若年性関節リウマチは、小児期に発症する慢性関節リウマチです。2歳と10歳前後に発症のピークがあり、大人の慢性関節リウマチと違って、関節症状の出現が一定ではなく、症状も多様です。

 

子どもの場合には、関節などに多く分布している膠原線維にリンパ球が反応して炎症を起こすのが主な原因で、大人の関節リウマチ患者の血液や関節液にみられる自己抗体(リウマトイド因子)の影響は二次的なものと考えられています。

 

関節炎のタイプの違いなどから、全身型、多発関節炎型、少関節炎型に分類されます。関節炎の活動期は7〜9年と長いものの、60〜80%の患者は症状が軽快して安定する寛解という状態になります。寛解しない場合は、成人になっても病状が持続します。10万人に20〜25人の割合で発病するといわれ、その男女比は女児が男児の1,5倍になっています。

 

 

若年性関節リウマチの主な症状

 

発熱などの全身症状が先行したり、長期間少数の関節に炎症が続く場合が多く、発疹が出たり白血球が増加するケースもあります。発熱、発疹、関節炎のほかに、リンパ節腫脹、目が充血して痛みやまぶしさを感じて視力低下を起こす虹彩毛様体炎、皮下結節、心膜炎、関節障害による筋萎縮などが主な症状です。

 

関節炎はリウマチ熱と異なり症状は移動せず、一般には細い指などに左右対称に現れます。関節炎が長引くと、関節拘縮や強直、変形を起こしたり、成長が止まったりする例がみられますが、早期に治療すれば発育を促すことができます。

 

■全身型

高熱が出て発病し、全身倦怠などの全身症状が激しく、皮膚に発疹が出て、リンパ節や脾臓が腫れるといった症状がみられます。大部分は多数の関節が左右対称に痛んで赤く腫れます。顕著な関節症状が出現するまで数週間から数ヶ月かかります。朝、手足や全身にこわばりを感じることもあります。

 

■多発関節炎型

大人の慢性関節リウマチに似た症状です。激しい全身症状がなく、発熱も中程度で、膝、手足、肘などの多数の関節で炎症が起こり、関節部の皮下結節が多く現れます。疲労を感じやすく体重の減少がみられます。

 

■少関節炎型

膝、足、肘、などの大きな関節の4箇所以内に炎症が起こります。症状の発現はゆるやかで、関節が腫れたり、朝にこわばりを感じて気づくことが多く、しばしば虹彩毛様体炎を起こします。微熱を伴うケースもあります。

 

 

若年性関節リウマチの検査と診断

 

若年性関節リウマチは、大人の場合と違って、リウマトイド因子が陰性のことが多いなど、長期間続く関節炎以外に特徴的な症状や検査所見はありません。診断は、一般に厚生省の研究班による手引きに基づいて行われ、検査によって、ほかの膠原病や敗血症、白血病など、鑑別すべき病気を除外していきます。

 

①6週間以上続く多関節炎
②6週間未満の多関節炎(または単関節炎、少関節炎)の場合には次の1項目を伴うもの

a,虹彩炎、b,リウマトイド疹、c,朝のこわばり、d,弛張熱(しちょうねつ)e,屈曲拘縮、f,頚椎の疼痛またはX線像の異常、g,リウマトイド因子
③下記疾患と確定したものは除外し、鑑別不能の場合は「疑い」とする

リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、多発性動脈炎、皮膚筋炎、進行性全身性硬化症、白血病、敗血症、骨髄炎、感染性関節炎、川崎病

 

≪注意すべき点≫

  • 関節炎は移動性でなく固定性であること
  • リウマトイド疹とは、直径数mmから1cmの鮮紅色の紅斑で、発熱とともに出現し、下熱時に消退することもある
  • 弛張熱とは、日差(日内変動)が3〜4℃で、下降時は平熱またはそれ以下になることがあり、1週間以上続くこと
  • リウマトイド因子(RAテスト)は、肝疾患やほかの自己免疫疾患でも陽性となることがある

 

若年性関節リウマチはほかの疾患を除外しながら診断するので、確定までに時間がかかります。治療が遅れないように診断が確定する前から治療が開始されます。

 

 

若年性関節リウマチの治療と予後

 

治療の中心は炎症の鎮静、関節機能の維持と変形の防止です。原因不明の発熱が続き、細菌感染がないのに血液中のγーグロブリンが増えるなどの症状があれば、確定診断を待たずに治療を始めます。

 

■治療

入院して、全身や関節の安静を保ちながら、食事療法、理学療法、運動療法などを総合的に組み合わせた基礎的保存療法を行います。炎症を抑える為にナプロキセンなどの抗炎症剤が大量投与されますが、重い全身症状や、心筋炎、心外膜炎、虹彩毛様体炎を合併しているときにはステロイド剤が使われます。現在では、自己免疫の治療に免疫抑制剤も用いられます。

急性期が過ぎたら機能障害を最小限度で止めるために、出来るだけ早く理学療法を行います。リハビリテーションの手法を応用した関節運動が中心です。

 

■予後

一度の発症で寛解に向かう単周期型と、寛解と再発を繰り返す多周期型があります。約20%は単周期型で数年で寛解しますが、それ以外は再発を繰り返し、関節の機能障害も悪化します。約25%の患者は、発病して10年後も関節の変形などで日常生活に支障があるといわれていますが、適切な治療を行えば重度の機能障害は少なくなります。