医療技術の進歩により、近年に行われている治療法の効果は高く、また副作用も以前より少なくなりました。また、通常の治療とは異なる、代替治療や免疫療法といったさまざまな治療法が確立されました。

 

がんの進行具合や部位、体調・体力、効果などによって治療法は使い分けられますが、代替療法や免疫療法も昨今では積極的に行われていますので、どのような治療法なのかこの機会に知っておきましょう。

 

 

がん治療における代替医療と免疫療法

 

現在、オーソドックスながん治療といえば手術療法、化学療法、放射線療法の3つ。これらを3大療法といいます。しかし、発見が遅れたり、進行がんになるとそれらの療法もあまり効果を発揮しなくなります。そのため、多くの場合、その時点で現代医療の手から離されることになってしまいます。

 

そこで登場するのが、第4の療法と呼ばれる代替医療。科学的に証明されていなくとも、有効な治療法の数々に救いを求める人の数は年々増加する一方です。

 

 

現代医学以外の全ての療法が対象に

 

代替医療はもともとイギリスで「コンプリメンタリー・メディスン(相補医学)」といわれていた医学。これがアメリカに渡り、急速に脚光を浴びるようになりました。

 

アメリカ国民の関心の高まりに対し、1992年米国議会は国立衛生研究所内に代替医療事務局を設立。今やアメリカではそこに投じる費用が医療費を上回るともいわれています。

 

代替医療は、アロパシーメディスン(現代医学)に対し、それ以外の療法すべてを指します。日本代替医療学会では、代替医療を「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」と定義。

 

簡単にいえば、現代医学では検証できず、実際に治療の現場においては応用されていない医学や医療体系、ということになります。

 

漢方や中国医学も厳密にいえば代替医療のひとつ。そのほか、インド医学のアーユルヴェーダやギリシャ医学のユナニ、チベット医学、日本ではあまり知られていないホメオパシーやオステオパシーなどもあります。

 

また、ビタミン微量元素などのサプリメント、抗酸化食品や免疫活性食品、各種疾病予防・補助食品などの健康補助食品、ハーブやアロマテラピー、断食療法、温泉療法、免疫療法、精神・心理療法、酸素療法など、代替医療に包括されるものは非常に多岐にわたります。

 

 

がん細胞に打ち勝つための免疫療法

 

代替療法のなかには、がん細胞にダイレクトに作用し、これを駆逐する目的のものもありますが、多くの場合、自らの免疫力を鼓舞し、がん細胞に打ち勝とうとする免疫療法がほとんど。

 

人体に備わっている免疫機能を刺激して、がん細胞を認識、攻撃、破壊させようということが目的です。健康保険で認可されている薬剤にも、免疫力を高める目的のものがいくつかあります。

 

がんを攻撃する免疫細胞にはキラ−T細胞やNK(ナチュラル・キラー)細胞、マクロファージ(貧食細胞)などがあります。これらはいわばがん攻撃の戦士達です。

 

キラ−T細胞が、悪性黒色腫、大腸がん、肝臓がんなどを攻撃するのに対し、NK細胞はほとんどの種類のがん細胞を攻撃。免疫を担う免疫細胞は多くあるわけですが、がん細胞の監視能力、攻撃力はNK細胞がもっとも頼りになります。

 

では、免疫監視機構によって正常細胞ががん化するのを厳重に監視していながらがんが発生するのはなぜなのでしょうか。その理由は2つ考えられます。

 

ひとつは見張りが手薄になっていたということ。NK細胞の機能は40歳代で半減、高齢者では著しく低下します。NK細胞の機能が弱くなると、がん細胞はなんなくガードを突破してしまいます。

 

もうひとつは、監視能力のグレードの問題。がん細胞をはっきりとした敵と認識できずに攻撃できなかったと考えられます。

 

免疫は自己と非自己を見分け、非自己を排除して自分を守る生体防御機構。がん細胞はもともと正常細胞(自己)だったわけですから、限り無く自己に近い非自己なのでしょう。

 

このようなプロセスをみていると、私達ががんから身を守るもっとも良い方法とは、免疫監視機構を強化すること。それこそがまさしく「免疫療法」です。具体的にはNK細胞、マクロファージ、キラ−T細胞など免疫細胞を増やし、強化するという戦術です。

 

 

無数に存在する代替医療の数々

 

「末期がんが治った!」「もうがんなど怖くない!」などと、センセーショナルに銘打った健康食品や単行本などが常に新聞の広告欄に掲載されています。

 

代替医療とは、現代医学では検証できず、実際に治療の現場においては応用されていないものを指すものですから、多岐に渡るのは当然です。

 

そのため、ひと言に代替医療といっても、限りなく医療行為に近いものから、医療とは呼べないほど悪質な療法まで含まれることになります。

 

とくに免疫を高める効果があるとする健康食品のほとんどは、その効果にがんを掲げているため、滋養強壮のために飲むのか、それともがんの治療のために飲むのか、明確ではないものもたくさんあります。

 

そして、だからといってそうした健康食品ががんに効果がないのか、といえば、そうでもありません。個人差もあり、なかには効果を発揮した例もないわけではないからです。今現在、がんに効果があるとされる健康食品を列記してみましょう。

 

プロポリス

みつばちが摂取した植物性樹脂成分と、みつばちの分泌物とが混ぜ合わされたこう状物質。ヨーロッパを中心に民間薬としての古い歴史をもち、抗菌、抗炎症作用のほかに免疫を活性化させる作用をもつといわれている。

 

レイシ

中国では漢方薬の一種として古くから使用されている。サルノコシカケ科紫芝(マンネンタケ)類の全株を乾燥したもの。薬理作用として滋養強壮、解毒収斂、消積(胃腸内の不消化物を消化して排出する)、血中脂質の降下作用などがあげられているが、単独で抗がん作用があるかどうかは定かではない。日本ではがんにも有効という見方が強い。

 

丸山ワクチン

がんの治療薬として人気が高く、現在も相当な数の患者が全国各地でこの注射を受けている。ヒト型結核菌から抽出された物質で、もともとは結核やライ病の治療のために開発されたものだが、がんにも有効なことが分かり、いわゆるBRM、つまり生体反応修飾物質(刺激に応じて起こる身体の反応を整える物質)のひとつとみなされている。

 

サメの軟骨

サメの骨格の軟骨にある「血管新生」という物質は、がんの成長に欠かせない新しい血管の増生を阻止するといわれている。健康食品には珍しく、ダイレクトにがんに作用するもの。

 

インターロイキン2の注射

インターロイキン2とは、Tリンパ球のつくり出すサイトカインと呼ばれている物質で、がん細胞に対する最強の攻撃隊であるナチュラル・キラー(NK)細胞を刺激し、奮い起こさせる働きがある。

 

アガリクス茸

免疫を強化する健康食品。アガリクス茸に含まれる多糖体、そのなかでもアガリクス茸だけがもつβ-D-グルカンには、体の免疫機能を活性化させる作用があり、マウス実験では99%の腫瘍抑制効果が認められている。