社会人になれば、仕事終わりなど、付き合いで飲みに行く、食べに行く機会が多く、さらにストレス社会であるため、暴飲暴食する人も昔と比べてかなり増えました。

 

それにより、中性脂肪が多く、コレステロールが高い人が多くいらっしゃいます。自覚症状がなく、日常的に何も変わらなくても、病気は刻一刻と進行している可能性があるため、特に中年男性はご自身の健康状態を今一度、再確認してみてください。

 

 

高脂血症は痛みのない恐い病気

 

コレステロールが高いことは体に良くない、というのは皆さんよくご存知ですね。しかし、「具体的にどんな症状の病気ですか?」と聞かれると、少し戸惑ってしまいませんか?

 

なぜなら、高コレステロールという病気は直接痛みを発したり、呼吸が苦しくなるような病気ではないからです。では、「なぜ高コレステロールが恐れられるのか」について、検証していきますので、最後までお読みください。

 

10人に1人は高脂血症

12時間以上の空腹状態で、コレステロールまたはトリグリセライド、或いはその両方が高い場合を高脂血症と呼びます。高コレステロール血症を含む血清脂質の異常値が、最初の診断基準となります。

 

・血清コレステロール 220mg/dl以上
・血清トリグリセライド 150mg/dl以上

 

この基準は日本人の10人に1人以上が当てはまるとされ、とても身近な病気であることがわかります。

 

どうして高脂血症になる?

本来、生体内で利用されるべきコレステロールや中性脂肪が、利用しきれず血液中に蓄積すると高脂血症になります。その原因は、15%が明らかな遺伝によるもので、残りの85%は様々な遺伝素因に加えて、摂取カロリーなどの食習慣や生活習慣などの外部環境が複雑に絡み合っていると考えられています。

 

自覚症状がないから恐い

「痛い」とか「苦しい」といった本人が感じる病状のことを自覚症状といいます。「のどが痛い」という自覚症状で、例えば風邪にかかっていることを認識できるように、自覚症状の把握は病気を治すための第一歩となるわけです。

 

しかし、コレステロールが高いだけでは私たちはほとんど何も認識することができず、ある日、突然、死に直面するような病気を突きつけられるのです。その引き金となるのが、高コレステロールのもたらす動脈硬化です。

 

 

高コレステロールが招く動脈硬化

 

動脈は本来、弾力性のある血管ですが、血管の壁に脂肪が沈着したり線維が増えると、血管が硬くなり、また壁の膜が厚くなったりします。これが動脈硬化で、様々な要因により進行します。もちろん、高コレステロールもその危険因子のひとつです。

 

動脈硬化が起こると、血液の流れが悪くなり、脳や心臓など、いろいろな臓器の働きが悪くなります。場合によっては、重大な病気を引き起こすこともあります。

 

血液中のコレステロールが高い状態が続くと、血管内にコレステロールをたくさん含んだ隆起部分が出来、特に新鮮で柔らかい部分は非常に不安定な状態にあります。

 

血管内で破裂が起こると

血管内で隆起した部分が破裂すると一気に血管をふさぎ、血流不全による致命的な病気を引き起こすことがあります。

 

動脈硬化による病気(臓器障害)

・虚血性心疾患
・脳梗塞
・動脈瘤
・腎機能障害 など

 

特に、高コレステロールと虚血性心疾患には明らかな相関関係があることが、数々の臨床試験で証明されています。

 

 

虚血性心疾患−狭心症と心筋梗塞

 

虚血性心疾患 (きょけつせいしんしっかん)。よく耳にする病名ですが、なにやら難しそうでいまひとつピンとこない方も多いでしょう。実は、高コレステロールが恐れられる最も大きな要因は、この虚血性心疾患を招くところにあります。

 

これまで見てきた高脂血症も動脈硬化も症状がはっきりしないものでしたが、虚血性心疾患は違います。突然、あなたの命を奪いに来る恐ろしい病気なのです。

 

虚血性心疾患は動脈硬化が原因で起こる最も恐い病気です。その中でも狭心症と心筋梗塞は、心臓病が日本人の死因第二位を占める大きな原因となっている代表的な疾患です。

 

虚血(きょけつ)とは

心臓は、そのまわりをとりまく冠状動脈から酸素や栄養をとり入れています。ところが冠状動脈の血管の内側にコレステロールがたまって動脈硬化を起こすと、血管が狭くなり、血液が流れにくくなって心臓に十分な酸素が供給されません。

 

このような状況を虚血状態と呼び、人間が生きるために絶対に動いてくれなければならない心臓が、燃料不足でエンスト寸前の状態にあるのです。このような状態に心臓が置かれるのが虚血性心疾患というわけです。

 

急性心筋梗塞

冠状動脈の中で破裂が起こり、狭窄部分に血のかたまりがつまって血液が流れなくなり、心臓の組織自体に壊死が起こります。高コレステロールがもたらす致命的な病気で、突然、襲ってくるのがこの急性心筋梗塞です。

 

このように、コレステロールを下げる最大の目的は虚血性心疾患を予防すること。もっと具体的に言うなら「心筋梗塞で死なないようにするため」なのです。

 

 

死の四重奏

 

高コレステロールになる人は、食事や運動など生活習慣に原因があることが多く、高血圧や糖尿病を合併することがあります。このような病気を総称して「生活習慣病」と呼び、生活習慣病を併せ持つことで動脈硬化や虚血性心疾患の危険度が更に増すことが知られています。

 

特に、高脂血症、肥満、高血圧、糖尿病は各々が重なり合うことで、リスクが何倍にもなるため、「死の四重奏」とも呼ばれています。

 

 

その他の危険因子

加齢や喫煙も虚血性心疾患の立派な危険因子となります。

(1)男性は45歳以上、女性は閉経後
(2)タバコを吸う
(3)家族に冠動脈疾患の人が居る

 

コレステロールが低すぎるのも考えもの

高い、高いとコレステロールの話になると高すぎることだけが問題視されがちですが、一方で「コレステロールが低すぎると脳卒中が増える」という報告があります。目安として血清総コレステロールが120mg/dl以下にならないことが望ましいとされています。

 

いずれにせよ、自分のコレステロールがいくらなのか、現在の生活習慣や健康状態に危険因子がないかなど、自己管理に気をつけたいものですね