さまざまな食品に含有している脂肪酸。栄養素の一つとして体に必要不可欠な脂肪酸ですが、実は血液をサラサラにしたり、肌荒れの解消や肌質の改善など、多種多様な恩恵を与えてくれる栄養素なのです。

 

また、脳細胞の活性化を促してくれるため、幼児期の脳の成長や老年期の認知(アルツハイマー)予防にも効果的。脂肪酸がもたらすさまざまな恩恵について、詳しくみていきましょう。

 

 

血液ドロドロにしない脂肪酸

 

血液ドロドロといわれる血液は、血が流れる血管壁に脂肪が付着しやすく血流障害を発生させ、動脈硬化を誘発し心筋梗塞・脳梗塞といわれる生活習慣病の原因となります。脂肪酸にはさまざまな種類がありますが、その中でも不飽和脂肪酸と言われるものが血液をサラサラにする効果を持っています。

 

不飽和脂肪酸は、まぐろ・いわし・さんま・さばなどの魚類や、オリーブ油・ゴマ油・シソ油・グレープシード油などの植物油に多く含まれており、これらを積極的に摂取することで、血液を健康に維持することができます。

 

反対に、バターやラード、牛脂などの動物性といわれる飽和脂肪酸は、体内のコレステロールや中性脂肪を増やしてしまうため、摂り過ぎは肥満の原因となります。不飽和脂肪酸も脂であることには変わりないため、同じく摂り過ぎは禁物です。

 

なお、アメリカを代表する栄養学・衛生学の第一人者としてマスメディアを中心に活躍中のジーンカーバー氏の著書「食事で直す本」に紹介されていることを簡単にまとめると下記のようになります。

期待できる不飽和脂肪酸の治癒的恩恵

○血液の粘度を下げる(血液サラサラにする作用)

○ 凝結を抑制する抗血栓採用(血液サラサラにする作用)

○血圧を下げる(血液サラサラにする作用)

○血球の中性脂肪下げる(血液サラサラにする作用)

○悪玉コレステロールを減らす(血液サラサラにする作用)

○血管を損傷から守る

○偏頭痛を改善する

○免疫系の調整・増強

○後遺症物質として働く

○動物のガンを予防する

○気管支喘息を和らげる

○初期の腎臓病をおさえる

○心臓発作と脳卒中のリスクを下げる

○リュウマチ性関節炎の症状を和らげる

○精神的なエネルギーを高める

○緑内障の予防

 

 

脳細胞の成長にも必要

 

脂肪酸の摂取の仕方は、幼児期に脳が成長する過程において非常に重要です。イギリスの科学研究所クロスロード教授によると、欧米よりも日本の子供の学習能力が高いのは、母親が魚や貝類をよく食べ、オメガ3脂肪酸濃度が高いからだと発表しています。

 

認知症(アルツハイマー)の方の特徴で、脳の海馬と言う部分に多く存在するDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)と言われるオメガ3脂肪酸が減少していることが分っています。(オメガ3脂肪酸は記憶との関係があります)

 

 

脂肪酸と上手に付き合い、肌をきれいに

 

脂肪酸の種類
参考:「栄養の基本がわかる図解事典」「栄養成分バイブル」など
 

油の成分である脂肪酸にはいろいろな種類があり、大きくは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。不飽和脂肪酸は図のようにさらに系列が分かれ、それによって、体内での働きが違うものです。

 

どんな油も1種類だけの脂肪酸でできているわけではなく、何種類かの脂肪酸で構成されています。どういう脂肪酸がどれくらい含まれているかで、油の質が決まるのです。

 

いろんな脂肪酸をバランスよくとる

脂肪酸はそれぞれ体内で重要な働きをしています。しかし、いくら体にいい働きをする脂肪酸でも、かたよってとり過ぎると害が起こって来ます。脂肪酸のかたよりは、自分では意識していなくても、知らず知らずに起きていることが多いので要注意が必要です。

たとえばポテトチップスなどのスナック菓子やファーストフード、コンビニフードなどには、リノール酸がたっぷり含まれています。(n-6系)また、肉類にはアラキドン酸が豊富です。こうしたことから、現代人の食生活はリノール酸、アラキドン酸が過多になりやすいと言えます。

 

 

油の性質を決めるのは「脂肪酸」

 

基本的にはいろんな脂肪酸をバランス良くとることが大切ですが、体質や健康状態に合わせて脂肪酸のとりかたを考えることが必要です。

 

例えば、アトビー等のアレルギー症状が気になる人は図の(n?6)系の脂肪を減らして(n?3)系を増やすのが、おすすめです。紅花油の代わりにシソ油を使ったり、肉類を控えて魚を食べるようにします。

 

血中コレステロール濃度が高い人は、飽和脂肪酸を減らして不飽和脂肪酸を増やしましょう。たとえば肉類やバターなどを控えて魚や植物油に替え食物繊維の量を増やします。

 

 

体の内側からきれいになるために

 

太る、血液ドロドロになる・・・などと、マイナスイメージのある「油(脂肪)」。たしかに、油のとりすぎは肥満や生活習慣病のもとですが、たんばく質や糖質と並んできれいと元気のためには不可欠な三大要素の一つです。

 

また、油の成分である脂肪酸のうち、体内でほとんど合成できないために、食物からとることが必要なものを「必須脂肪酸」といいます。その「必須脂肪酸」が不足すると成長が妨げられたり、皮膚や生殖機能などに障害が起こってきます。

 

油はこの必須脂肪酸の供給源であり、体内で様々な重要な働きをしています。必須脂肪酸にはオメガ6脂肪酸(>リノール酸)とオメガ3脂肪酸(αリノレン酸・リノレン酸)と呼ばれる脂肪酸があります。

 

オメガ6脂肪酸は、マーガリンや食用油などの食材に含まれている成分なので普通の食生活でも十分に摂取でき、不足の心配はありません。

 

一方、オメガ3脂肪酸が含まれている食材が少なく不足しがちです。オメガ3脂肪酸とは青魚などの魚油に含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の事です。

 

必須脂肪酸はそれぞれ独立した形で身体の中で作用しますので、一番重要なことはオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸をバランスよく摂取することです。