軽症であれ、重症であれ、「高脂血症」の改善には、何よりも食事の改善が大事です。食事の注意を守れば、血清脂質の異常はかなり改善されます。

 

平均的には、総コレステロール値では10%、LDLコレステロール値では13%、中性脂肪は25%減少するといわれ、さらにHDLコレステロールは20%上昇するといわれています。

 

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エネルギーとコレステロールの調整

 

中性脂肪という名から、脂肪のとりすぎと思っている人も多いようですが、むしろ糖質に関係しているので、中性脂肪値を減らすためには、糖質を制限していきます。

 

酒類の量を減らしただけでも、中性脂肪値を改善することができます。一方、コレステロール値を改善する場合は、脂質を制限します。

 

コレステロールはその80%は体内で合成され、食事によって吸収されるコレステロールはわずかに20%。そうなると、食事を改善することなどたいして影響がないように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

摂取するカロリー量や食べる食品によって体内におけるコレステロールの合成を抑制し、低下させることができるのです。

 

また、コレステロールを多く含む食品を制限しても、あまり役立たないようにもいわれていますが、食品中のコレステロールがそのまま血液中のコレステロールになることはないにしても、多量摂取は確実に血清脂質を高めます。

 

したがって、高脂血症の食事のコツは、適正なカロリー摂取で余分なエネルギーをためこまないこと、コレステロールを高める食品を避け、低下させる食品を積極的に食べることです。

 

 

適正カロリーの計算のしかた

 

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あなたの毎日の食事が適正かどうか、過食になっていないかを知るために次の計算をしてください。

 

生活強度は、軽い作業をしている人なら、標準(適正)体重1キログラム当たり25kcalを、中程度の作業をしている人は30kcalを、重労働をしている人は35kcalを掛けてください。

 

あなたにとっての適正エネルギーは次の計算式から算出できます。

 

標準体重〔身長(m)×身長(m)×22〕×生活強度(25 30 35)kcal

 

※身長160センチの人で、生活強度が中くらいならば、1.6×1.6×22×30=1690kcalです。

 

 

「高脂血症」食事のポイント

 

●肥満解消のために摂取カロリーを制限

肥満は、高脂血症の大きな要因のひとつです。減量するだけでコレステロール値や中性脂肪値が下がります。摂取エネルギーを減らして肥満を解消し、標準体重に近づける努力をしましょう。

 

●脂肪のかたちに注意

脂肪には、「常温では固まった状態」の動物性脂肪である飽和脂肪酸と、「冷蔵庫のなかでも固まらない」植物性脂肪の不飽和脂肪酸があります。前者はコレステロールを上げ、後者は下げます。

 

●食物繊維の摂取を

食物繊維はコレステロールを吸着し、排泄してくれます。1日少なくても20〜30グラム摂取するようにしましょう。

 

●ストレスをためないように

生活のリズムを乱さないように夜更かし、寝不足に注意しましょう。ストレスは心臓疾患の要因にもなり、高脂血症にストレスが重なると動脈硬化が進行しやすくなります。

 

●脂質の取りすぎに注意

糖分も脂肪分も体のなかでは同じエネルギーになりますが、糖分は1グラム4kcalなのに対し、脂肪は1グラム9kcalにもなります。したがって、同じ量を食べると、カロリーは倍以上に。脂類のとりすぎ、とくにコレステロールを上昇させる飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪をとりすぎないように気をつけましょう。食事で摂取できる脂肪量は、1日の総カロリーの25%を超えないようにします。

 

●コレステロールを多く含む食品の多量摂取を控える

食品に含まれるコレステロールはどんなに摂取しても大丈夫……というのはまちがい。多量に摂取したり、その作用が弱っていたり、すでにLDLコレステロールが高い場合には血中コレステロールが上がります。

 

●酒やタバコに注意

タバコやお酒の飲み過ぎに注意してください。タバコのニコチンは毛細血管を収縮させ、血液の流れを悪くするので、心臓への負担が大きくなります。お酒は糖質ですから、中性脂肪の多い人はとくに注意。酒の肴など、カロリーオーバーにならないように。