この事についてお話しするにあたって、最初に知っておいていただきたい重要な事があります。それは、「あなたの悩みに対する答えは、全てあなた自身の中に存在します。」ということです。その理由は追々わかっていただけると思います。

 

さて、問題の解決法を自分で知るには、2つのやり方があります。どちらも、根本的には同じ原理なのですが、方法が少しだけ違うので、分けて解説しようと思います。お好きな方を試してみて下さい。

 

 

沈思黙考による方法

 

あなたのかかえている問題が複雑な場合には、それらをあらゆる面から、客観的に、冷静に直視し、整理、分類、単純化したりする事が必要です。そうすることによって、複雑に絡み合っている問題の数々に漠然と不安を感じているだけ、などという状態から一歩進んで、問題解決への糸口が見えてくるはずです。

 

そして、それぞれの問題について、自分のあらゆる考え、もし他人が関係しているのなら、その人の考え得るあらゆる考え、そして、その状況を打開する為のあらゆる方法を徹底的に考える必要があります。

 

そして、充分考えたら、ひとまずその問題を考えることをやめて、半日から一晩位放っておいてみて下さい。その後にもう一度沈思黙考してみて下さい。最良の解決法が浮かぶはずです。もしかすると、他のことをやっているときにグッドアイデアが突然ひらめくかもしれません。

 

人間の潜在意識

一般的には、ひとつの問題を、徹底的に考えて、考えて、考え抜いてしばらくの期間それを放置しておくと、潜在意識(せんざいいしき:心の奥底)では、それが咀嚼(そしゃく)、消化され、ベストな解決法が導き出されているものなのです。

 

化学者ケクレが、夢の中でベンゼン環を発見したというのは有名なエピソードで、ご存知の方もいると思います。まさに考え抜いた結果、潜在意識下では答が準備され、それが夢という形でひらめいたというわけです。

 

問題となっている事項に関して、冷静に、客観的に、徹底的に、考えて、考えて、考え抜いたあとには、潜在意識の中では、ベストな解決法ができあがってはいるのですが、顕在意識(けんざいいしき:普通の意識状態)では、どれがベストなのか選びあぐねている、という状態なのです。

 

顕在意識と潜在意識

ここで、「顕在意識」と「潜在意識」という言葉がでてきましたが、ご存知ない方のために少々ご説明させていただこうかと思います。

 

人間の「意識」(「心」と言い換えてもよいかと思います)は、「顕在意識」と「潜在意識」とに大きく分けられます。「顕在意識」とは普段私たちが物を考えたりする場合の普通の意識状態です。一方、「潜在意識」とは普段はっきりとは意識できないが、実は我々の行動の原動力となっている部分で、「顕在意識」よりも遙かに強大です。

 

「潜在意識(=無意識)」の中にある事柄は、「顕在意識(=意識)」で考える事柄よりも遙かに強い影響力があるのです。催眠術にかけられた人が、自分の意志とは反対に、術者の言葉通りの行動をするのを見たことがあるかと思いますが、これは、催眠術で、潜在意識に術者の言葉が植えつけられたために起こるのです。

 

このように、潜在意識がいかに強大な力を持っているかという事はおわかりいただけたかと思います。ただ、「潜在意識」を「無意識」とも言うように、普通、意識する事が難しいというのも「潜在意識」の特徴なのです。

 

以上の「潜在意識(無意識)」と「顕在意識(意識)」をご理解いただければ、先ほどの、「問題となっている事項に関して、冷静に、客観的に、徹底的に、考えて、考えて、考え抜いたあとには、潜在意識の中では、ベストな解決法ができあがってはいるのですが、顕在意識では、どれがベストなのか選びあぐねている、という状態なのです。」という事の意味はわかっていただけるかと思います。

 

要するに、「心の奥底では答がわかっていても、それを知ることができないという状態」という事なのです。この様な時、静かな場所で沈思黙考すれば、潜在意識に近づきやすくなるため、潜在意識が選んだベストな解決法が自然とわかるのです。

 

その際、人によっては、神仏や、いわゆるハイアーセルフとか真我とかに問いかけることによって、それらがおごそかに答えてくれるというイメージをとるなどという方法もあるのですが、自問自答によって「これがベストだ」と、直感することの方が多いかと思います。

 

膨大な情報量の中の一部分

一般的に、非常に難しい問題の解決法を知ろうとした場合どうするでしょうか。ほとんどの人は、まず、自分で解決法を探る努力をすると思います。ところが、自分だけでは解決法を見つけられない場合、「他人に相談する」という方法をとる人も少なくはないのではないでしょうか。

 

しかし、適当な相談相手がいない場合、よく、「相談する相手がいないから」という理由で、一人悶々と堂々巡りの考えで思い悩む人も結構多いようです。また、他人に、悩み事をうち明け、ちょっとした同情や、アドバイスの言葉をもらっただけで気が楽になったというような経験はどなたにもあるのではないでしょうか。

 

問題で悩んでいる当事者は、本当は、潜在意識下には問題に関する相当いろいろな情報を持っており、その情報量は、相談を受けた赤の他人の知り得る情報量などより遙かに多いのは当然です。

 

ですから、本来は、自分の問題に対するベストな解決法を導き出せるのは、他人等ではなく、圧倒的な情報量を誇る、自分自身そのものであるはずなのです。

 

ところが、欲得や、固定観念、思考習慣等で、自分や他人等を冷静に客観的に見ることを自分で拒否したいということから、せっかく潜在意識下にある膨大な情報の、ごく一部しか顕在意識で利用できない(本当は、「利用しようとしない」というのが正確な表現かもしれません)という事が多いというのもまた事実であり、その結果、自分自身で問題の解決法を見つけられずに思い悩んだり、他人に相談するという方法に頼ったりしてしまう人が出てくるわけです。

 

具体的な例をお話すると、例えば、ある人が他人を好きになり、相手にも自分に好意を示して欲しいと思っているとします。ところがその相手が自分に好意を示してくれない場合、その人は、次のように考えるでしょう。

  • 私はこれだけ相手が好きだ
  • 私はこれだけ相手に好意を示している
  • 私は相手に好意を示して欲しい
  • 相手は私に好意を示してくれない

 

以上の4つの情報しか利用しようとはしないかもしれません。その結果、「なぜ、相手は自分に好意を示してくれないんだろう?」という疑問になってしまい、悩んでしまい、自分では問題の答えを見つけだせないという事になってしまうかもしれません。

 

しかし、もしここで、その人が、先ほどの①~③の情報に加えて、④の「相手は私を好きではないようだ」という潜在意識下の情報さえ利用できれば、対処法は決まってきて、堂々めぐりの悩みから解放される方法も見つかるはずなのです。

 

では、なぜこの重要な情報を利用できないのか。それはあたりまえの事で、先ほど言った、欲得やそれまでの固定観念や思考パターンが、その一番重要な情報に覆いをかけてしまうからです。

 

この例で言えば、相手が自分を好きではないという事実に心の底では気づきながらも、自分の欲得等のために、それを認めたくないという気持ちが強く、結果的にその重要な事実を無視してしまうという事です。

 

で、他人に相談した場合、相談を受けた人は、欲得、固定観念など持たずに、冷静に、客観的に、その人の問題を分析できるが故、①~④の全ての情報を利用して解決法を提示してあげられるわけです。

 

ですから、冒頭で「あなたの悩みに対する答えは、全てあなた自身の中に存在します。」と申し上げましたが、もし、あなたが、ある問題の解決法について考える場合、欲得やそれまでの固定観念や思考パターン等を離れて、冷静に客観的にご自身や他人や状況等を観察したのなら、あなたのごくごく一部分しか知らない他人のアドバイスなどより、自分をよーーーく熟知しているあなた自身の方が、よっぽど素晴らしい解決法を見つけられるはずなのです。

 

現実に向き合うことの大切さ

なぜ、今まで、あなたが自分で解決法を見つけられなかったかというと、何度も申し上げるように、自分、他人、状況等にあなた自身が、あなた特有のフィルター、あるいは色めがねをかけて観察していたために、解決法に役立つ多くの情報に自ら目をつむっていたからなのです。

 

ですから、何らかの問題の解決法を考える際には、その辺を考慮して、自分、他人、状況等の中に、「自分は見たくはないけど、現実には存在する(可能性のある)もの」「自分は認めたくはないけど、それが現実である(かもしれない)もの」から目をそらさずに冷静に客観的に考えるようにするといいかと思います。

 

時には、冷徹な現実を直視する事には強い抵抗を感じるかもしれませんが、そこから逃げ出したり、「臭いものに蓋状態」であったのでは、問題をこじらせこそすれ、本当の解決にはならないので、時には、「現実直視」も必要でしょう。

 

ただ、常に現実直視だけしていたら、夢も希望もなくなってしまう場合もあるかもしれませんので、うまくバランスをとって生きていきたいものですけどね。

 

 

文章化による方法

 

これは、基本的には前の方法と同じなのですが、沈思黙考によって答を得るのではなく、文章にしてみるという点だけが異なります。

 

前の方法と同様に、問題について、自分のあらゆる考え、もし相手が関係しているのなら、相手の考え得るあらゆる考え、そして、その状況を打開する為のあらゆる方法を、考えながら、列挙したり文章にしていくのです。

 

何となく堂々めぐりの考えをして悩んだり、漠然と考えているよりも、ただ文章にするだけで、遙かにいろいろな分析ができるという事に驚かされるかと思います。

 

そして、その際、ワープロを使うことをお勧めします。ワープロだと、例えばささいな発想でも、とりあえずどんどん書き込んでいき、それを自由自在に組み合わせたりして、より納得のいく文章にできるからです。