免疫細胞である白血球には複数の種類があり、大きく分けると自然免疫獲得免疫に分かれます。これは免疫システムが2段構えになっているためで、より強力な外敵をも排除できる仕組みになっているのです。

 

まず、異物を見つけたときに手当たり次第に攻撃を仕掛ける細胞があります。これを自然免疫といいますが、これだけで外敵を排除できる場合も多々あります。そしてこの自然免疫にはさらに複数の種類が存在しています。

 

自然免疫だけで排除できない強力な外敵の場合、この自然免疫とともに獲得免疫というさらに強力な免疫細胞が攻撃に加わることになります。この獲得免疫も役割の異なる複数の種類が存在します。

 

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自然免疫の種類

 

まず始めに攻撃をする自然免疫細胞の種類には、以下のものがあります。

 

◆マクロファージ

マクロ=巨大な、ファージ=食べる者、という名前の通り、異物を手当たり次第に飲み込んでいく細胞です。別名:貧食細胞(どんしょくさいぼう)ともいわれていて、白血球のなかで「単球」という種類に属しています。食べた異物の情報(抗原など)を「獲得免疫」細胞へ伝える役目もあります。

 

◆樹状細胞(じゅじょうさいぼう)

名前の通り樹のように枝分かれした突起が表面にある細胞です。この細胞は「獲得免疫」細胞に外敵の情報(抗原など)を伝令するという重要な役割を持っています。これも「単球」のひとつです。

 

◆好中球(こうちゅうきゅう)

マクロファージとともに外敵を食べる役割を行います。ただ、食べるというよりは殺菌剤のような物質を分泌して処置を施すという面が強い細胞です。これは白血球の「顆粒球」という種類に当たります。

 

◆NK細胞(ナチュラル・キラーさいぼう)

この細胞は細菌やウイルスといった外敵自体に攻撃を仕掛けるのではなく、ウイルスに感染した細胞に攻撃する特殊な細胞です。ほかにもガン細胞に攻撃して排除するのもこの細胞の役目です。名前の由来は、「ナチュラル・キラー=生まれながらの・殺し屋」ということです。これは白血球のなかで「リンパ球」に属しています。

 

 

獲得免疫の種類

 

自然免疫だけで排除できない場合に、マクロファージや樹状細胞の伝令を受けて攻撃に参加するのが「獲得細胞」です。これも複数種類が存在していて、すべて白血球のなかのリンパ球に属しています。

 

◆ヘルパーT細胞

T細胞というのは胸腺で生まれる免疫細胞のことで、胸腺(Thymus)の頭文字Tに由来する名前です。このT細胞のなかでヘルパーT細胞は、他の獲得免疫細胞に攻撃命令を出すという極めて重要な役割を担っています。自然免疫細胞のマクロファージや樹状細胞から伝令を受けるため司令塔ともいえる細胞です。

 

◆キラーT細胞

ヘルパーT細胞から指令を受けて攻撃を仕掛ける獲得免疫細胞が、このキラーT細胞です。この細胞は異物に対して特に殺傷力があり、獲得免疫細胞の柱ともいえます。細胞によっては、以前殺した外敵の情報をあらかじめ記憶しているものもあります。

 

◆サプレッサーT細胞

これは外敵との交戦を終了させる命令を出すT細胞です。(Suppressor=抑える)と命名されている通り、この細胞がなければ獲得免疫細胞は攻撃を止めることができません。

 

◆レギュラトリーT細胞

獲得免疫の働きのなかで、外敵ではない「身内」の細胞などを攻撃してしまう免疫細胞も出てきます。これは自分への免疫反応ともいえますが、この異常な反応を上手に制御する役目を担うのがこのレギュラトリーT細胞です。

 

◆B細胞
これはT細胞とは違って骨髄(Bone Marrow)で生み出される獲得免疫細胞なので、その頭文字をとってB細胞といわれています。これもキラーT細胞と同様、ヘルパーT細胞から伝令を受けて対象に攻撃を仕掛けます。こちらは専用武器(抗体)の製造も行っていて、それを駆使して攻撃していきます。

 

※その他、第4のリンパ球という異名があり、自然免疫であるNK細胞と獲得免疫のT細胞の性質を併せ持った細胞である「NKT細胞」というものもあります。