頸肩腕症候群という病気をご存知でしょうか。頸肩腕症候群とは、首から肩にかけて異常な(原因不明の)痛みが生じる病気で、意外にも多くの方がこの病気を有しています。

 

頸肩腕症候群は負荷をかけたりすると悪化し、治すのが難しいものですので、第一に安静が大切です。また、悪化する因子はさまざまありますので、症状を悪化させないためにも、頸肩腕症候群の知識を深め、対策に取り組んでください。

 

 

くびからくる痛み?肩からくる痛み?

 

それぞれの特徴をあげてみると…くびや肩の痛みには、くびや肩のどちらかが悪くても両方に痛みがくるという特徴がありますから、どちらが原因かを見分ける必要があります。

 

くびからくる痛みの特徴には、次のものがあります。

 

(1)くびの筋肉がつっぱって、くびがよく動かなくなる。

 

(2)くびのまわりの筋肉をつまむと痛い。

 

(3)耳の後ろの筋肉がつっぱって痛む(後頭下痛)、耳の後ろから目まで痛みが走る。

 

(4)肩や肩甲骨の内側が痛む。

 

(5)手や腰・足に痛みが走る、しびれる、感じが鈍る、なんとなく感じがおかしい、力が入らなくなる。

 

(6)痛み方が、くびの動かし方でよくなったり、悪くなったりする。また、せきやくしゃみなどで痛みが強くなる。

 

一方、肩からくる痛みは、腕のつけ根の内側、肩の骨の外側、肩の後ろ側などによくきます。肩の動きが悪くなったり、あるいは肩を動かすとき、まわりの痛みが強くなったりします。手を後ろに回し、どの高さの背骨をさわることができるか試してください。

 

くびの筋肉がつっぱることもありますが、それほど強くなく、くびの動きが普通なのは、肩からくる痛みと考えられます。

 

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寝ちがいからくるくびの痛みや五十肩など年齢的なものも…

 

くびや肩の痛みには、急にくるものと徐々にくるものがあります。くびが原因でくる急な痛みの代表的なものには、寝ちがいと呼ばれるくびの痛みがあります。これは急性強直性頸痛と呼ばれ、くびの筋肉に無理がかかって生じる痛みです。安静にし、鎮痛剤、湿布(はじめ冷湿布、次に温湿布)などで、2〜3日から1週間くらいで治ります。

 

そのほかに頸椎椎間板ヘルニアや骨折(とくにけがをしなくても、がんなどがくびの骨に転移して急につぶれることがあります)、炎症(くびの骨にばい菌がつき、発熱を伴うのが普通です)などがあります。

 

肩が原因の急な痛みには、肩の周囲に石灰がたまってくるものがあります。中年以降の人に多いのですが、病院で注射器を使って石灰をとってもらうと、らくになります。

 

徐々にくるくびや肩の痛みには、変形性頸椎症、頸椎ヘルニア、肩関節周囲炎(四十肩、五十肩などと呼ばれるもの)など年齢的なものや、結核性、化膿性、リウマチ性、腫瘍性のものなどがあります。年齢的なものは何度も繰り返して起こることがあります。

 

 

寝ちがいの場合、頸部の安静を保ち鎮痛剤や冷・温湿布で症状が改善

 

治療法は原因となる病気で違ってきます。寝ちがいのときは、頸部の安静を保ち、鎮痛剤や冷・温湿布で長くても数日で治ります。

 

頸椎ヘルニアや変形性頸椎症では、くびの位置が大切です。くびの曲げ方で神経への圧迫がとれ、痛みがらくになります。その角度を見つけ出し、その角度を保つようにカラー固定をしたり、バンドでくびを引っ張ったりします。

 

間歇牽引といって、病院でくびを引っ張ったりゆるめたりする装置がありますが、そのときもらくなくびの位置を保つことが大切です。このくびの角度は一般に、くびを軽く前に曲げた位置になりますので、使用する枕は少し高めになります。

 

頸椎ヘルニアや変形性頸椎症などでくびの神経がおかされ、手足に力が入らなかったり、感じが鈍くなったりしている場合、その程度によっては入院治療が必要になります。ばい菌がついたり、できものができたりしたときは入院が必要です。

 

肩関節周囲炎の場合は、通院だけで治るのが普通ですが、半年とか1年半くらいかかることがあります。体操療法を病院で教えてもらい、家庭でも行うようにします。スポーツなどで、肩に急に無理な力がかかると腱が切れて、肩が上がらなくなることがあります。この場合、程度によっては入院治療が必要です。

 

 

痛みが強いときや長引くときは医師にかかり原因を調べてもらおう

 

くびや肩に痛みがきたとき、痛みの程度がひどくなく、安静だけで1〜2日で痛みがとれてしまう場合は別として、痛みがとても強いときや長引くとき、何度も繰り返して起こるとき、同時に発熱を伴うときなどは、病院へ行き原因を調べてもらうことが必要です。治療法は、原因別に違っていますので、病院で指導を受ける必要があります。