経験がある人ならば、誰もが思わず顔をしかめてしまうくらいの強烈な痛みをともなう病気・・・痛風。かつては、ひと握りの裕福な美食家がかかっていたため、「ぜいたく病」といわれた痛風ですが、今では日本での患者は50万人以上。もはや痛風は限られた「ぜいたく病」ではありません。

 

そして、この痛風の背後にかくれているのが高尿酸血症。痛風の強烈な痛みばかりに目を奪われてしまいがちですが、それは本当の怖さの表面にすぎません。実は痛風発作は、高尿酸血症がもたらす症状のひとつに過ぎないのです。

 

 

痛風の原因となる尿酸とは?

 

想像を絶するような強烈な痛みが足の親指や足首、膝関節などを襲う痛風……。その激しい痛みはどのように起こるのでしょうか。痛風の直接的な原因となるのは、「尿酸」です。では、尿酸とは何でしょうか。食べ物や体にある細胞の核にあたる核酸の重要な成分に「プリン体」というものがあります。

 

食べ物が消化吸収されるときや、細胞が死滅するときには核酸やその成分のプリン体も小さな分子に分解されますが、尿酸はプリン体が分解してできる最終の形であり、プリン体の老廃物としての形が尿酸になります。

 

尿酸は口から入る食べ物のなかにも存在しますが、私たちの体の細胞が生命活動をするなかでも、その老廃物として自然につくられます。

 

 

尿酸が結晶化し関節に沈着する

 

尿酸は血液中に溶けた状態のときは全くの無害ですが、もともと血液に溶けにくい物質であるため、何らかの原因で血液中に尿酸が増えると、溶けきれずに結晶化し、末梢の関節や腎臓など体の臓器などにさまざまなところに沈殿します。

 

特にたまりやすいのが足の親指の付け根で、そこに結晶が沈着すると、この結晶を白血球が異物とみなして除去しようと攻撃するため、関節が炎症を起こし、激しい痛みをともなう痛風発作となるわけです。また、痛風を放置していると結晶が腎臓に沈着し、腎不全の原因になり、痛風の治療を怠っていると、尿毒症で死に至ることもあります。

 

 

高尿酸血症はなぜ起こるのか

 

尿酸の血中濃度が高い(7mg/dl以上)と高尿酸血症と呼ばれます。日本での痛風患者は50万人以上といわれていますが、さらに数倍もの人が痛風予備軍の高尿酸血症といわれています。

 

ただし、高尿酸血症になると、即、痛風になるわけではありません。高尿酸血症が長く続き、尿酸が何年もの長い年月をかけて関節にたまり、初めて痛風の発作が起こるのです。

 

 

高尿酸血症が起こる主な3つの原因。

 

●体内で尿酸がつくられ過ぎる場合

プリン体を多く含む食品の摂り過ぎ、アルコールの多量摂取、激しい運動なども尿酸の過剰生産の原因とされます。

 

●尿酸の排泄がうまくいかない場合

尿酸は腎臓を通って尿のなかに排泄されます。しかし、腎臓に障害があると尿酸の排泄がうまくいかず、血液中に尿酸が増えてしまいます。尿酸が増えてくると、腎臓にもたまって組織を傷めます。その結果、腎臓障害が進行し、さらに尿酸値を上げるという悪循環におちいります。

 

●上記全てが同時並行で起こる場合

男性は女性に比べて尿酸値が高く、痛風は圧倒的に男性に多く、患者の9割以上は男性。女性のほうが少ないのは、女性ホルモンに尿酸の排出を高める作用があるからと考えられています。また、痛風はある程度遺伝するものだと考えられていますが、遺伝的要素に環境的な要素が加わって発病する場合が多いようです。

 

 

痛風は中年の病気と思われがちでしたが、そうではありません。30年前には40代・50代の病気であった痛風が、最近では30代・40代の病気というふうに確実に若い層に広がっています。そろそろ20代の男性も油断できない状況、痛風のターゲットに入るかもしれません。