中学生や高校生になっても、一度も生理がこない場合、ストレスやホルモンバランスの乱れなどが原因となっていることが多いものの、病気の可能性も考えられます。また、単に体質的な問題や、過激な運動をしていることが原因となっている場合もあります。

 

婦人科へ受診するとなると、恥ずかしさがどうしてもありますが、その場合には内診(陰部を直接目で見る診察)を断ることができます。分からないままではずっと不安が続いてしまい、さらに初経が遅れることもありますので、心配であればご両親と一緒に受診するようにしてください。

 

 

月経のメカニズム

 

医学的見地からいえば、月経は「一定の周期をもって反復する子宮内腔からの出血」と定義付けされます。つまり、子宮内膜という薄い膜が剥がれて周期的に出血することを指しています。

 

子宮は子宮筋という筋肉からなっており、その内側は子宮内膜でおおわれています。排卵の後、卵子は卵管の中で精子で出会うと受精し、子宮におりてきてこの膜に接着・着床すると妊娠が成立します。着床が起こらなかったときには、排卵後に分泌されていた黄体ホルモンが徐々に減っていき、それとともに子宮内膜に栄養を与えていた血管が破たんして月経が起こるというメカニズムです。

 

 

個人差もあるが、原発性無月経の可能性も

 

今の日本では、平均的にいって初潮は小学校高学年にくるのが普通だとされています。個人差があるので、絶対ではありませんが、早すぎたり遅すぎたりというのであればやはり注意が必要です。ほとんどの女性には15歳までに初潮が起こり、16歳以降になって初めてきた初潮のことを遅発初経と呼びます。さらに18歳以降になっても初潮(初経)がみられない場合は原発性無月経といいます。

 

これにはいくつかの原因が考えられますが、子宮や卵巣、膣、ホルモン中枢(視床下部・下垂体)になんらかの原因をもっていることが多いので、早急に産婦人科を受診しましょう。中には生まれつき子宮が形成されていないロキタンスキー症候群という病気や、卵巣の中に原始卵胞という卵の源が存在しないターナー症候群、性腺形成不全症などもあり、それらの場合には妊娠はほとんど不可能だとされています。

 

しかしながら、なんらかの理由でホルモンの分泌に問題がある場合であれば、治療によって妊娠を期待できる例が多くみられます。いずれにしても医師の診断を仰ぐことが肝心でしょう。

 

 

原発性無月経の原因

 

生理が起こるためには、脳の中枢や卵巣、子宮、膣などがすべて正常でないといけません。このうちの何かしらの異常があれば生理は来ないという状態になります。

 

●卵巣の異常

月経性無月経の原因で最も大きな割合を占めるのが卵巣の異常で、特に染色体の異常が原因です。染色体の異常がない場合には、卵巣形成不全や卵巣の機能異常などがあります。

 

●脳の中枢異常

生まれた時から脳の中枢に何かしらの異常がある場合にも無月経となる場合があります。また、脳腫瘍も原因の1つであり、原因は多岐に渡ります。

 

●子宮・膣の異常

生まれた時から子宮や膣に異常がある場合にも無月経となり得ます。たとえば、子宮の一部がないなど、子宮が上手く機能していないなど、その原因は多岐に渡ります。

 

●その他

過激な運動している場合や、全身的な病気(甲状腺機能低下症など)がある場合にも生理が来ないことがあります。また、体質的に初経が遅い場合や、ストレスが原因となっている場合もあります。

 

 

原発性無月経の治療

 

原発性無月経の治療は原因により大きく異なりますが、多くは人為的に月経や排卵を起こさせるためにホルモン(エストロゲンやプロゲステロンなど)の投与を行います。

 

脳に異常がある場合や子宮・膣の形状に異常がある場合には外科的な手術を行う場合もありますが、基本的には簡易的な手術であるため、それほど心配する必要はありません。治療法は原因により異なるため、まずは婦人科に受診することが大切です。不安であればお母さんと一緒に受診したり、女性医師のいる婦人科を選ぶと良いでしょう。

 

 

自分で行う解消法

 

原発性無月経の原因は多岐に渡り、原因を究明するのが大切ですが、女性ホルモンの継続的な乱れが原因となっている場合も多々あります。それゆえ、病院へ行く前にホルモンバランスを整える生活習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

●睡眠不足の改善

睡眠中にはさまざまなホルモンが分泌され、睡眠の質が高いほどホルモンの分泌量が増加します。十分な睡眠は体や脳の疲れを休めるだけでなく、心の癒し効果もあるため、積極的に睡眠不足の改善を図ってください。ホルモンの多くは睡眠開始から3時間に分泌されるため、勉強や仕事が忙しく、どうしても十分な睡眠がとれないという方は、眠り始めの3時間の質を高めるために、寝る前にアロマや半身浴などをして、リラックスした状態で布団に入るようにしてください。

 

●偏った食生活の改善

ファストフードや肉中心の食事を続けていると徐々にホルモンバランスが崩れていきます。毎日、バランス良く食べることが理想ですが、それが難しい場合には野菜を一品加えましょう。コンビニのサラダでも構いません。可能なら、女性ホルモンと同様の働きをする大豆イソフラボン(納豆や豆腐など)、女性ホルモンの分泌を促すビタミンB6(魚、レバー、ナッツ類など)やビタミンE(かぼちゃ、アボガドなど)を積極的に摂取しましょう。

 

●運動不足の解消

運動は何もダイエットや筋力をつけるだけでなく、精神の安定化(自律神経の活性化)を促しましょう。ストレスを感じている時や不安・悩みを抱えている時には、自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまいます。気持ちが乗らない状態で運動しても効果はありませんので、やりたい時にやる!という感じで問題ありません。人が心地よく感じる時間帯は「早朝」・「夕方」・「夜」ですので、ウォーキングなど適度な運動をこれらの時間帯に行えば、さらに効果が高まります。

 

 

サプリメントを利用するのもアリ

 

上記のように生活習慣を正すことが先決ですが、難しい場合にはサプリメントをを利用するのも1つの手です。ただし、過剰摂取はNG。サプリメントを摂取する際には、容量をしっかり守ってください。

 

●大豆イソフラボン

納豆や豆腐などに含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)が不足している時には補うように働き、過剰な時には抑えるように作用し、ホルモンのバランスを整えてくれます。

 

●ビタミンB6

ビタミンB6は人間の体に不可欠な栄養素であり、エストロゲンと大きな関係があります。生理や妊娠時には体内のエストロゲン量が増加しますが、それと同時にビタミンB6の消費量が多くなります。その結果、自律神経が乱れるだけでなく、肌が荒れたり、手足に痺れが生じたりします。ビタミンB6は消費量が多く、食事での摂取が難しいため、サプリメントで積極的に摂取しましょう。

 

●ビタミンE

ビタミンEは女性ホルモンの1つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の材料となる栄養素です。また、生理周期の改善や妊娠の維持、流産や早産の予防を助けます。

 

●プラセンタ

プラセンタとは哺乳類の胎盤から有効成分を抽出した胎盤エキスのことで、アミノ酸やタンパク質など豊富な栄養素が含まれています。ホルモンバランスの改善に役に立ち、生理前のニキビや生理不順、PMS(月経前症候群)を治す効果があります。

 

●ピクノジェノール

ピクノジェノールとはフランスに自生している海岸松から抽出したエキスのことで、非常に高い抗酸化作用を持つ、OPC(プロアントシアニジン)と約40種類の有機酸を含むフラボノイドの集合体のことです。過少月経・過多月経などの月経トラブルや子宮内膜症、そのほか肌トラブルなど、女性特有の悩みを解決してくれる優れものです。

 

 

まとめ

 

中学生や高校生になってもまだ一度も生理が来ない場合には、原発性無月経である可能性が高く、原因はさまざまです。病気が原因となっていることもあるため、少しでも早く婦人科へ受診し、原因を特定することをお勧めしますが、ストレスやホルモンバランスの乱れが原因となっていることも多々あるのが実情です。

 

それゆえ、あまり心配せずに、まずは①ストレスの発散、②生活習慣の改善、③サプリメントの利用、この3つの事を行っていきましょう。