高脂血症というと、脂肪やコレステロールばかりに注目しがちですが、運動には大きなメリットがあることを忘れないでください。

 

適度な運動は、中性脂肪値を低下させ、HDLコレステロールを増加させる効果があります。

 

1日150 〜300 キロカロリーを消費する運動を続けると、虚血性心疾患のリスクが減ることも明らかになっています。

 

また、運動することによって脂肪を燃焼させ、消費エネルギーが増えるために減量の効果も期待できます。さらに肥満解消やストレス解消にも一役かっています。

 

 

最大運動能力の50%がベスト

 

通常、運動量の目安は、その人の最大運動能力の約50%程度の強さが適当といわれています。

 

適度な運動は高脂血症の予防と治療に多くのメリットがありますが、どんな運動であっても血圧が上がります。

 

無症状であっても、すでに動脈硬化がかなり進行しているかもしれません。そこに急激な運動をして、血圧の上昇を招いては危険。

 

したがって、運動を始める場合には、医師の医学的チェックを受け、運動処方箋をもらってから始めたほうが安全です。

 

合併症のない軽症、中等症の高脂血症の場合には、必要な検査ののち、指示にしたがってゆっくり始めてください。

 

自分の最大運動能力の50%の具体的な目安としては、1時間運動したあとに、もう1時間やろうといわれたときでも、楽に続けられる程度の強さ、あるいは運動中にとなりの人と話をしても息苦しくない程度の運動、といわれています。

 

もっと正確に測定したい場合には、脈拍数を測定してください。運動中に脈拍をはかってみて、1分間110〜120が最適。100以下ではあまり効果はありません。

 

 

6000歩を目安に

 

運動には酸素を取り入れながら行う有酸素運動と、息を止めて行う無酸素運動がありますが、高脂血症改善のための運動では有酸素運動を行います。

 

ウォーキングや水中歩行、軽いジョギング、サイクリングなどがこれにあたりますが、もっとも安全で、長続きでき、効果的なのがウォーキング。

 

1日の歩数が6000歩以下の人の場合には中性脂肪が高値で、HDLコレステロールも低くなっていますから、どうしても6000歩以上は歩きましょう。

 

現在よりもあと1000歩多く歩くためには、時間にして約10分、距離にして600〜700メートルを加えます。

 

 

高脂血症に効果的な運動のしかた

 

1日に3キロ歩く……そんなむちゃな……と思うかもしれませんが、高脂血症の運動療法では、決してまれなことではありません。そのときに、あなたならどのように歩きますか。

 

それによって、投げ出してしまったり、無理してかえって害になったりしますので、効果的な運動へのとらえかたの参考にしましょう。

 

 

●何分で歩くのか

3キロという距離にとらわれると、それだけっでいやになってしまいます。でも、恋人や仲良しの友達同士でおしゃべりしながら歩けば、簡単に歩いてしまうもの。

でも、あまりだらだら歩いたのでは効果がありません。目安は30〜45分。慣れれば、さほどの苦痛はありません。

正確に運動強度を知りたいときは、歩いている途中で脈拍を測ってください。1分間100〜200が目標。100以下ではあまり効果がありません。

 

●途中で休まないことが原則

途中で止まったり、休んだりしないで、一気に歩くほうが運動効果が高くなります。最初のうちは休み休みでも仕方がありませんが、慣れてきたら、一気に歩くようにします。交差点などでは足踏みをし、運動を止めないでください。

 

●体調が悪ければ休む余裕も

真面目な人ほど、体調が悪くても、天候が悪くても、とにかく決めたことを守ろうとします。

これはかえって危険。2日ほどあけても運動効果は残っているので、体調が悪ければ休んでください。1週間に3日以上歩くことができれば、距離は1週間単位で調整するくらいの余裕も大事です。

 

●徐々に慣れていこう

まったく運動をしていなかった人が、急激に3キロ歩けば、筋肉が痛くなったり、疲れて翌日には歩けないなどということになりかねません。

最初は1キロ、慣れたら2キロ、そして3キロというように、1カ月程度で徐々に距離を伸ばしましょう。3キロを分けて10分間を1日3〜4回あるいは15分を2〜3回。

スピードも徐々に高め、最初は倍の時間がかかっても気にしないことです。

 

●昼間歩こう

心筋梗塞や脳梗塞の発作は、1日のうちでも比較的早朝や午前中に発生することが多いようです。できるだけ日中、仕事をしている人なら、昼休みを利用して歩きましょう。