①何週間も下痢や便秘が続いている、②排便後に残便感がある、③便秘がちで便がウサギのウンチのようにコロコロしている、④排便後に腹痛が和らぐ、⑤神経質で几帳面、⑥進学・転職・異動など環境の変化があった、⑦休日はリラックスできていない、このような状態であれば「過敏性腸症候群」かもしれません。

 

過敏性腸症候群は、ストレスなどによって腸が過剰に反応し、便通異常が続くのが特徴です。近年では、10代の高校生~20代の女性の患者が急増しており、生活習慣の変化が大きな要因と考えられています。

 

軽症であれば、規則正しい生活でストレスを発散させ排便のリズムを整えることで、多くの場合は改善していきますが、程度が重く慢性化している場合には、薬物療法や心理療法が必要になる場合もあります。

 

 

過敏性腸症候群とは

 

過敏性腸症候群は、消化器科や胃腸科などの外来を訪れて下痢や便秘を訴える人の約40〜70%を占めるほどに頻度の高い病気です。下痢に襲われるのを懸念して、外出先では何も食べない、各駅停車の電車にしか乗れない、そんな生活を何年も続けている人もいます。

 

検査をして体(消化器)に異常はないのに下痢や便秘、または、両方を交互に繰り返すなどの便通異常が長期間続くのが特徴です。1回の便量が少なく、多くの場合、排便前の腹痛や残便感を伴います。

 

また、腹が張る、腹が鳴る、吐気、嘔吐、ゲップ、放屁など、腹部に不快な症状がでることもあります。症候群といわれるように、いくつかの症状が集まっていることが多いものです。加えて、立ちくらみ、動悸、肩こり、疲労感、異常発汗、顔面の紅潮、イライラなどといった自律神経失調症を合併することもしばしばあります。

 

年齢層は、10代の思春期から40代を中心に50代までと幅広いのですが、60歳以上の高齢者には少ない傾向にあります。最近は、小学生や中学生にも増えていますが、中でも高校生や20代の女性の発症が急増しています。男女比では約10対17の割合で女性に多く、男性では下痢型、女性では便秘型の傾向があります。

 

この病気は多くの場合、不安や緊張などのストレスで自律神経のバランスが乱れることから起こります。特に副交感神経が過度に緊張すると、主に大腸が過敏に反応して起こることが多く、神経質な人がかかりやすいとされています。また、腸管の運動異常によるものや食生活の影響もあると考えられます。

 

 

過敏性腸症候群の症状と診断

 

過敏性腸症候群と診断されるのは、さまざまな検査をして他の病気ではない場合に限ります。その上で、診断基準として、1982年にアメリカの国立衛生研究所(NIH)が発表したものが日本でも使われています。

 

これは、年に6回以上下痢や便秘などの便通異常が起きて、しかも1回が3週間以上続き、その際腹痛を伴いますが、排便するとやわらぐ、というものです。

 

過敏性腸症候群(IBS)の診断・検査

 

診断の流れは、上図(出典:長崎大学医学部)にもあるように、リスクファクターを問診などにより認識した後に、リスクファクターがある場合には精密検査(エコーや内視鏡など)、ない場合には一般検査(血液や尿・便)を行い、他の病気でないことが分かると、過敏性腸症候群と診断されます。

 

症状においては、腹痛の程度や痛む場所は一定しませんが、左下腹部か右上腹部(胆のうのあたり)が、キューンと絞られるように、あるいはシクシクと痛む場合が多い傾向にあります。下痢型では、あまり腹痛がない症例もあります。

 

心理テストで症状の重さを判定

過敏性腸症候群と診断されると、神経症テストや性格テストなどで、心理面の検査を行います。学校不適応を起こした学生の約30%が過敏性腸症候群がキッカケだったという調査報告もあります。

 

オフィスに勤める人の間にもテクノストレスをはじめとする職場の緊張と不安から起こるケースが増えています。ストレスがきっかけになる場合がほとんどなので、身体症状より精神症状が深まるほど重症と診断されます。

 

発症から6ヶ月以内で身体症状が主体の場合は軽症、これに不安感や抑うつ感が加わると中等症とみなされます。何年にもわたる長い病歴で、恐怖・強迫・抑うつ感などが増すと重症です。

 

ただし、ストレスや性格とは関係なく、体質的なものや幼児期の経験から、過敏性腸症候群になる場合もあります。例えば、下痢や腹痛の時に、母親に優しくしてもらった経験が症状を誘発したり、親がしばしば下痢や便秘で苦しがる姿を見ていたことが影響する例もあります。

 

 

過敏性腸症候群の原因

 

過敏性腸症候群になると、なぜ慢性的な下痢や便秘になるのでしょうか。それには、大腸の役割と排便の仕組みを理解する必要があります。

 

便が排出されるまで

大腸は盲腸、結腸、直腸に分かれ、馬跡形に小腸を取り巻いて、いわば糞便製造器の役割を果たしています。食物は小腸で栄養分や水分のほとんどを吸収されて、大腸の上行結腸に移ります。そこから下行結腸からS状結腸と下がり、直腸へ落ちるという順に、糞便は長さ約1.6mの腸管をゆっくり移動します。

 

その間に水分や塩分が吸収され、徐々にほどよい硬さの糞便がつくられます。通常の便の水分含有量は約75%であり、食物を摂取してから排便されるまで約24〜72時間、大腸内で糞便になるには約12〜16時間かかります。

 

胃結腸反射で便意をもよおす

たいていの人は、朝食後に反射的に便意をもよおします。これは、食物が胃に入ると、大腸の入り口の回盲弁(かいもうべん)が開き、上行結腸が小腸から内容物を受け取ると、同時に大腸全体がのたうつように蠕動して、下行結腸にあった糞便を直腸に押し出す、という運動によるものです。

 

空の直腸に糞便が入ってくると、直腸壁の神経が糞便の圧力を感知して、大脳にこの情報を伝えます。これが便意をもよおす「胃結腸反射」といわれるものです。大脳は自律神経を通じて肛門括約筋を緩める指令を出して、排便が起こります。

 

腸の運動は自律神経と密接に関係する

一方、大腸の腸管運動は自律神経がコントロールしています。自律神経には腸管運動を抑制する交感神経と促進する副交感神経があり、両方でバランスをとっています。その自律神経の中枢は脳の視床下部にあり、視床下部は大脳辺緑系に近い場所に位置し、互いに影響し合っています。

 

この大脳辺緑系は怒りや不安、意欲などの情動を管理する中枢です。極度の緊張や不安などのストレスを感じると、大脳辺緑系から視床下部、自律神経に緊張が伝わります。これに伴い、大腸では腸管運動を促進する副交感神経が過度に緊張し、大腸の痙攣となって現れます。

 

大腸全体が細かく痙攣すると、胃結腸反射による蠕動が起こり、糞便は少量ずつ腸管を急速に移動します。当然、水分は十分に吸収されず、水のような便や泥状の下痢便となるわけです。

 

便秘の場合は、痙攣が大腸全体で均等に起こらないときに生じます。大腸の始まりの上行結腸より直腸に近いS状結腸の痙攣が強いと、便はスムーズに出なくなります。いわば、チューブを出口近くで絞ったようなものです。

 

そうなると大腸全体の糞便の移動は遅くなり、それだけ水分は吸収されて硬くなり出にくくなり、やっと出てもウサギの糞のようにコロコロした便になります。このように、ストレスによる自律神経の緊張が腸管の異常な痙攣につながり、ときに下痢や便秘を起こすわけです。

 

 

過敏性腸症候群の治療

 

日常の生活改善を中心に、病態によって薬物療法、心身医学療法などを組み合わせた治療が行われます。主に軽症であれば、生活改善・薬物療法(消化管治療薬)・食事療法が選択され、重症になると上記に加え、抗うつ剤・抗不安剤などの内服治療や、認知行動療法や催眠療法といった心理療法が選択されます。

 

生活にリズムをつける

便通異常は習慣化しやすいものなので、暴飲暴食を避け、規則正しい食生活と排便、軽く汗をかく程度の運動、十分な睡眠と休養などを心がけ、生活にリズムをつけることが先決です。

 

便意をもよおさなくても、食後の決まった時間にトイレに行くよう習慣づけましょう。趣味やスポーツなどで、効率よくストレスを発散させることも考えておいてください。

 

これまでのライフスタイルを見直すために、たとえば下痢や便秘の回数、腹痛の程度、その日の気分や行動、食生活などを記入するセルフコントロール表をつけるという方法があります。これで、自分の気分や生活と症状がどのように関係しているかを知ることができます。

 

食事の注意

下痢には消化吸収のよい低脂肪食、便秘には食物繊維を多く含んだ食品が良いといわれます。ただ、過敏性腸症候群では下痢と便秘を繰り返すことが少なくないため、栄養バランスのよい食事を心がけ、そのときの症状を悪化させるような食事は避けましょう。

 

①脂肪の摂取を控える

脂肪を過剰に摂取すると、胃や腸といった消化器の反射を活発にするため、脂肪の摂取はなるべく控えるようにしましょう。

 

②炭酸飲料を控える

炭酸飲料も同様に、腸管運動を活発にするため、なるべく控えるようにしましょう。また、冷たい水も注意が必要です。特に下痢が続いている時には、冷たい水が症状をさらに増悪させる可能性があります。

 

③食物繊維を多く摂取する

食物繊維は腸の通過時間を正常化し、腸管内の水分が適度に吸収されるようになり、便の容積が大きくなることで、排便状態が改善します。食物繊維を多く含む食材には、海藻、野菜、果物、こんにゃく、穀物、豆類、きのこなどがあります。

 

過敏性腸症候群(IBS)の食事、食物繊維の多い食べ物

 

そのほか、食べ物に神経質になる必要はありませんが、なるべく整腸作用のある乳酸菌飲料などをとりましょう。腸管を刺激する脂肪、食塩、砂糖類、アルコール、カフェインはとりすぎないように気をつけてください。特に、脂肪分は胃に入ると腸管の収縮を促すので、腸管痙攣を悪化させる恐れがあります。

 

燻製や塩漬けなどの加工食品も避けた方が無難です。精製加工されることにより、ビタミン、ミネラル、繊維、たんぱく質などの価値ある栄養素が失われ、代わりに食品添加物などが加わるからです。

 

便秘が続いているときは、食物繊維を多く含む野菜、全粒穀物(玄米、全粒パン)、胚芽米、果物、豆類、魚、海藻、キノコ類を食べましょう。ただし、若年層の過敏性腸症候群には食物アレルギーが多いという報告もあり、注意が必要です。

 

薬は補助的な役割

薬は症状の緩和には役立ちますが、本質的な治療というより、生活指導や心身医学的治療の補助的な手段として使われることが多いのが実情です。軽症の場合は、腸の働きを整える整腸剤を飲んだり、消化管機能調整剤で改善を図るなどの方法がとられます。

 

下痢の症状が強い時には下痢止めを使用します。便秘が続く場合は、緩下剤や浣腸などが必要になることもあります。ただし、センナやアロエといった成分を含む大腸刺激性下剤は、長期間使用を続けてしまうと、腸粘膜を傷つけて炎症を起こしたり、下剤の使用が習慣化するなどの恐れがありますので、一般的には少量の処方で止めています。

 

また、どうしても無理なら、整腸剤や食物繊維の下剤と併用して、大腸刺激性下剤の量を少しずつ減らしていき、自然の排便リズムを取り戻すことが大切です。

 

加えて、ストレスや不安を和らげ、精神症状の改善を図るうえで、抗うつ剤や抗不安薬が有効な場合があります(中等度・重症度の場合)。便秘主体型、下痢主体型、便秘と下痢を繰り返す交替性便通異常とともに漢方薬が有効なケースも多くあります。

 

心身医学的療法で軽減することも

日曜日はなんともないのに、会社や学校に行く月曜日になると、朝食後に下痢を起こすのが典型的なストレス性の過敏性腸症候群です。最初は、ストレスに直面して症状が出てきます。

 

模擬テストの会場でお腹が痛くなった、会議中にトイレに駆け込んだ、といったケースの場合には、予期不安といって、そのうち便通異常が出るのではないかと想像するだけで、実際に症状が現れるようになります。

 

この予期不安を解消するためには、医師のカウンセリングを受けて、どんなストレスが引き金になっているか、はっきりさせることが大切です。本人がストレスを認めたうえで、対処法について、医師と話し合います。

 

その際、家族や周囲の理解と協力も必要です。例えば「からだに異常はない」「病気ではない」「心配ない」「精神的なもの」といった安易な励ましの言葉は禁物です。症状に対する周囲の無理解がストレスの原因となっている場合も少なくありません。

 

心身医学的なアプローチとしては、専門医によるカウンセリングのほか、自律訓練法や精神分析を応用した交流分析、行動療法、家族療法などがあります。こうした治療を受ける場合は、医師との信頼関係が重要なので、どうしても「気が合わない」「納得できない」と思った時には医師を代えてみてもよいでしょう。

 

便通異常をやわらげる市販薬

過敏性腸症候群では、腸に過度な刺激を与えず穏やかに作用する市販薬を選ぶことが大切です。整腸作用のある乳酸菌製剤はほとんど副作用もなく、家庭でも広く用いられています。ただし、乳酸菌製剤は胃酸に弱いので、”胃酸で溶けずに腸まで届く!”商品を選ぶ方が良いでしょう。

 

また、漢方薬で症状が改善することもあります。便秘が主体の時は乙字湯(おつじとう)や大柴胡湯(だいさいことう)、精神不安を伴う便秘には加味逍遥散(かみしょうようさん)、下痢には半夏寫心湯(はんげしゃしんとう)や人参湯、便秘と下痢を繰り返す交替性便通異常には桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくとう)などが効果的です。

 

 

ストレスに対する抵抗力をつけて

 

過敏性腸症候群は放置していても命にかかわるような病気ではありません。ただ、オナラがよく出る、何度もトイレに駆け込むなど、人に言えない悩みや苦しみは大きく、即効的な治療法や薬もないのが現状です。

 

わたしたちは、この症状の誘因でもあるストレスに満ちた日常を生きていかなければいけません。そこで、過敏性腸症候群がどんなときにどのように起きるのかをよく理解し、家族や周囲もこの病気を受け入れて生活していく姿勢が大切です。

 

そのためには、規則正しい生活を心がけて、ストレスをなるべくため込まず、上手に付き合う方法を工夫して、心身の抵抗力を高める必要があります。日常生活や社会生活に支障がなくなる程度に過敏性腸症候群を抑えたとき、それが治療のゴールです。多少の下痢や便秘は誰にでもあることだからです。

 

 

■過敏性腸症候群のQ&A


Q過敏性腸症候群の患者さんはどの位いますか?
A過敏性腸症候群の症状に悩んでいる人は、全人口の10〜15%(10人に1〜1.5人)といわれています。しかし、実際に医師の診察を受ける人は半分以下であり、多くの人が一時的な下痢、便秘と思いこんで自己流の治療を行っているようです。
Q普段は何ともないのに緊張するとおなかの調子が悪くなるのですが、過敏性腸症候群でしょうか?
A過敏性腸症候群の症状出現のきっかけとなる要因として、ストレスが大きく関与しています。ストレスには、人生の節目にあたる大きな出来事だけでなく、人前での発表や試験などの緊張した場面も含まれます。症状が続いて、日常生活に支障をきたすようであれば、我慢せずにかかりつけ医や消化器内科などを受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。
Q便秘がちで、コロコロの硬い便しか出ないのですが、重大な病気でしょうか?
Aほかにも腹痛などお腹の症状があり、排便でその症状が和らぐようであれば、過敏性腸症候群の可能性が考えられます。他の病気の可能性もありますので、かかりつけ医や消化器内科などを受診して医師に相談してみることをおすすめします。
Qお腹にガスが溜まりやすいのですが、これも過敏性腸症候群の症状なのでしょうか?
A過敏性腸症候群の患者さんでは、腸が感じやすく、腸のはたらきが異常な状態になっているので、普通の人なら感じないようなちょっとした変化にも敏感に反応します。それによって下痢や便秘、痛みなどの症状が出ますが、他にも、お腹が張った感じがする、お腹がゴロゴロ鳴る、オナラがたまる・頻繁に出るなどの症状が出ることもあります。
Q検査で異常がないのに、下痢や便秘、腹痛が続くのはなぜでしょうか?
A過敏性腸症候群は、腸の機能(はたらき)の病気であり、下痢や便秘、腹痛が続くのは内臓が感じやすく、腸のはたらきが異常になっているためです。レントゲンや内視鏡の検査は、がんや潰瘍などを見つけるためのものなので、腸の機能は正確にはわからないのです。
Qストレスが加わると、なぜおなかの調子が悪くなるのでしょうか?
A脳と腸はお互いに影響し合います。過敏性腸症候群の患者さんでは、その脳と腸の情報のやりとりが過敏になっており、脳がストレスを感じると、腸の機能に異常をきたしやすく、下痢や便秘、腹痛などが起こります。
Q過敏性腸症候群はどんなストレスで起こりますか?
A症状出現のきっかけや悪化の原因として、ストレスは重要です。ストレスには、転職など大きな出来事や人間関係など日常のいらだち事、あるいは単純な緊張などがあります。ストレスだけでなく、食後に症状の悪くなる患者さんもいます。朝食後に時間に追われてゆっくりとトイレに行く余裕がなく、長時間満員電車に乗って、すぐに排便や放屁できない状況もある意味ではストレスといえます。
Q便秘や腹痛などの症状のほかにも、頭痛がすることがあるのですが、関係ありますか?
A過敏性腸症候群の発症にはストレスが大きく関与していますが、そのような患者さんはストレスの影響を受けやすく、下痢や便秘、腹部症状などの消化器症状だけでなく、頭痛やめまい、疲労感、不眠のようなストレスが原因と考えられる消化器以外の症状が出ることがよくあります。
Q食物繊維多く摂る何か良い方法はありますか?
A市販されている健康食品を利用して、食物繊維を上手に摂取することも可能です。また、過敏性腸症候群の治療薬として、食物繊維の作用を強力にしたような高分子重合体もありますので、便秘が続くようであれば、かかりつけ医や消化器内科などを受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。
Q長い間便秘に悩んでおり、時々市販の下剤を飲んでいますが、問題はありませんか?
A市販の便秘治療薬の多くは、センナをはじめとする大腸刺激性の下剤で、便秘型の過敏性腸症候群の症状を悪化させたり、長期に飲み続けた場合に耐性を生じてしまい、大量の下剤を飲まないと効かなくなることもあります。
Q病院を受診する前に確認しておくことはありますか?
Aどんな症状があるかについて、医師に伝えることがとても重要になります。便の性状や回数、いつ頃から悩んでいるかなど、自分の症状をもれなく伝えられるように、気になる症状をまとめてメモしておくといいでしょう。
Q過敏性腸症候群と診断されましたが、すぐに治るのでしょうか?
A過敏性腸症候群は、精神的・身体的なストレスや食生活の乱れなどさまざまな因子が複雑に関与しており、原因を特定できない場合が多いとされています。したがって、治療にあたっては、患者さんの状態に応じて生活指導や食事指導、薬物治療などを総合的に行います。薬物治療の目的は日常生活に支障のないように症状を取り除くことですが、症状のコントロールには数週間から数ヶ月を要します。また、原因が取り除かれない限り、完治したとはいえません。
Q症状の改善がみられたら、薬を飲むのをやめてもいいのでしょうか?
A過敏性腸症候群は慢性に続く病気であり、症状のコントロールには数週間から数ヶ月を要します。薬を飲み始めて、いったん症状の改善がみられても、薬を飲むのをやめたときに症状がぶり返す可能性もあります。自分の判断で薬を飲むのをやめようとせず、医師の指示通りに飲み続けましょう。
Qストレスが無くならない限り、治らないのでしょうか?
A過敏性腸症候群の症状出現のきっかけとなる要因(誘因)として、ストレスが大きく関与しています。薬物治療はあくまでも症状を取り除くためのものであり、原因そのものを取り除くような治療ではないので、治療にあたっては誘因となるストレスを取り除く必要があります。しかし、下痢や便秘、腹痛などの症状が改善されることによって、またいつトイレに行きたくなるかというような症状に対する不安感(ストレス)が取り除かれ、悪循環が断たれる可能性もあります。
Qストレスを感じなくするため、普段の生活で心がけられることなどはありますか?
A過敏性腸症候群は完璧主義の人に多いので、100点満点を取ろうとしないで、75点で十分という気持ちになることが大切です。原因となるストレスを発散し、精神的な安定をはかることと、生活を規則正しくし、正常な便通に戻すことなどの生活改善を心がけるとよいでしょう。