コレステロールは肥満の原因であり、コレステロールをコントロールすることが、肥満の予防に繋がります。

 

また、血糖値が高い人や高血圧の人にとっても、コレステロール値を下げることで改善できるため、食事や運動、はたまた薬剤の力を借りて、コレステロールをコントロールしていきましょう!!

 

 

食事療法

 

「コレステロールは人間の体にとって必要不可欠なもの、けれども血清コレステロール値は高すぎてはいけない。」 なにやら難しそうに聞こえますが、そうではありません。日常生活における偏食や運動不足について、少し意識するだけでもコレステロール値を安定させることができます。

 

また、最近ではコレステロールをよく下げるお薬も出ていますので、気長に自分のコレステロールをコントロールしてみましょう。

 

 食生活の見直し

コレステロール値が高いことが分かったら、なにはともあれ、まずは食生活を見直すことが肝心です。まずは、以下の3つの事項を、自分の状況に合わせて順番に実行してみましょう。最初からコレステロール摂取を300mg以下にするのはなかなか難しいものです。食事療法はゆっくり長く続けていくことが肝心です。

 

①1日の摂取カロリーを「標準体重×30kcal」以下に

②脂肪分を1日摂取カロリーの30%以内に

③1日のコレステロール摂取を300mg以内に

 

ビタミンで悪玉の酸化を防ぐ

悪玉と呼ばれるLDLコレステロールは酸化などの変性を受けると、更に動脈の血管にコレステロールを溜めてしまうことが知られています。酸化LDLの増加を防ぐために、ビタミンE、ビタミンC、β-カロチンなどをたくさん摂るように心がけましょう。

 

適量のアルコールは、善玉と呼ばれるHDLコレステロールを増加させる働きがあります。また、赤ワインに含まれるポリフェノールは動脈硬化の予防に効果があるといわれ、実際に赤ワインの消費が多いフランスは他の欧州国より心臓病での死亡率が低いことが注目されています。

 

但し、アルコールの飲み過ぎはいけません。過度なアルコール摂取は中性脂肪を増やしたり、肝硬変の原因になったりします。

 

1日のアルコール類の目安は

・日本酒なら1合
・ビールなら1本
・ウィスキーならダブル1杯

 

が適量で、それも連日飲み続けるのは好ましくなく、3日に1日くらいは肝臓を休ませる「休肝日」を取ってあげましょう。

 

 

運動療法

 

余分な脂肪を燃焼させ、新陳代謝を促進するためには適度な運動が効果的です。但し、現在、なんらかの病気を持っている人は必ず医師に確認してから運動するようにしましょう。

 

特に、心臓病、糖尿病などの病気のある人は自己判断で運動メニューを決めてはいけません。

 

酸素を摂りながら運動する−有酸素運動

運動療法といってもスポーツ選手のようなハードトレーニングを指すわけではありません。運動には有酸素運動と無酸素運動があり、高コレステロールを改善するための運動療法には有酸素運動が効果的です

 

・無酸素運動 …

全力疾走のように激しいもの。心肺機能や筋力の強化には効果的であるが、脂肪の燃焼効果は弱い。

 

・有酸素運動 …

歩くように普通に呼吸しながら継続できる運動。心臓や呼吸器に負担がなく、脂肪を効率的に燃焼させることができる。

 

軽く汗ばむ程度の運動を1日30分

「さあ、これから毎日ジョギングだ!」と意気込んではみたものの、なかなか続くものではありません。そこで、まずはウォーキングから始めましょう。そうです!普段の日常生活で、できるだけ歩く機会を増やすことが運動療法になるのです。

 

歩く距離:1日3km程度

歩く時間:1日30分を目標に、5分×6回でもOK!

歩く速度:少し早めに歩きながら隣の人とおしゃべりできる速度

歩く回数:できれば毎日、少なくとも週3回。

 

お散歩のアイデア

①お昼休みは歩いて10分以上かかるお店で食事をする

②買い物は車を使わず歩ける距離に行く

③歩くときに音楽を聴きながら楽しむ

④ペットとともに出かけるお散歩を日課にする

⑤歩数計を使って数字遊びも楽しむ

 

運動で善玉コレステロールを増やす

継続した有酸素運動はHDLコレステロール(善玉)を増やすことが知られています。HDLコレステロールは組織の余分なコレステロールを肝臓に戻す働きがあり、それは動脈硬化の危険因子をひとつ相殺できるほどの効果があります。

 

運動は少しでもいいから「毎日続けること」 これが善玉を増やすコツです。

 

 

コレステロール値を下げる治療薬

 

食事療法、運動療法を行っているにも関わらず、更にコレステロール値を下げる必要があると診断された場合は、薬物療法が考慮されます。

 

薬物療法は食事療法や運動療法とともに行われる治療ですので、薬を飲むからといって、食事や運動に気を使わなくてよくなるわけではありません。これらの基礎的な生活習慣により、薬の効果が左右されることも分かっています。

 

以下にて、高コレステロール、高トリグリセライドなど高脂血症治療における代表的な薬剤を紹介します。

 

コレステロールをよく下げるスタチン系薬剤

HMG-CoA還元酵素阻害剤とも呼ばれ、現在、世界で最も多く使われている高コレステロール治療薬の系統です。特にLDLコレステロール(悪玉)を下げる効果があり、長期投与において心臓病による死亡率を低下させることが証明されています。

 

総コレステロール値が高い場合の第一選択薬である反面、一般に高トリグリセライドに対する効果は弱いとされています。※フィブラート系薬剤との併用は避ける必要があります。

 

▼代表的なスタチン系薬剤(製品名)▼

メバロチン、リポバス、ローコール、セルタ、バイコール、リピトール

 

トリグセライドをよく下げるフィブラート系薬剤

トリグリセライド(中性脂肪)が高い場合によく使われる薬剤で、これらも世界的に使われ、有効性が証明されています。※スタチン系薬剤との併用は避ける必要があります。

 

▼代表的なフィブラート系薬剤(製品名)▼

ベザトールSR、リパンチル、リポクリン

 

ニコチン酸製剤

心筋梗塞患者の再発予防効果、長期投与による死亡率の低下、安全性など、多くの臨床試験で有効性が証明されています。コレステロールとトリグリセライドの両方が高い場合などによく使われる薬剤で、安価であることも大きなメリットとされています。

 

▼代表的なニコチン酸製剤(製品名)▼

ユベラニコチネート、コレキサミン、ペリシット

 

その他の薬剤

他に以下のような薬がよく使われています。この他にもたくさんの薬剤がありますので、自分のもらった薬については担当の薬剤師に相談してください。

 

クエストラン、コレバイン、シンレスタール、ロレルコ、ハイゼット、エラスチーム、MDSコーワ、イーピーエル、パントシン、エパデール

 

メバロチンもびっくりの紅麹(べにこうじ)

今やコレステロールを下げる薬としてたくさん使われているスタチン系薬剤ですが、これらは全て合成による医薬品です。それが、最近、紅麹(べにこうじ)という麹菌に天然のスタチン成分が含まれていることが分かり注目されています。

 

この紅麹は、極東地域を中心に各地で発酵食品に使われていて、それらのほとんどが「元気になるから」「長寿のために」といった食べ物として扱われています。

 

日本でも沖縄の郷土食品「豆腐よう」の発酵に使われるのが紅麹で、沖縄の人の長寿の秘訣はこんなところにもあるのかもしれませんね。