人間すべてが人生に一度は経験する下痢。お腹の弱い人は月に何回も、場合によっては1時間おきにトイレに駆け込むということも珍しくはありません。

 

下痢の最も大きな原因が腸の水分吸収力の低下であり、体調が悪い時、免疫力が低下している時などに起こりやすいものです。また、慢性化することもありますので、ひどい場合にはすぐに病院に行くことをお勧めします。

 

 

腸内の水分の吸収が不十分だと下痢になる

 

下痢とは、排便の回数の多いことをいうのではなく、便が軟らかで、粥状になり、水のような便になることをいいます。腸内の水分は、主に大腸で吸収されて、硬い糞便になるのですが、吸収不十分であると下痢を起こすことになります。

 

急性の下痢は、だれでも経験したことがあると思いますが、冷たいものやアルコールの飲みすぎ、暴飲暴食、寝冷えなどでよく起こります。

 

また、神経質な人では、緊張、心痛、精神的衝撃に耐えきれなくなって、そのたびに神経性下痢を起こすこともよくあります。これらの一過性の単純性下痢は、水様便といっても、粘液や血液を絶対に含みません。

 

予防としては、日常生活を快適にして、下痢を起こすほどの無理をしないことが大切です。また、特別な食物に対して、過敏に反応する食物アレルギー的下痢もよくあります。これは、何によって下痢を起こすのかを見さだめて、食べないようにしましょう。

 

それ以外の急性の下痢は、ほとんどが発熱を伴う腸管感染症で、食中毒、赤痢、コレラ、ウイルス性腸炎などがあります。それぞれ違った症状経過を示しますが、発熱のほか腹痛、嘔吐などの随伴症状があったり、粘液や血液が便に混じるときは、ただちに医師に受診してください。自己判断はいけません。

 

 

慢性胃炎が増悪して慢性の下痢を起こすことも…

 

弛緩一般に慢性の下痢は、急性のものほど激しくなくて、回数も1日1〜2回で、泥状便程度です。たとえ下痢が長期にわたっていても、腹痛もなく体重も減らないというようなときは、単に腸管が過敏な体質や、単純な慢性腸炎といわれるものが原因していることが多く、一過性の単純性下痢と同様に、日常の管理に心がけることが大切です。

 

そして、消化のよい食事内容にして、大腸に負担をかけないようにします。たばこは禁煙すべきです。また、50歳以上の人では、慢性胃炎が増悪して、胃酸分泌が全くなくなる無酸症のために胃で食物が消化されないまま小腸に達し、さらに不消化の食物が大腸に至るため、大腸の吸収作用が営まれなくなり、下痢となる状態が重なるケースもよくあります。

 

これを胃性下痢といいます。これは、過酸症の人でも起こることがあります。日常生活の改善につとめ、まず胃炎を治していかなければなりません。

 

慢性の下痢のなかには、全身の病気にかかわるものや、すぐに治療にかからなければならない腸の病気によるものもあります。

 

体重が減ってきたり、いろいろな栄養障害が起こるときはもちろん、下痢と便秘を繰り返すときやがんこに続くときは、検査を受けることをすすめます。また、急性の下痢が一時治って、再び慢性化する場合、多くは細菌性ですから、化学療法剤を変えて、グラム陰性菌に反応するものを選ぶように医師に相談することが大切です。

 

下痢を起こした原因がわからないままに薬で症状だけを止めるのは好ましくない。下痢は、体に好ましくないものを早く捨ててしまおうという作用でもあります。

 

下痢を起こすのは、生体にとって原因があることですから、原因がよくわからないままに、下痢止めを使って症状だけを止めてしまうのは好ましくありません。

 

他の症状も強く、耐えがたいようなら、医師にかかるべきですし、それほど切迫していない場合は、安静にしてしばらく様子をみるという冷静さが大切です。