大腸がんは、数あるがんの中でも再発率が高く、5年もしないうちに再発する人が多いいらっしゃいます。一度手術により摘出し、その安心から定期検診を怠る人が多いため、2度3度と再発を繰り返してしまいます。

 

それゆえ、摘出したからといって安心するのではなく、再発率が高いということをしっかりと認識し、再発予防に努めてください。早期発見できれば、簡単な手術で終わり、体の負担とともに費用も少なく済むため、必ず定期検査を受けるようにしてください。

 

なお、大腸がんの予防には、3つのことが考えられます。

 

まずは大腸がんにならないよう食生活に気を配ること(一次予防)。次に定期的に検査を受け、ポリープが見つかったら、がんになる前に切除すること(二次予防)。さらに、大腸がんの手術を受けた人が再発を防ぐことです(再発予防)。

 

このうち今回は、大腸がんの再発予防についてのお話です。

 

 

大腸がん手術後の検査

 

大腸がんの手術をした人は、がんの再発を早期に発見するため「血液検査(腫ようマーカー検査)」、「肝臓の超音波検査・CT検査」、「肺のX線検査」、「大腸内視鏡検査」などを受けます。

 

大腸がんの再発には二通りあります。

 

一つは、手術でがんを完全に取り除いたつもりでも、目に見えない小さながんの転移があって、それが大きくなって再発する場合です。もう一つは、新しくポリープが出来てそれががんになる場合です。

 

血液検査・肝臓の検査・肺の検査は、転移によるがんの再発を発見するために行います。大腸がんの転移は、肝臓がいちばん多く40~50%を占めるのです。

 

次に多いのが肺です。一方、大腸内視鏡検査は、新たながんの発生を早期に発見するために行います。転移による再発を調べる検査は、どれくらいの頻度で受ければよいでしょうか。

 

手術後3年目までは、血液検査と肝臓の検査を3~4カ月ごとに、肺の検査を6カ月ごとに、それぞれ行います。3年目から5年目までは、6カ月ごとにこれらの検査を行い、再発を監視します。

 

転移によるがんの再発は、ほとんどが5年以内に起こります。ですから、5年間がんが見つからなければ、ほぼ治癒したと考えてよいのです。

 

一方、大腸内視鏡検査は、転移ではなく新たながんの発生を予防するものですしたがって、5年という区切りはなく、その後も検査を続ける必要があります。

 

しかし、がんは急に大きくなるということはありません。ですから、きっちり内視鏡検査を受けて異常がなかった人は、次の検査は2年後でよいと思います。

 

しかしポリープなどがあった人は1年後にまた内視鏡検査を受けます。一度がんになった大腸は、再びポリープやがんを作りやすいので、注意してください。

 

 

腫ようマーカーが上昇したら

 

がんが発生すると血液中に増えたり新しく出来たりする物質があり、腫ようマーカーと呼ばれます。血液検査で腫ようマーカーを調べれば、がんの再発がチェックできるわけです。腫ようマーカーの値は検査の機械によって異なります。

 

正常値=「5」の検査の場合、腫ようマーカーが「6」や「7」でもあまり気にしません。たばこを吸う人や肝臓自体の悪い人が、がんでなくてもその値になることがあるからです。

 

しかし、それまで正常だった値が「6」へ、さらに「8」へと少しづつ上昇してきた場合は、再発の可能性もあり他の検査を行います。

 

最初は肝臓の検査です。次に再発しやすいのは肺です。がんが見つからなければ、期間をおいて、たとえば2、3カ月後にまた腫ようマーカーを調べ、その値によっては、もう一度肝臓や肺の検査を行います。

 

こうした検査は繰り返し行い、次の検査までの間に、がんが進行するのではという不安もあろうかと思いますが、CT検査でも超音波検査でも、がんの大きさが1cm以上にならないと見つけることはできません。

 

また、そのような小さながんが急に大きくなるということはありません。したがって、あわてて頻繁に検査を行ってもメリットはないのです。

 

 

抗がん剤は1年~2年程度

 

S状結腸のがんでリンパ節にも転移があった場合、再発予防のために抗がん剤を使うことは多いです。しかし期間は1年から2年です。それくらいで抗がん剤をストップし経過を見るというのが通常の治療法です。

 

というのも、抗がん剤はすべての人に効くわけではなく、その抗がん剤がそのがんに合っているかどうかを見きわめることが大事なのです。むやみに抗がん剤を飲み続けても、効果はあまり期待できないと言えます。

 

 

大腸がんの一次予防・二次予防

 

ここまでは再発予防のお話でした。最後に、大腸がんの一次予防・二次予防についても簡単に述べておきましょう。

 

大腸がんの一次予防は、特に食事がポイントです。肉に含まれる動物性脂肪が大腸がんに大きく影響しますから、肉を食べ過ぎないことです。

 

魚は問題ありません。また、大腸の働きを活発にする食物繊維や、発がんを抑えるというビタミン類をたくさん取ることも、大腸がんの予防につながります。食物繊維は、野菜ばかりでなく、豆類・芋類・穀類・海藻類・きのこ類・果物にも含まれています。

 

二次予防は、検査でポリープを発見し、がんになる前に処置することです。大腸がんは初期には自覚症状がありません。便潜血検査や大腸内視鏡検査を定期的に受けることが、早期発見には欠かせないのです。