①風邪をひきやすい、②いつも元気がない(活発でない)、③食欲がない(食が細い)、④顔色が青白い、⑤頭痛や腹痛を繰り返し訴える、⑥家の中でだけ遊ぶ、⑦貧血などで急に倒れることがある、このような状態であれば他の子どもよりも少し体が弱いかもしれません。

 

人によって体の強さは異なりますが、体の弱い子供は色々な刺激に敏感で、病気にかかりやすかったり、病気が治りにくかったりします。これには免疫力が大きく関係しており、成長とともに免疫力が向上して解消するケースも多々ありますが、大人になっても体が弱いことも少なくはありません。

 

 

体が弱いとは

 

元気がなく具合が悪そうなので病院にかかっても、悪いところはないという診断を受けることがあるかと思いますが、そんな場合には免疫力が低いなどの理由から、体が弱いという状態になっています。一昔前には体の弱い子供を一般的に、「虚弱児」と呼んでいましたが、虚弱児の傾向としては疲れやすい、病気にかかりやすい、病気にかかると重症化しやすい、または治りにくいなどがあります。

 

そのほかにも、頭痛や腹痛などの身体症状が起こりやすかったり、神経質や無気力などの精神症状が起こりやすかったりします。さらに、意欲薄弱や臆病、消極的、逃避的、孤立的といった性格的な面に作用することもしばしばあります。

 

このように体が弱い子供、いわゆる虚弱児はその子自身が持つ体質(免疫)や環境、生活など、さまざまな要因が影響していると考えられています。特に食事は非常に重要な要素となります。基本的に栄養は食事からしか摂取できませんので、食事の量が少ないとそれだけ“力”がつきませんので、食事量が少ない子供は多い子供よりも必然的に体が弱くなってしまいます。

 

 

体が弱いことで起こるさまざまな症状

 

風邪を引きやすい、疲れやすいといった症状は、健康で元気な子供にもみられるため、厳密に言うと体の弱い子供と健康な子どもとの間にはハッキリとした境界線がありませんが、大きく言うなれば体の弱い子供は外的・内的におけるさまざまな刺激に対する反応が敏感であると言えるでしょう。

 

体の不調が続くと、親が第一に心配すると考えがちですが、実は誰よりも不安に感じるのは子供自身です。過保護に扱いすぎると子供は自分が体が弱いということを意識しすぎて、かえって悪影響を及ぼす可能性がありますので、親としては健康児と同様に接することが肝心です。

 

以下に体が弱い子供に起こりやすい症状と、日常生活の中での問題点などについてご説明します。

 

 

お乳を飲まない・食が細い

乳児の場合、お乳をあまり飲まないと母親は不安になってしまうものです。少量でも飲んで機嫌が良いようであれば特に問題はないので、あまり神経質にならないようにしてください。

 

混合栄養や人工栄養の乳児が生後2〜3カ月ごろに、ミルクを嫌がることがあります。この時も、親が焦ってミルクを強制するのは逆効果となります。哺乳瓶の乳首の形や硬さ、 穴の大きさを変えてみたり、ミルクの種類を変えてみます。それでも効果がない場合は、果汁、野菜スープ、ヨーグルト、重湯などを少しずつ与えてみるのも一つの方法です。

 

生後まもなくから、他の子供よりも目を覚ましている時間が長く、お乳嫌いも相まって、体重増加の著しい生後2〜3カ月でも体重がなかなか増えない場合がありますが、体重が増えなくても身長が伸びて本人が元気なら特に心配する必要はありません。もともと、食欲や食事の量には個人差がありますので、あまり神経質にならないようにしましょう。

 

しかしながら、食事は子供の体の基礎を作る不可欠な要素です。内的・外的なストレスや不規則な食生活(時間や間食)、運動不足なども食欲不振の原因になります。今一度、食生活を見直してみて食欲不振の原因をみつけましょう。生活リズムを整え、家族そろって楽しい雰囲気で食事をすることや、幼児期に入ったら一緒に食事の仕度をして 食生活に興味をもたせるなど工夫してみましょう。

 

乳児期に入った子供にも同様に、ストレスや不規則な食生活、運動不足が原因となって、食欲不振とあることが多々あります。特に運動においては骨の強化し、直接的に体の強化に繋がりますし、運動量が増えるとカロリー消費により必然的に食欲が増加しますので、ゲームなど家での遊びだけでなく、積極的に外に連れ出すようにしてみましょう。

 

風邪を引きやすい

2歳以下の子供の場合は年に平均8回、思春期でも年3〜4回ぐらいの頻度で、風邪を引くものです。 特に小さいうちは病原体と接触した経験も少なく、免疫機能が不十分なので、頻繁に風邪を引いてしまいます。風邪を引くことによって 免疫機能を向上させ、抗体(風邪に対する防御機能)を獲得していくわけです。ただ、平均を遥かに超える頻度で 風邪にかかる場合には何らかの原因が考えられます。

 

免疫不全などの異常は稀で、ほとんどは呼吸器系の過敏反応により、かぜのウイルスに感染しやすい気道過敏症が原因になっています。対策としては、家庭では禁煙にして、室内の気温や湿度に注意を払うようにすることが大切です。

 

ただし、子供に対してあまりにも過保護になってしまうのは考えものです。風邪を引く我子をみると親としても辛いものですが、風邪を引くことで抵抗力が増えていくくらいに考えて、また過度に心配しないように考えて、たとえ寒い季節であっても外で過ごす時間を増やすようにしてください。

 

風邪を引かないために厚着で居続けるというのは逆効果で、薄着の習慣をつけることで抵抗力が増し、風邪を引きにくくなります。また、薄着だけでなく腕や足を、できるだけ外気に触れるようにしてください。

 

お腹を壊しやすい

子供は大人よりも腸が短く、また消化吸収に必要な酵素の活性が低いために、大人よりもお腹を壊しやすいものです。ただし、あまりにも高頻度にお腹を壊す場合には治療が必要になります。治療の目安は体重の増加で、身長の伸びに見合った体重増加がみられれば、特に問題はありません。

 

バランスのよい食事がとれていれば、消化や排泄の機能が整い、次第にお腹を壊しにくくなっていきますので、体重増加がスムーズではない場合には、まず栄養面に問題がないかを考えてください。

 

乳幼児においては、ミルクや離乳食の量が多すぎたり、与え方が不規則であったりすると、お腹を壊しやすく下痢になってしまうことがあります。また、栄養がしっかり摂れていて発育に問題がなく、検査で異常がない場合には「過敏性腸症候群」の可能性があります。近年では、10代の思春期に急増していますが、過敏性腸症候群は何も大人だけでなく小さな子供にも起こるものです。詳しくは「10代高校生~20代の女性に多い過敏性腸症候群の症状・治療・対処」をご覧ください。

 

子供の場合には、冷たい飲みものを常日頃に摂取していたり、冷房や水遊びなどが影響して腸に刺激をいき下痢となってしまいます。年齢が上がるにつれ、精神的なストレスが影響し、下痢や腹痛を引き起こします。なので、学校での友人関係や家庭内の問題など、心理的要因がないかを一度、考えてみてください。

 

疲れやすい

疲れやすいという症状は主観的であるために、原因を特定するのは難しいのですが、「生理的な疲労」、「心因性の疲労」、 「病気による疲労」などのタイプがあります。

 

■生理的な疲労

生理的疲労は、たとえば生活が夜型で不規則なために、睡眠不足や過労になっていることが原因です。一般的に、睡眠や休息を十分にとることで回復しますが、子供の夜型の生活というのは、親の生活時間に大きく左右されるため、夜型の生活を送っている親は生活時間の改善を考える必要があります。

体と脳の発達には夜間に十分な睡眠をとることが重要となります。親子で生活を朝型に軌道修正するよう心がけるとともに、学校に通うようになると受験勉強などで睡眠時間が削られ、慢性的な疲労状態に陥りがちですので、心身ともに休息できる環境を作ることが大切です。

 

■心因性の疲労

心因性の疲労は精神的なストレスが主な原因ですので、まずは心の問題を解決してストレスを軽減しなければなりません。心因性の疲労の場合は、疲労の度合いが時間帯によって変化する傾向にあります。一般的には、朝は疲労度が大きく、体を動かす日中には程度が小さくなっていきます。

 

■病気による疲労

病気による疲労の場合には、時間と共に疲労の度合いは次第に増していく傾向にあります。つまり、朝は比較的に疲労の程度は低く、体を動かす日中に症状が悪化していきます。特に特に夕方が最悪になる傾向があります。疲れやすいのは体が弱いからというわけではなく、病気が起因している場合もありますので、疲労の状態が続けば、一度検査を受けるようにしましょう。

 

骨折しやすい

子供の骨は大人よりも弱いために、ちょっとしたことで骨折することがよくあります。骨を鍛えるためには、バランスの良い栄養と十分な睡眠、適度な運動が不可欠です。

 

近年では、インターネットやゲームの普及により、外で遊ばず家でゴロゴロする子供が増えています。外で遊ぶということは骨の強化はもちろん、反射神経の強化にも繋がり、反射神経が強化されることで転ぶ際の顔を守ったり、ショックをうまく吸収したりと、骨折の可能性が低減します。

 

ただし、運動不足だからといって、あまり過激なスポーツをさせるのは逆効果です。一つのスポーツだけをすると、体の特定の部分だけが酷使され、骨の成長が未発達な子供には多大な負担がかかってしまいます。そのため、野球やサッカーなど特定のスポーツだけでなく、一般的な外遊びを積極的にさせる方が子供の成長にはプラスになります。

 

よく頭痛や肩こりなどを起こす

一般的に子供は大人よりも頭痛や肩こりは起こりにくいものですが、特に病気でもないのに頻繁に頭痛や肩こり、胸痛、腹痛などの身体症状のほか、イライラや無気力、倦怠感などの症状がでる場合があります。これは「不定愁訴症候群」と言い、通常はこれらの症状の2つ以上が同時に発生します。

 

近年では、子供の不定愁訴症候群が増えており、その原因には基礎体力の低下や生活リズムの乱れなどが指摘されています。夜更かしをしたり、朝食を抜いたりするのは不定愁訴症候群の引き金となりますので、生活面における問題点に注意を向け、改善していくようにしてください。

 

 

体を強くするには基礎体力の強化を

 

数十年前と比較すると、子供の体格は確実に大きくなっているものの、体力においては低下傾向にあります。この原因としては、食生活や生活リズムの変化、運動量の低下などが挙げられます。そのため、これらを改善していくことが、基礎体力の強化に繋がります。

 

バランスのとれた食事

インスタント食品やスナック菓子が普及していますが、これらには基本的に重要となる栄養素は含まれていません。厳密にいうと栄養素は含まれていますが、栄養バランスの面からは必ずしも良いものとは言えないのです。

 

バランスのよい食事とは一般的に、肉類や野菜類、魚類を均等に摂取することを言いますが、親としては仕事の疲れなどから毎日時間をかけて料理するというのは難しいものです。なので、ひとまずの対策としてインスタント食品やスナック菓子を与えすぎないようにしてください。

 

朝食を抜くのも避けましょう。3食のうち最も重要な時間帯が朝であり、朝に十分な栄養素を摂取することで、昼までに多くのエネルギーを運動や勉強に費やすことができます。また、昼と夜のみの食生活に朝を加えると、その分、一日の摂取量が多くなりますので、朝食は必ず与えるようにしてください。(親も一緒に食べるように)

 

生活リズムの改善

生活リズムが乱れると成長に悪影響を与えます。「寝る子は育つ」と昔から言われていますが、これはいつの時代も変わらず、しっかりと睡眠時間を確保することで心身の安定や骨・筋肉の増強など、良い影響がもたらされます。

 

近年では親の影響から、夜更かしをする子供が増えています。仕事の都合上、夜しか遊べないという状況もあり、仕方がない部分もありますが、夜更かしは子供の成長に悪影響を与えるということは常に念頭に置き、夜9時~10時には寝かしつけるよう改善を図るようにしてください。

 

運動量の増加

子ども達が外で運動する機会も極端に減っています。住宅事情を考えると仕方がない面もありますが、可能な限り外の空気に触れる習慣は乳幼児から構築しておきましょう。 それには生後2ヶ月ぐらいから外気に慣れさせます。こうして呼吸器と皮膚を鍛え、からだの 抵抗力を高めます。幼児期には親もできるだけからだを使って一緒に遊び、 外で遊ぶことの楽しさを教えることも大切です。