40代~50代を中心に多くの女性が患う更年期障害。体がだるい、熱っぽい、やる気がでないなど、生活に支障がでる症状を呈し、中には症状の強く現れることにより精神病などを併発する人も少なくありません。

 

なぜ更年期が起こるのか、治療法とはどのようなものがあるのかなど、更年期障害に悩んでいる方は早期改善のためにも知識を習得しておいてください。

 

 

なぜ更年期が注目されるのか

 

女性に関する問題のうち、医療に限ってもかつてこれほどまでに「更年期」について話されたり、書物に現されたりした時期があったでしょうか。女性についての考え方や認識の仕方が変わってきたためか、あるいは女性の社会的地位が確立されてきたために、この女性特有の症状を取り上げる環境が整ってきたとも考えられます。

 

日本女性の約2000万人が更年期にあり、女性のライフサイクルからは当然起こるべき更年期を病気とすることで、改善治療薬として人工のエストロゲンが使われます。なぜこれほどまでにエストロゲンが持てはやされたのかは、女性の社会進出と医療分野の人工エストロゲンのホルモン療法と関係にありそうです。

 

更年期を迎えると女性ホルモンの急激な減少が起こります。このホルモンがエストロゲンとプロゲステロンで、女性ホルモンと呼ばれています。主にこの二つのホルモンの減少が更年期を引き起こしますが、ココロとカラダの両方にさまざまな症状を引き起こします。こうした更年期障害の症状を軽減させるためにエストロゲンが用いられますが、この選択が更年期を上手く乗り切る秘訣があるように思われます。

 

天然自然のエストロゲンが女性を救い、更年期障害を軽減し、ガンや心臓病、肥満などから開放する方向に働くのに対し、人工のエストロゲンはまったく逆の方向に働かせるとする医学的発表があります。

 

 

更年期とは

 

更年期と呼ばれる女性特有のカラダの変化は、心身の不調として現れます。男性には理解できない体の不調は、時として「怠け病」の様に誤解されてしまいますが、更年期を迎えた女性にとっては「カラダが崩れていく」ような、過去に経験のない身体的異変によって、身体的苦痛と自信喪失の連鎖に苦しむ状態が続きます。

 

医学的には更年期のこの時期に起こる身体的症状を「更年期障害」と呼んでいますが、その症状や訴えは人それぞれです。医学的にも更年期障害とはコレコレです・・・とは言い切れませんが、症状には意外と共通点が見られます。更年期は通常閉経を挟んだ10年間を指しますが、環境や社会生活の背景によって個人差が生じる場合があります。

 

またカラダの変化だけに限定されず、家庭内の特に子供の成長やご両親の老齢化など、生活のサイクル変化によってココロとカラダのバランスに変調を来たします。

 

肉体的な変化をもとに分類すると壮年期から老年期を迎える約10年間を更年期とすることも出来ます。日本人女性の閉経か49歳から51歳とされていますから、この前後10年間が更年期の期間にあたります。このため、おおよそ40歳を過ぎた辺りから更年期に対処する準備が必要です。

 

つまり生理のサイクルが終わることによって、ホルモンバランスが新しく作り直されるためにこれに伴ういろいろな症状が出ることになると考えられています。しかし更年期を経験せずに済ます人たちもいます。欧米化され他先進諸国ではごくあたりまえの「更年期現象」ですが、第3世界ではあまり知られていない現象とのことです。

 

日本の女性にとっては「不快の10年間」ですが、原因の原因は体内にあるのではなくて、体内に摂り入れたものによって作られたものかも知れません。自然環境の変化・食物の劣化・ジャンクフードの普及・不健全な食生活・糖質と脂質の異常な摂取など複合的な原因で、更年期をより複雑なものにしています。更年期を迎える前準備をよりよく整えることで、不快な症状から開放されることになるのではと考えられます。

 

 

更年期障害の原因

 

更年期に入ると、ほとんどの女性に女性ホルモンの変化が起こります。卵胞ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌の減少が原因とされていますが、エストロゲンもプロゲステロンもともに卵巣から分泌されます。

 

更年期障害に特に関係が深いとされてきたのがエストロゲンですが、近年ではプロゲステロンの減少を重視する研究が発表されています。生涯のエストロゲン分泌量とプロゲステロン分泌量を比較すると、エストロゲンがあまりにも多いために、この減少量に目が行きがちですが、プロゲステロンの生涯分泌量があまりにも少ないために、意外と無視されてきました。

 

エストロゲンは月経や受精の仕事をするほか、内分泌ホルモンとして体全体に働き女性らしい体や肌、豊かな髪を作り出します。エストロゲンは血液によって運ばれ、身体の全ての臓器・全ての細胞に働くため、エストロゲンの現象は全身にわたっていろいろな症状を引き起こします。

 

血管や筋肉の収縮と拡張に関係し、血液の流れや筋肉の硬直と弛緩に関係する症状が現れることになります。顔の火照りやのぼせ、発汗、冷え、頭痛、肩こりなどが症状の一例です。

 

 

更年期の治療法

 

更年期はカラダの自然な変化によるものですから、個人差があります。通常の医学療法から民間療法や代替医療、漢方や気功など、さまざまな療法を組み合わせてあられる方もおられます。

 

代表的な療法は減少したエストロゲンを服用するものですが、よく行われる女性ホルモン療法です。近年このホルモン療法に警鐘を鳴らす医師の報告も見られるようになりました。人工合成のエストロゲンが副作用をもたらすためです。(関連:更年期(40・50代)におけるホルモン療法の効果と副作用について

 

<エストロゲン単独服用法>

エストリオール剤を1日2mg/毎日飲む。4週間続けて1週間休むパターンもある。比較的エストロゲンの量が少なく、症状も軽い方に短期間使用されています。

 

<周期性服用法A>

エストロゲン製剤を0.625mg/毎日飲みながら、プロゲステロンを12日間、1日2.5~5mg飲む。

 

<周期性服用法B>

エストロゲン製剤を21日間飲み、後半の12日間にプロゲステロン製剤を併用し、その後7日間休む。プロゲステロン服用後10日ごろから少量の出血がみられ、数日間月経のような出血がみられます。

 

<持続併用服用法>

エストロゲン製剤を0.625mgと同時にプロゲステロン1.25~2.5mgを毎日飲む。皮膚に張るタイプの物は、肝臓への負担を軽減します。

 

現在「HRT療法」がその療法として採用されています。エストロゲンの単独使用では子宮体ガンが発生しやすいことがアメリカで確認され、現在ではプロゲステロンを一緒に使う療法が開発されました。これがHRT療法です。プロゲステロンには抗腫瘍作用があり、これによって子宮体ガンを防いでいます。

 

症状が軽い状態であれば、食事療法や運動療法、気分転換などの生活療法で改善する場合もありますが、専門の医師の相談されて症状にあった療法をお受けになるのが賢明です。通常療法では薬物療法が中心となりますが、漢方療法などの東洋医学などをお試しになるのも選択肢のひとつです。精神的なダメージがある場合には精神科医などにカウンセリングを受け、医師と相談しながら納得の行く療法を選びましょう。

 

エストロゲン製剤の副作用

女性ホルモン療法では副作用が心配です。不正出血が生じたり、乳房が張ることがありますが、長く服用することで徐々に改善されていきます。専門医の判断では「閉経状態のところに人工ホルモンを投与することで、月経と似た出血が起こることは当然の現象で、出血は6ヶ月を経ると自然に止まる」としていますが、ひどい症状であれば専門医にどんどん尋ねてみるべきです。多かれ少なかれ人工エストロゲンの副作用としての症状ですから。

 

副作用の中で特に心配なのが女性特有のガンです。子宮体ガンはプロゲステロン製剤で多くは解決されましたが、乳ガンの発生が多くみられるとの報告があります。これについては医学界で侃侃諤諤の議論がされています。卵巣ガンのリスクが高まるとか、膣ガンでは関係がみられないとか意見はさまざまです。

 

どちらにしろ更年期障害に関して治療効果が高い女性ホルモン療法ですが、乳ガン・子宮ガンをすでに発症されている方や、ガン治療中の方でエストロゲンと深く関係している場合には、ホルモン療法はむしろマイナス要因となる場合があります。

 

このほか肝臓疾患が悪化したり、神経症にも副作用の可能性があるので要注意です。子宮筋腫の方ではエストロゲンの作用で筋腫が拡大する可能性があります。専門医師にご相談されて慎重に治療されることが望まれます。

 

<漢方療法>

漢方の特徴は、カラダ全身の生体調整を目的としますから、更年期障害には有効な療法のようです。漢方では患者さんの「体つき」も判断基準の一つにします。このため症状が同じでも薦められる漢方製剤が異なる場合があります。自然の生薬が原料ですからほとんど副作用がありませんが、有効に働かない場合は漢方の種類を変更する必要があります。

このうち更年期障害に薦められているのが「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)・「加味逍遥散」(かみしょうようさん)・「桂枝茯苓丸」(けいしふくりょうがん)・「通導散」(つうどうさん)・「桃核承気湯」(とうかくじょうきとう)などがあります。漢方以外で、更年期障害に効く成分は大豆イソフラボン。人によって効果は違うため、漢方、大豆イソフラボンと色々試してみるといいでしょう。