①喉が痛い、②食欲が落ちている、③咳や痰がたくさんでる、④咳がずっと続いている、⑤声が枯れている・出ないことがある、⑥呼吸音がゼーゼーする、⑦息苦しい感じがある、これらの症状があれば呼吸器の病気かもしれません。

 

呼吸器は空気と一緒に、大気中に浮遊するウイルスや細菌、ほこりなどを直接とり込みますが、抵抗力がないと感染症を起こす場合があります。この感染症が原因となり、上気道や下気道、肺などにさまざまな病気が引き起こされます。

 

 

子供に起こりうる呼吸器疾患の概要

 

呼吸器は、空気の通り道である気道と、ガス交換の場である肺とに分けられます。気道の先にはいくつものぶどうの房状の小部屋である肺胞がついており、肺胞の壁を通して肺の毛細血管に酸素をとり込み、体外に二酸化炭素を吐き出しています。心臓は肺で酸素をとり込んだ血液を全身に送り、不要となった二酸化炭素の多い全身の血液を肺に戻すポンプの働きをしています。

 

呼吸器は空気中に浮遊しているほこりや花粉、カビ、細菌、ウイルス、汚染物質などを直接吸い込んだり、空気と接する器官であるため、外敵に侵されやすいといえます。しかし、呼吸器は自浄作用を持っており、ほこりやカビといった外敵を除去するように働いています。

 

例えば鼻腔から咽頭・喉頭までの上気道では、外界の空気を適度に温め、湿り気を与え、同時に鼻水やくしゃみによって外敵の侵入を防いでいます。体内へさらに侵入してくる外敵は、気管支の表面にある線毛が常に運動して、杯細胞の分泌する粘液と一緒に口のほうに送り出されます。これが痰となり、咳によって喀出(かくしゅつ)されます。咳は痰の排出を助けます。

 

また、気道にある白血球やマクロファージ(大食細胞)が異物を殺したり、免疫グロブリンというたんぱく質の防御作用が働いて細菌に対して抗体をつくり、肺の中の細気管支や肺胞を無菌状態に保つ働きをしています。

 

ところが、体の抵抗力が落ちたり、強い細菌やウイルスが侵入してくると、自浄作用では追いつかずに、呼吸器に炎症が起こり発病します。これが呼吸器の病気で、炎症が生じる場所によって、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの病名がつきます。

 

ウイルスは200〜300種類もあるといわれ、呼吸器感染をおこす主なものに、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、RSウイルス、ライノウイルスがあげられます。ウイルスのほかにA群β溶連菌、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌(かんきん)、黄色ブドウ球菌といった細菌の感染症による場合もあります。

 

 

呼吸器疾患の症状

 

病原体に感染すると、発熱、頭痛といった全身症状が現れ、同時に感染した場所によって異なる症状がみられます。炎症が鼻腔に起こればくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が強く、咽頭では痰を伴わない乾いた咳が出て、のどの粘膜が充血して赤く腫れ、痛みが出ます。

 

喉頭が侵されると、声がかれたり声が出なくなります。気管や気管支に炎症が進むと、喉をゼロゼロさせたり、痰を含んだ湿った咳が出ます。細気管支や肺胞に炎症が及ぶと、呼吸数が多くなる多呼吸が現れたり、肩で息をしたり、息をするたびに肋骨の間がへこむような呼吸障害を起こすようになります。

 

子供に起こりうる呼吸器の病気の種類と症状

 

特に子供は保育園や学校で病原体にさらされる機会が多く、乳幼児では病原体が侵入しやすく、抵抗力も弱いため、感染症をすぐに引き起こしてしまい、重症化する傾向にあります。

 

そのため、保護者は発熱や咳、呼吸の様子から緊急を要する病気かどうかを見極める必要があり、ゼーゼー、ヒューヒューして呼吸が速かったり、顔色が悪いときや、熱のためにひきつけを起こしたり、水分がとれずにぐったりしてしまうような場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

 

 

呼吸器疾患の検査と診断

 

まず、問診、視診、聴診による診察が行われます。その後、確定診断のためにX線検査や血液検査などを実施する場合があります。町の小さなクリニックでは問診・視診・聴診などで簡易に特定することがありますが、呼吸器疾患には類似症状が非常に多いので、大きな病院に行く方がよいかもしれません。

 

■問診

問診では、現病歴、既往歴、家族歴などをチェックします。現病歴では症状が急性か慢性か、発熱の程度、機嫌の良し悪しなどの全身症状の変化がポイントです。夜は眠れているか、一日のうちでいつ咳が出るか、水分が十分にとれているかなども診断をするうえでの重要な参考事項になので、医師に正確に告げましょう。

既往歴では、百日咳、ジフテリア、破傷風の3種混合ワクチンやBCGワクチンの接種を受けたかどうか、肺炎や中耳炎を繰り返していないか、気管支ぜんそくがないか尋ねられます。未熟児で新生児期に呼吸障害があったかどうかやアレルギー体質についても調べます。家族歴ではアレルギーや結核、気管支拡張症の有無のほか、鳥や犬、猫の飼育について調べます。

 

■診察・内診

診察でまずチェックをするのは鼻汁と咳、痰の状態です。鼻汁は水様性か、黄緑色の粘質なタイプか調べます。咳は乾いているか、痰を伴う湿った咳か、犬がほえるような感じの咳かを確認します。

痰は、性状や色のほか、息をするとゼーゼーヒューヒューと音がするかなどを調べます。さらに咽頭や喉頭の発赤、体温、呼吸数、チアノーゼの有無、口蓋扁桃の発赤や腫れ、耳だれ、頸部リンパ節の腫れをみます。また、胸郭の形、皮膚の色や血管腫、むくみ、みずおちや肋骨の間や鎖骨の上が息を吸うときにくぼまないかもチェックします。聴診で呼吸音の左右差、雑音の有無、喘鳴をチェックします。

 

■検査・診断

原因の検索や確定診断のために必要があれば、X線検査、血液検査、喀痰・咽頭拭液・血液の培養検査、肺機能検査、動脈血ガス分析、喉頭・気管支ファイバースコープによる気管支粘膜生検などを行います。血液検査では赤血球および白血球の数や分画、赤沈、炎症反応(CRP)を調べます。原因のウイルスや細菌を突きとめるためにウイルス抗体価などの測定や喀痰・咽頭拭液の培養、場合によっては血液の培養も行います。

腹部単純X線撮影では肺炎像や過膨張、無気肺などを調べ、頭部をあらゆる角度に固定したウオタース撮影で副鼻腔炎がないかをみます。気管支炎や肺炎を繰り返したり、中耳炎、副鼻腔炎を合併している場合は、線毛運動不全症候群を疑い、気管支粘膜をとって顕微鏡で観察します。

 

 

上気道の病気

 

鼻腔と咽頭、喉頭からなる上気道は外気と直接接する器官だけに、呼吸器のなかでも特に病気が起こりやすい部位です。子供が発症しやすい上気道の病気には主に、咽頭炎やクループ症候群、先天性喘鳴などがあります。

 

咽頭炎

■原因

子供がかかりやすい病気で、ウイルス感染が80%以上を占めています。インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、単純ヘルペスウイルスなどが主です。細菌ではA群β溶連菌の感染である溶連菌咽頭炎が多く、5〜15%にのぼります。4〜7歳の子供がかかり、保育園、幼稚園、学校などで流行して感染するケースがほとんどです。

 

■症状

ウイルス感染による主な症状は、発熱と咽頭痛、嚥下痛です。急に喉が赤く腫れ、のどに異物がはさまったような感覚や喉が乾燥する感じがあり、物を飲み込もうとすると痛みが生じ、痛みが耳にまで響きことがあります。咳払いが多く、から咳が出て体がだるくなる症状もみられます。乳幼児はのどの痛みを訴えませんが、食欲がなかったり、喉を見ると赤く腫れていたり、かすれ声になったりすることからわかります。

溶連菌が原因の咽頭炎では、初期に腹痛や嘔吐がみられ、やがて高熱を出し、激しい咽頭痛が起こります。舌が赤くなり、表面にイチゴの種子のようなブツブツがみられます。首のリンパ節が腫れ、触ると痛みを訴える場合もあります。10〜50%の子供は、赤く細かい発疹が全身に現れ、なかでも胸や足のつけ根に多くみられます。

 

■治療

ウイルス感染の場合は、ポピドンヨード液(イソジンうがい薬など)でうがいをし、のどの痛みには咽頭にルゴール液を塗布したりして対処療法を行い、二次細菌感染による悪化を防ぎます。症状が軽いときは1〜2日で、重い場合でも数日で熱は下がり、自然に治ります。

細菌感染では抗生物質を投与します。3〜4日で熱は下がり、7〜10日で症状は消えます。溶連菌感染症では糸球体腎炎を合併することがあり、医師の指示に従い抗生物質を飲み続け、尿検査を受けるようにします。

 

クループ症候群

咽頭の形態上の違いから大人に比べて子供は、咽頭に病原菌が感染した炎症を生じると、すぐに気道狭窄を起こします。その結果、空気を吸うときに喉をヒューヒューゼーゼーいわせる呼気性喘鳴や、犬の遠吠えのような咳のほか、かすれ声になるなどの障害が出てきます。この呼吸障害の強い病気をクループ症候群といいます。

クループ症候群には、ジフテリア菌が原因で偽膜ができ、喉頭を覆って呼吸困難を起こす真性クループがありますが、現在ではほとんどないようです。現在、クループと呼ぶときは非ジフテリア性の仮性クループです。喉頭気管気管支炎、喉頭蓋炎、痙性喉頭炎などが含まれます。喉頭気管気管支炎は3カ月から3歳までの乳幼児に多く、喉頭蓋炎は3〜7歳によくみられます。

 

■原因

喉頭気管気管支炎の多くはウイルス性です。喉頭蓋炎は約90%がB型インフルエンザ桿菌によります。痙性クループはウイルス感染が引き金になることがありますが、何らかのアレルギー性の機序によるものと考えられています。

 

■症状

クループのなかで最も多いのが喉頭気管支炎です。数日間かぜのような症状が続いた後、犬が吠えるような咳や呼気性の喘鳴、呼吸困難が出現します。喉頭蓋炎は幼児に多く、突然発症し、発熱やのどの痛みとともに呼吸困難が進み、数時間のうちに気道が閉塞し、命に関わることもあります。

痙性喉頭炎は、1〜3歳の幼児に多く、夕方や夜間に、急に喉が痛んだりかゆみを感じたりし、声門がけいれんし声がかすれたり、声が出なくなったりします。呼気性の喘鳴が起こり、発作的に咳が出ることもあります。この痙性クループは最も軽症で加湿した空気を吸うだけでよくなりますが、繰り返すのが特徴です。

 

■治療

呼吸障害に対しては、高湿度の空気と酸素を投与します。喉頭気管気管支炎は声門下の浮腫による気道狭窄なので、ネプライザー(吸入器)でエピネフリンを吸入することでむくみをとります。多呼吸や飲食ができずに水分が失われがちなときは、点滴によって水分を補給します。

喉頭蓋炎や細菌の感染が疑われる場合は、抗生物質を投与します。喉頭蓋炎などで呼吸障害が多い場合は、気管チューブを挿入したり、気管切開が必要になることもあります。

 

先天性喘鳴

呼吸するときにヒューヒューゼーゼーと異様な音がする状態を喘鳴といいます。先天的に喘鳴をきたす原因には喉頭軟化症、舌根のう腫、喉頭のう腫、血管腫、気管食道瘻、気管狭窄、胃食道逆流、嚥下機能障害などがあります。喉頭ファイバースコープなどを備えた専門医を受診し、原因を明らかにしましょう。先天性喘鳴の最も多い原因である喉頭軟化症について説明します。

 

■原因

喉頭蓋は呼吸をするときは開いて気道を確保し、物を飲み込むときは気道をふさいで、物が気道に入らないような働きをしています。この喉頭蓋が脆弱だったり、形が異常なために、空気を吸うときに喉頭蓋が気道にかぶさり、呼吸がしにくく音が出ます。

 

■症状

多くの場合、生後すぐから4週間以内に症状が現れます。息を吸うときにゼーゼーと音がします。症状が重いと呼吸のたびに鎖骨や肋骨のすき間がへこむ陥没呼吸がみられます。陥没呼吸が続くと胸が変形するケースもみられます。哺乳もしにくいので栄養が十分にとれず、体重の増加がみられないこともあります。

 

■治療

成長とともに症状は自然と軽くなっていきます。特に合併症がなければ生後6ヶ月から1歳くらいまでには症状はなくなります。喘鳴がひどい場合には抗生物質の予防内服をすることもあります。まれですが、呼吸障害のために気管切開を行うケースもあります。

日常生活では、授乳するときに気道にミルクが入らないようにゆっくりと与え、喘鳴がひどいときにはうつぶせにして首を伸ばしてあげると楽になります。うつぶせにする場合は硬い布団を使い、常にそばにつきそい、窒息に注意しましょう。

 

 

下気道の病気

 

気管と気管支を合わせて下気道といいます。上気道の炎症が下気道に波及したり、なかには嚥下機能障害や気管食道瘻などの基礎疾患を有することもあります。子供が発症する下気道の病気には、急性気管支炎や慢性気管支炎、細気管支炎などがあります。

 

急性気管支炎

上気道から気管、気管支の間に起きる急性の炎症をいいます。子供の下気道感染症の約40%を占めているといわれるほどしばしばみられる病気です。2歳までに多く、以後は徐々に減少します。冬期に発生のピークがあり、夏季に少ないという特徴があります。

 

■症状

かぜやインフルエンザのような症状に続き、3〜4日ごろから痰を伴う湿った咳が出ます。気管が左右に分かれる気管支部分は咳反射が起こりやすいところです。そのため、激しい咳が出て胸の痛みを訴えることがあります。体がだるいために元気がなかったり、発熱や喘鳴を伴うケースもあります。

 

■原因

ウイルスによる場合がほとんどです。6歳以下ではRSウイルスやパラインフルエンザウイルス3型が多く、2歳以下ではアデノウイルスが原因の場合も少なくありません。6歳以降ではマイコプラズマやインフルエンザウイルスA,Bが主な原因です。なお、麻疹(はしか)にかかると、気管支炎を伴うことがあります。細菌が原因となるケースは少ないのですが、インフルエンザ桿菌、百日咳菌、肺炎球菌、溶連菌などが知られています。

 

■治療

鎮咳薬や去痰剤、消炎剤などが投与されます。空気の流れが制限されることによる症状が軽ければ、冷たい蒸気が出る加湿器やスチーム加湿器が役立つことがあります。症状が重くなると、気管支を広げる吸入式気管支拡張薬などを使用し、気道を広げて、喘鳴を緩和させます。

 

慢性気管支炎

成人では、1年間に3カ月以上の湿った咳が続く場合、慢性気管支炎と診断されますが、子供に関しては明確な定義はありません。一般的には成人同様、3カ月以上湿性の咳が出て、さらに胸部X線写真で気管支の周囲に陰影がみつかったときに慢性気管支炎との診断名がつきます。

 

■原因

急性気管支炎が治らない状態が続いたり、または何度も繰り返しながら慢性化していく場合と、嚥下機能障害や気管食道瘻、胃食道逆流、線毛運動不全症候群といった基礎疾患が原因となって引き起こされるケースがあります。

 

■症状

去痰剤やβー刺激剤、抗菌剤の投与といった薬物療法と、1日3〜4回の空腹時に行う肺理学療法が治療の中心となります。基礎疾患がある場合には、その治療が行われますが、治療が不可能なときは去痰剤の使用といった対処療法がとられます。なお、呼吸不全が進行すれば肺移植も検討されます。急性気管支炎の慢性化を防ぐためには、肺理学療法を徹底的に行うことが大切です。家族で協力して取り組みましょう。

 

■治療

痰がからむときは去痰剤、咳に対しては鎮咳剤、熱に対しては解熱剤などの対処療法を行います。ウイルス性であれば2〜3週間で自然に治りますが、細菌性の二次感染が疑われる場合は、抗生物質を服用します。肺炎マイコプラズマが考えられるケースにもエリスロマイシンなどの抗生物質を用います。状況によっては点滴や酸素の吸入が必要なことがあります。下熱後には1日3〜4回の肺理学療法が行われます。

 

細気管支炎

肺胞に近い部分の細気管支に起きる炎症です。冬に多く発生し、2歳未満の乳幼児によくみられます。特に生後6ヶ月ごろが発症のピークです。

 

■原因

多くがRSウイルスの感染です。近親者からうつることが多く、保育園のような集団生活を送る場所でしばしば流行します。

 

■症状

ウイルスが感染し炎症が起こると細気管支の粘膜が壊死したり、むくみが生じたり、分泌物がたまって細気管支がふさがれ、吸った息が吐き出しにくくなり、水のような鼻汁が出て、湿った咳や喘鳴が出現します。39℃台の熱がみられますが、乳児では熱はあまり高くならないケースがほとんどです。かぜの症状から咳が強くなり、ぜんそくのような湿った咳が出るようになります。

さらにひどくなると、ゼーゼーと、息づかいが荒くなって、小鼻をピクピクさせる鼻翼呼吸、肩や胸を前後させて呼吸する陥没呼吸がみられます。症状が進行すればチアノーゼを起こすこともあります。3カ月未満の乳児では、息を止めてしまうことが少なくなく、これが初期症状のこともあります。

 

■治療

ぜんそく性気管支炎と区別がつきにくい症状ですが、鼻汁からRSウイルスが検出されれば細気管支炎と診断されます。治療は対処療法が中心で、加湿、点滴、酸素の吸入などを行います。粘質の気道分泌物を除去するための肺理学療法や、鼻腔・口腔内吸引も併用されます。呼吸障害が進行したり無呼吸が頻繁にみられるときは、人工呼吸が必要になることがあります。

 

 

肺の病気

 

気管から左右に分かれた気管支は何度も枝分かれをしながら細気管支となり、その先は肺胞とよばれる小さな袋になっています。ここで酸素と二酸化炭素のガス交換が行われています。肺で最も多い病気は肺炎です。そのほか、化膿性胸膜炎という肺炎の延長に起こりうる病気もあります。

 

肺炎

■原因

肺炎の多くは、病原体によって肺胞周辺に炎症が起こったものです。肺炎を起こす病原体には肺炎双球菌、ブドウ球菌などの細菌、インフルエンザウイルス、RSウイルスといったウイルス、カンジタのような真菌、クラミジアやマイコプラズマなどがあります。

 

■症状

重篤化しやすいのは細菌性肺炎です。発熱、咳、寒気などかぜのような症状が長引き、胸の痛みを伴います。痰は黄色や鉄さびのような色で、血が混じることもあります。進行すると呼吸困難やチアノーゼが現れます。細菌性肺炎に比べるとほかの肺炎は症状が軽く、予後も良好です。ただ、マイコプラズマ肺炎は痰の少ない強いから咳を伴い、クラミジア肺炎は多呼吸がみられたり、けいれんのような咳が出るなどの特徴があります。

 

■治療

ウイルス性肺炎は自然治癒しますが、細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎などは抗生物質で治療します。また症状に応じて解熱剤、鎮咳剤などを服用します。

 

化膿性胸膜炎

■原因

胸膜の腔内に膿汁がたまる病気です。黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌などが原因の肺炎にかかり、治療が不十分な結果、発病することが多いとされています。

 

■症状

肺炎の症状に引き続いて高熱を発し、咳がひどく、呼吸が異常に速くなり、呼吸困難を起こします。生後2ヶ月以内の乳児では命にかかわるケースもあるので、治療には急を要します。

 

■治療

胸腔穿刺を行い、膿汁が出れば化膿性胸膜炎です。そのまま膿汁を吸い出す胸腔ドレナージを続けます。膿汁を排出すれば呼吸も楽になってきます。その後、抗生物質を静脈から投与して治療します。

 

 

子供の呼吸器疾患は親の綿密な観察が必要不可欠

 

呼吸器の病気は一般に熱、咳、鼻水といったかぜの症状から始まります。乳幼児が高熱を出すと親は驚きますが、夜間に子供を病院に連れ回すと逆に症状を悪化させることもあります。子供は熱を出しやすいものです。解熱剤を常備しておくと安心です。緊急な受診の必要があるのは、新生児の発熱、脱水症状や呼吸困難、チアノーゼが出た場合などです。

 

様子を観察して緊急度を見極めましょう。ただし、大丈夫だと思っても急に症状が進行することがあります。上記の症状以外では緊急度は低いものの、早く治すのがベターですので、開院になったらすぐに連れて行くようにしましょう。