カビと戦う……そんなにおおげさに考えなくても、と思うかもしれませんが、カビは健康を害するとともに、物を腐食させ、ついには家までも壊してしまうほどの威力をもっています。

 

いったん退治したかのように見えても、また数日後には現れるなど手ごわい相手です。追いかけごっこのように思えても、カビ対策のポイントは、こまめな掃除と湿気除去。抗カビ剤を上手に使って戦いましょう。

 

 

カビと戦うための薬品たち

 

カビを除去するための薬品は実にさまざまあります。これらは強い薬品であるため、使用における注意点がいくつかあります。事故なくカビを除去すべく、しっかりと注意点を守って使用してください。

 

●次亜塩素酸ソーダは酸と混ぜないように

次亜塩素酸ソーダはカセイソーダの水溶液に塩素ガスを通したもの。市販のものは塩素が4~10%の濃度のもので、家庭ではこれを約10倍に薄めて使います。また、市販のカビ取りスプレーは2?5%濃度のものが多く、カビの殺菌には非常に有効で、カビの出す色素や汚れもいっしょに漂白してしまいます。

 

水道水やプールにも塩素が入っているくらいなので、さほど毒性はありませんが、腐食性が強いので、金属にサビを生じさせます。この次亜塩素酸ソーダはアルカリ性なので、ここに酸性のものが加わると、急激に塩素ガスが発生します。

 

ごく薄くしても刺激性の強いガスが出て、目や鼻、のどを傷めます。ひどいと気管支まで傷めて、死に至ることもあるので、くれぐれも注意しましょう。

 

●エチルアルコールのスプレーで消毒

昔からバイキンから身を守るためにアルコール綿で手を拭きました。このアルコールは消毒用エタノール。エタノールは多くの細菌、真菌、ウイルスに有効です。

 

エタノールは70%前後の水溶液がもっとも消毒効果が大きく、日本薬局方では78%前後の消毒用エタノールを売っています。

 

●防カビ剤サイアベンタゾール

正式名は2・4チアゾリルベンゾイミダゾール。各種カビに対して、低い濃度で効果をあげています。1978年に輸入オレンジ、レモン、バナナの防腐剤として認可されています。冷蔵庫のドアパッキンや抗菌くつ下などにも使われています。

 

水に溶けにくいので、アルコールに溶かしたり、塗料のなかに乳化するような状態で混ぜ混んであります。

 

●シリカゲルで除湿

シリカゲルは多孔質で、1グラムに450平方メートルもの表面積があります。おの面積で湿気をとってくれるので威力抜群。ただし、高価なので家庭で使うとしても約50グラム程度。しかもせいぜい食品の保存に使う程度のものです。

 

古くなると吸湿性が落ちますが、フライパンなどで加熱すると回復します。ただし回復にはかなりの時間がかかり、電子レンジのほうが簡単かもしれません。

 

市販のものは淡いブルーに着色されており、これが淡いピンクに変わったら吸湿性の低下を示します。加熱はブルーになるまで行います。

 

 

浴室のカビ対策

 

浴室は高温多湿。カビにとっての最高の住処です。1人が入浴すると約2リットルの水が蒸発して壁や天井につくといわれています。入浴していないときでも、ほかの部屋よりも湿度は10%ほど高くなっています。

 

まずカビをつくらないように、お風呂から出たあとには換気扇を回して湿気を強制的に追い出しましょう。ドアを細めに開けて換気扇を回すと、空気が流通して早く追い出すことができます。

 

カビはタイルの目地によくつきます。黒く点在するカビは、せっけんかすを栄養源にしてカビが発育したもの。カビ退治には次亜塩素酸ソーダかエタノールのスプレーがいちばん。

 

住まいの洗剤などでカビをよく拭いてとり、全体をきれいに拭いてからカビ止めのスプレーを使います。現在ではさまざまなカビ取りの商品が市販されているので、悪戦苦闘するよりも有効に使ったほうが得策です。

 

 

居間のカビ対策

 

じゅうたんの食べこぼしはカビの恰好の栄養物に。食べこぼしはよく拭きとり、まめに掃除機をかけます。

 

いったんカビを生やしてしまったら、すぐに掃除機をかけずに、まずエタノールスプレーで殺菌後,かたくしぼったタオルでまめに取り除き、そのあとにかけます。そうしないと、排気口からカビの胞子をばらまくことになってしまいます。

 

じゅうたんの裏に真っ黒なカビが生えてしまったら、なかなか取り除けません。クリーニングに出すか、入念に拭き掃除し、エタノールスプレーを使います。

 

畳は表面のカビもエタノールで殺菌後、使い捨ての紙や布で拭き取り、雑巾掛けをし(逆性せっけん液でふき)ます。天日に干して十分の乾燥させないと、よけいにカビを繁殖させることになります。

 

押し入れには約2時間、電気除湿器を閉じ込めて乾燥させましょう。家具と壁の間にもカビがよく生えます。床からも湿気が家具のなかに入り込み、一番下の段の引き出しの衣類がカビだらけになることがあります。

 

家具は少しでも壁から離しておくこと、下の段には注意して防湿剤や乾燥剤を入れるなどしましょう。

 

 

衣類や寝具のカビ対策

 

衣類にはけっこうたくさんのカビが発生しています。とくに汚れた衣類を洗濯せずにおいておくとカビの温床。なるべく早く洗いましょう。

 

1日着ただけの下着でも、3日放置すると、3日着たと同じくらいに汚れがつくといわれています。カビは熱と乾燥に弱いので、お湯で洗うと有効です。

 

漂白力、殺菌力のある塩素系の漂白剤を使うと滅菌効果は高くなります。衣類のカビは、清潔と乾燥を心がければ、かなり予防することができます。保存にはカビに予防効果のある虫よけ剤を入れておくと、かなり効果があります。

 

しかし、いったん目でみえるカビが生じたとなると、カビはかなり奥深くまで侵入しています。カビをみつけたら、日に干して叩き、ブラシをかけてから洗濯します。

 

それでもとれない場合には、漂白したりする方法もありますが、クリーニングに出して、シミ抜きをしてもらったほうが早道です。

 

ふとんは天日に干すと、温度と紫外線でをカビを殺すことができます。乾燥もまたカビ退治には効果的ですから、ふとん乾燥機などを利用して乾燥させましょう。