大腸がんは年々増え続け、死亡者数は今や胃がんに迫る勢いです。大腸がんは治療成績の良いがんですが、ある程度進行しないと自覚症状が出ないため、知らないうちに進行している恐れがあります。

 

したがって、定期的な検査による早期発見が重要です。

 

 

大腸がん早期は自覚症状なし

 

大腸がんは、進行すれば血便・便通の異常・腹部のしこりといった自覚症状が現われます。しかし、早期の段階ではこうした症状はほとんどありません。

 

ですから、大腸がんを早期に発見するには、症状がなくても定期的に検査を受けることが不可欠です。多くの場合、手術を受ける人の60%は自覚症状がなく検査で大腸がんが見つかっています。

 

 

大腸がん検査のステップ

 

大腸がんの検査には「便潜血検査」、「直腸指診」、「注腸造影検査」、「大腸内視鏡検査」があります。

 

便潜血検査

便潜血検査は、便を採取し血液が混じっていないかを医療機関で調べてもらうものです。大腸がんがあると、がんからの出血で便に血が混じるのです。検査をすれば肉眼で見えない微量の出血もわかります。

 

大腸がん検査の第一歩であり、集団検診などで簡単に受けられます。ただし便潜血検査は痔の出血にも反応し、がんとの区別ができません。

 

検査結果が陽性の人で、大腸がんが出来ている人は1?2%、大腸のポリープが見つかるケースが10%弱程度です。そこで、便潜血検査が陽性だった人は、さらに詳しい検査(直腸指診・注腸造影検査・大腸内視鏡検査)で、がんかどうかを確かめます。

 

すでに大腸がんの症状があったり、近親者に大腸がんの人がいる場合は、最初からこれらの検査を行います。

 

直腸指診

直腸指診は、医師が肛門から指を入れ、直腸に病変がないか指の届く範囲で調べる方法です。大腸がんの40%は直腸に出来ますが、その直腸がんの約半分が指診だけで発見できます。短時間で終わる検査で、リラックスしていれば痛みもありません。

 

注腸造影検査と大腸内視鏡検査は、専門の医療機関で行います。検査前に、下剤や洗腸で大腸を空っぽにしてから調べます。

 

注腸造影検査

注腸造影検査では、肛門からバリウムを注入し、大腸をレントゲンで撮影します。がんがあると、がんが成長してきたために大腸が狭くなるため、大腸に”くびれ”のようなものが伺えます。

 

3cmほどのがんでも、自覚症状があまりありませんが、このくらいの大きさなら85~90%の人が完全治癒するため、早期発見は非常に重要となります。

 

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入しモニターを見ながら大腸内部の様子を観察します。はじめに内視鏡を大腸のいちばん奥まで入れたあと、引き抜きながら、大腸の各部分を丁寧に調べていきます。怪しい部分は染色をして詳しく観察します。

 

大腸の壁を直接カメラで観察できるので、がんやポリープがあれば、かなり正確に診断できます。がんが疑われる場合は、組織の一部を取り出し精密検査を行います。

 

 

ポリープが大きくなって大腸がんに

では、検査でポリープが見つかった時はどうしたらよいでしょう。腸の内壁にイボのように出っ張ったものをポリープと呼びます。大腸のポリープは、40歳代なら40%、50歳代なら50%の人に見つかるとも言われます。

 

大腸のポリープは、将来がんになる恐れがあります。もちろんすべてのポリープががんになるわけではありません。しかし、大腸がんは、ポリープが徐々に大きくなってがん化して出来るタイプが多いのです。

 

胃のポリープががんに関係しないのとは対照的です。なお、大腸がんには、ポリープを作らず壁の中に腫瘍が平べったく広がるタイプもあります。

 

ポリープを切除すべきかどうかは、大きさと形で判断します。ポリープが5mm以上のものは、がん化している可能性があります。このほか、平べったい腫瘍タイプは3mm程度でも切除したほうがいいようです。

 

ただし、ご相談の方はポリープが8mmでも切除していませんね。実は、今述べたポリープとは別に、老化現象で出来るポリープもあるのです。その場合は、大きくなってもがんにはなりません。

 

老化によるポリープかどうかは、慣れた医師であれば組織検査までしなくても十分判断できます。したがって、内視鏡検査を続けていて、医師が「切除する必要がない」と言うのであれば、そのポリープは心配いらないと思います。

 

 

ぜひ定期的に検査を

 

大腸がんは早期発見すれば100パーセント助かると言っていいくらいです。大腸がんにかかりやすい40歳以上の人は、自覚症状がなくても年に一度は便潜血検査を心がけてください。

 

また内視鏡検査まで受けてポリープや病気がまったくなかったなら、次の検査は2、3年後でも結構でしょう。しかしポリープがあったり切除したという人は、やはり年に一度は内視鏡検査をしたほうがよいと思います。