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インスリンはブドウ糖が細胞に入る時の鍵開け係

 

私たちは、口から摂取した食べ物を、体内で分解や吸収をして、エネルギーを生み出しています。特に、食事中の炭水化物(ご飯やパン・めん類・砂糖など)は体内で分解されてブドウ糖になります。そして、エネルギーのもとになるのですが、このブドウ糖を血液中から、細胞の中へ取り込むときに必要なホルモンがインスリンなのです。

 

 

●「インスリン抵抗性」

 

ブドウ糖は、ひとりでに細胞に取り込まれていくのではなく、各細胞に鍵穴のような場所があり、インスリンがその鍵を開けてくれて、はじめて細胞の中に入ることができるのです。

 

しかし、炭水化物を大量に食べると、膵臓は「たいへんだ?」とばかりにインスリンを大量に分泌します。このような食事が毎日続くと、インスリンの大量分泌が続くことになり、インスリンが疲れてしまい、細胞の鍵が開けることができなくなり、細胞の反応も鈍ってきます。

 

このように、インスリンがうまく働かなかったり、血液中の糖分をうまく取り込めなくなって、結果としてエネルギーを作り出せない状態になってしまうことを「インスリン抵抗性」と呼んでいます。

 

 

●「高インスリン血症」

 

細胞に取り込まれなかった糖は、ふたたび血液中に戻ってくると、再度チャレンジということで、またまた大量のインスリンが分泌されてしまうのです。このように、血液中のインスリンが常に高い状態を「高インスリン血症」と呼んでいます。

 

高インスリン血症の状態が長く続くと・・・

 

①膵臓のインスリン分泌機能が低下、血糖値上昇⇒糖尿病

②遊離脂肪酸・VLDL・中性脂肪が上昇、HDLが低下⇒動脈硬化へ

③血管平滑筋細胞が増殖、血管壁が肥厚⇒動脈硬化へ

④血小板機能亢進、NO産生低下⇒高血圧

⑤交感神経活性亢進⇒高血圧へ

⑥遠位尿細管Na貯留亢進⇒高血圧へ

 

・・・と良いことはひとつもありません。このまま治療も受けずに放置していると、網膜症、腎症、神経障害などを引き起こすようになります。動脈硬化にかかるリスクは糖尿病でない人に比べ10倍も高いのです。

 

成人の中途失明の第1位は糖尿病性網膜症であり、人工透析患者の30%は糖尿病性腎症が占めています。神経障害は痛みを伝える知覚神経に障害が起きて、進行すると足の切断をもしなければならないのです。