便秘を訴えたことのある子どもというのは、けっして少なくありません。しかし、その大部分は一度浣腸などで排便を促してあげれば回復するような一過性のもので、厳密に言えばそれらは便秘ともいえないものです。ここでは、もっと頑固な本来の便秘について解説してみたいと思います。

 

便秘の定義としてはっきりしたものはないのですが、一般的にはまず排便の回数が少なく(週2回以下)、そして便が硬くて排便するときに痛みを伴ない、排便困難となるものをいいます。ですから、ただ排便回数が少ないだけで、便の性状に異常がないものは便秘とはいいません。

 

 

便秘の原因

 

便秘の原因としては、腸の器質的な病気であるとか、内分泌(ホルモン)や代謝性疾患あるいは筋肉などの全身の病気、薬などが関与することもありますが、ほとんどの便秘はそういった原因がはっきりしない、いわゆる機能性の便秘と呼ばれるものです。ではなぜ便秘になるのでしょうか?

 

人が食べた食事というのは、胃から小腸(上から順に十二指腸、空腸、回腸)、大腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)へと消化・吸収されながら運ばれてきます。空っぽだった直腸に便がたまってくると、直腸の粘膜にあるセンサーから脳へと刺激(つまりは便を出せという命令)が伝わることで人は便意を感じます。そしてトイレに行って意識的に腹圧をかけて便を出すわけです。

 

ところが、せっかく便意が生じたのに何かのきっかけで排便を我慢してしまうと、直腸にたまった便から次第に水分が吸収されて硬くなってきます。便が硬くなると排便をするとき痛みを伴うため、また排便を我慢してしまいます。そして、どんどん直腸にたまってきた便は大きなかたまり状になっていきます(糞塊)。

 

そんな大きなかたまりが直腸にあると直腸の粘膜は伸びきってしまい、便意を起こさせるセンサーの感度も鈍ってきて、便意を感じにくくなってきます。このようにして、便秘は始まってきます。最初に排便を我慢してしまうきっかけというのは実に些細なことだったりします。例えば、遊びやテレビなどに夢中で途中で中断するのが嫌だったり、幼稚園や学校での授業中であったり、ちょっと環境が変わっただけだったり、そんなことです。

 

 

便秘の治療

 

初期であれば何度か浣腸したりして便を出したり、食事療法などで便秘も比較的治りやすいのですが、長引くと便をため込んだ「宿便」と呼ばれる状態になり、なかなか容易には治らなくなってきます。特に便で下着がよく汚れるようになったり、下着の中に排便したりするようになるのは危険信号です。

 

治療の目標は排便困難な状況を打破し、規則正しい排便習慣を獲得することにあるわけですが、頑固になると簡単にはいきません。あきらめずに辛抱強く治療していく姿勢が大切です。

 

まず、最初にすべきことは直腸にたまった便を出してあげることです。軽いときには下剤などを飲んで出ることもあります。しかし、ある程度大きな糞塊が存在するときには効果はあがりません。その時は浣腸を行います。それでも駄目なら摘便といって指で便をかき出してあげる必要があります。

 

一度便を出しただけで回復することもありますが、頑固であった場合には伸びきった直腸を戻すために、しばらく(1週間程度)毎日浣腸して便を出してあげなければいけません。直腸に便が下りてきたときに、便意を再び感じるようになればしめたものです。

 

食事療法も大切です。食事療法の基本は水分と食物繊維をしっかりとることです。また、きちんと決まった時間にトイレにいかせるようにしましょう。食後の方がいいでしょう。注意しなければいけないことは決して嫌がるのを強制的にしないことと、長い時間坐らせないことです。下剤も硬い便を柔らかくすることから有効ですが、習慣性の問題もあり、医師とよく相談して使用しましょう。

 

うんちの出にくい赤ちゃん

■うんちは毎日でなくていい

新生児期から生後2〜3ヵ月ころまでは徐々に便の回数が減ってきます。便が2〜3日出ないと便秘かしらと心配になりますが、まとめてたくさん柔らかい便が出て、体重も順調に増えているなら、便秘と考えなくてもいいのです。

 

■便がでにくい時の工夫

①おなかをやさしくマッサージ

②マルツエキス、果汁(柑橘系など)、砂糖水などを与えてみる

③離乳食がすすんでいれば、果物や野菜を加える

 

■綿棒浣腸

綿棒にオリーブ油などをつけて、お尻の穴をくすぐってみましょう。

 

■イチジク浣腸

どうしても便が出ず、息んで苦しそうなときは浣腸をすることもあります。赤ちゃんの場合は病院でしてもらった方がいいでしょう

 

うんちのでにくい幼児

■うんちは習慣

毎日きまった時間にうんちをする習慣をつけることが一番大切です。朝食か夕食のあと、と決めて、はじめのうちは便意がなくてもトイレに行かせてみてください。ただし、無理強いしたり長く坐らせるのはよくありません。

 

■食事で治す

下に示す繊維分の多い食物をとらせましょう。

 

 

便秘に有効な繊維性食品

 

慢性的な便秘の場合は特に、食物繊維といった快便のための必要栄養素が不足している可能性があります。つまり、それら必要栄養素の摂取を積極的に取り入れることが便秘解消の近道なのです。また、健康的に治すことができるという大きなメリットもあります。

 

いも類さつまいも、さといも、こんにゃく
野菜類白菜、キャベツ、ピーマン、なす、にら、もやし、ごぼう、にんじん、大根
豆類大豆、小豆、おから、納豆
穀類麦飯、コーンフレーク、ポップコーン、オートミール
果実類みかん、オレンジ、あんず、乾燥プラム、パイナップル、メロン
きのこ類しいたけ、しめじ、えのき
海藻類わかめ、こんぶ、のり、寒天、ひじき

 

毎日、料理の献立を立てたり、作るのは容易ではありませんが、いつもの料理に加えてあげるだけなので、上表の食材を積極的に利用していきましょう。