と治療法について紹介しているので参考になさってください。

 

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●鼻中隔弯曲症は睡眠時無呼吸の原因にも

 

鼻中隔弯曲症とは左右の鼻腔の中央にある、鼻の障子と一般にいわれる鼻中隔が高度に曲がった状態のことをいいます。C字弯曲、K字(くの字)弯曲、あるいはS字弯曲など、曲がりかたはさまざまです。

 

本症では、鼻閉(鼻づまり)、頭重感や頭痛などをきたし、鼻出血の原因にもなります。

 

また、夜間寝ているとき、鼻閉のため、鼻呼吸ができない場合には、口呼吸となり、吸気(息を吸うこと)のとき、舌が奥下方へ落ち込み、咽頭の狭窄がおこります。

 

そのとき、大きないびきが発生したり、睡眠時無呼吸症候群がおこることがあります。これらの症状と鼻の中の視診から、鼻中隔弯曲症の診断がなされます。

 

また、X線写真からも本症の診断は可能です。

 

治療については、弯曲それ自体は、軟骨や骨の異常が原因なので、手術で曲がった軟骨を削ったり、切除して治療しますが、レーザーは一般的には使用しません。

 

従来から行われるメスやノミを用いて鼻中隔矯正手術をしたあと、下鼻甲介(かびこうかい)が肥大していれば、その肥大した部位をレーザーにより焼灼(しょうしゃく)したり、切除したりすることはあります。

 

このレーザー手術は外来でも可能ですが、鼻中隔矯正手術と同時に行うときは、入院して手術するのが一般的です。

 

 

●いびきの原因に対応した治療を

 

関連ページ:いびきには治療が必要なものもある!!

 

いびきの原因はいろいろあります。

 

鼻腔での原因としては、前述した鼻中隔弯曲症以外にも、両側鼻たけや高度のアレルギーによる鼻閉のため、睡眠中に口呼吸となる場合があります。

 

また、小児では、鼻の後方に位置するアデノイド肥大や高度の扁桃肥大(成人でも、ときにはみられます)、あるいは喉頭浮腫や両声帯麻痺、さらに小顎症(あごが小さい)、巨舌症(舌が非常に大きい)などの場合には舌根部が沈下しやすく、気道狭窄や閉塞をおこしやすくなります。

 

いびきの原因が鼻中隔弯曲症のみによるものなのか、それ以外にも原因があるのか、耳鼻咽喉科の専門医に一度診断してもらってください。原因を十分検査したうえで、それに対応した治療をすることが大切です。

 

基本的には問診と、鼻腔、口腔、咽喉頭の視診、そのほか1〜2泊の入院のうえ、睡眠ポリグラフ検査を行い、いびきの程度、睡眠時無呼戦の有無と程度を調べます。

 

また、これらが存在すれば、睡眠下の上気道内視鏡検査と動的MRI(磁気共鳴画像診断)検査をして、上気道狭窄の閉塞部位を診断します。

 

 

●手術のほか鼻マスクなどを用いる治療も

 

治療では、原因部位(狭窄部位)の診断に基づいた治療をすることが必要です。治療は主として、3つの方法があります。

 

第一は手術治療です

 

(1)鼻内手術(鼻たけ摘出術、鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術など)

 

(2)口蓋垂(こうがいすい)・軟口蓋(なんこうがい)・咽頭形成術

−−口蓋形成術ともいい、いびき、睡眠時無呼吸症候群のもっとも一般的な手術です。

 

(3)レーザー舌根正中部切除術

−−舌が大きい場合や吸気に際して舌が沈下して舌根部で狭窄・閉塞をおこす場合に、舌の正中後方の組織を出血しないように切除します。

 

(4)扁桃・アデノイド手術

−−小児のいびき・睡眠時無呼吸症候群の大半が扁桃やアデノイドの高度肥大が原因であり、この手術により劇的改善が期待できます。

 

 

第二は経鼻的陽圧呼吸法による治療です。

 

鼻マスクを用いて空気を送る方法ですが、いびきのみの治療には使用しません。

 

アメリカでは、睡眠時無呼吸症候群の患者に対する使用頻度が高く、日本でも内科的治療として、もっとも一般的です。欠点は毎日、鼻マスクをして就寝する必要があること、機械から音がでるため、適応にならない人もいることです。

 

第三に、歯科装具(入れ歯のようなもの)を用いて寝る方法です。この装着により、下顎が前方へでるため咽頭腔が拡大され、呼吸がらくになります。

 

軽度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんには、有効ですが、鼻の病気のあるときには、不適当です。いびきを予防するためには、第一に、肥満を予防することです。

 

高度肥満の人は大きないびきをかきやすい傾向があります。これらの人は食事の制限と適度な運動をし、減量に努力することが重要です。

 

そのほか、上向きで寝るよりも横向きで寝るほうが、いびきや睡眠時無呼吸を軽減することができます。

 

きわめて大きないびきを毎日かき、しかも就寝中に何度も呼吸が止まる(1回あたり10秒以上)のときのいびきは病的いびきであり、医療機関に受診することをおすすめします。