私たちの体は無数の骨で構成されていますが、おそらくほとんどの方が、骨の役割や構造、機能などについて知らないのではないでしょうか。

 

骨というのは体を支えるためのものだけではなく、実にさまざまな役割を果たしており、健康にも直結するものですので、この機会にぜひ骨について知っておきましょう。

 

 

骨は生まれてから完成する

 

骨は赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときにもうできあがっています。生まれたときにはだいたい350個くらいの骨がありますが、これがだんだん合わさって大人になる頃には200個くらいまで減ってしまいます。

 

生まれたばかりの赤ちゃんの頭がやわらかくて、骨のないところ(泉門)がありますね。これは人の大脳が発達しすぎて、ほかの動物のようにできあがってからは産道を通れないため、まだ未熟なまま生まれてくるからです。それでも生まれて2年もたつと大脳がおおきくなって頭がすっかり骨でおおわれてしまいます。

 

 

骨はからだの心棒である

 

人が歩くときには足を使いますが、この足のなかに骨という芯棒が通っています。背中にも脊椎という芯棒がとおっていて頭を下からささえています。

 

アメーバやなめくじや蛸のように支えとなる骨がなかったらたいへんですよね。これも人の先祖でもある魚が脊椎をもったからその恩恵をうけているわけです。

 
 

骨と骨は関節でつながっている。

 

骨は骨と骨とのあいだを関節というものでつながっております。骨の接触する面は軟骨でできていて、そのあいだは潤滑油とでもいう関節液で満たされています。関節は関節包で被われており、そのまわりは靱帯というにかわ(膠)のような強靱なもので補強されています。

 

そして、筋肉が骨と骨に付着して、その収縮する力によって曲げたり伸ばしたりするわけです。この骨と筋肉と関節とそしてこれに動けと命令する神経との協同のしごとで運動がおこなわれます。

 

 

骨は大事な臓器を保護している

 

また、骨は人のだいじな臓器をそとの衝撃からまもる大事な盾の役目ももっています。大脳や小脳などは 頭蓋骨のなかにすっぽりと入っていますね。心臓や肺は胸郭(胸骨と肋骨と胸椎)で守られています。

 

肝臓も 肋骨の陰に隠れています。膀胱や子宮や直腸は骨盤のなかにあります。こうするとほとんどの大事な臓器は骨で守られていますよね。例外は目とお腹と男性の睾丸です。

 
 

脊柱は巨大なあたまを支えている

 

骨は大腿骨という長い骨から耳小骨(鼓膜の奥にあります)という小さい骨までいろんな骨があります。頸椎のいちばん上の骨はアトラスといわれています。アトラスはギリシア神話で天をささえた巨人 のことをいいますが、これにちなんで第一頸椎をアトラスと名付けたようです。

 

脊椎のいちばん下には 尾骨という骨があります。これは人間がかってはしっぽを持っていたというはっきりとした証拠です。 この第一頸椎から尾骨まで頸椎が7個・胸椎が12個・腰椎が5個・仙骨が1個と骨が連綿と続いています。この骨の連なりで重い頭を支えています。

 

魚から両生類・爬虫類までは(哺乳類となっても)脊椎は水平になっておりますので、重力 の影響はあまり受けませんでした。一部の恐竜で二本足歩行がみられますが、完成する前に滅んでしまいましたね。

 

猿が木の上で生活するようになって 木と木の間を渡り歩く打ちに手の機能がよくなって背骨が垂直になることに慣れてきました。アフリカの森林地帯にこういう猿が生息していたのですが、ここにある時 地殻変動がおきて森林がなくなってしまいました。木の上にいた猿はやむを得ず地上生活を余儀なくされたのです。

 

この変動はアフリカの東海岸で起きたため、 西海岸にいた猿はそのままの楽な暮らしをしていました。この東海岸で二本足歩行をはじめた猿(類人猿)が人間へと進化していき、西海岸で楽をしていた猿(類人猿)はチンパンジーやゴリラ としていまでも同じような暮らしをしています。

 

地上で暮らすようになった頃はいまのチンパンジーよりも 脳の容積が小さかった(やく700ml)のが背骨が垂直になったため頭が少しぐらい大きくなっても支えきれる余裕が うまれてきました。現代はだいたい1500mlくらいまで 大きくなっています。

 

人が二本足で歩くようになってきたため、重いあたまをささえる負担がもろに脊椎(背骨)にかかってきました。 それが脊椎の骨と骨を接続する部分ー椎間板ーが脊柱管(脊髄がとおっている)のほうに脱出する 椎間板ヘルニアをおこす原因となっています。

 

 

骨には造血機能がある

 

骨の中は空洞になっていますが、これがまた骨を強靱にするのに役立っています。そして、この空洞のなかには骨髄という液状の組織があります。 この骨髄で血液中の赤血球・白血球・血小板などがつくられております。これを造血機能といいます。

 

造血機能のある骨髄は赤い色をしていますので、 赤色骨髄といいますが、造血機能のなくなった骨髄は脂肪組織に置き換わってしまって黄色い色をしていますので黄色骨髄といいます。

 
 

骨はカルシウムの貯蔵庫である

 

骨(歯もふくめて)の大部分はカルシウム(体中のカルシウムの99%)でできております。ですから骨はカルシウムの貯蔵庫のはたらきもします。

 

からだのなかでカルシウムが不足したときには一時的に骨からカルシウムが補給されます。そしてすぐに腸管からカルシウムが吸収されますから、血液のなかのカルシウム濃度がつねに一定に保たれています。

 

骨はからだのなかのこれらカルシウム・マグネシウム・リンなどのミネラルの調節をします。これをミネラルの恒常性を保つといいます。

 

 

さいごに

 

このように骨にはさまざまな役割があり、体を調整するために非常に重要なものです。骨は食事や運動などで強くすることができますので、ダイエットなどを行うと弱くなってしまいます。

 

弱くなると体の調整がうまくできず、病気になりやすいなどの悪影響がでてきます。また、骨が折れやすくなってしまいます。ダイエット中であっても、カルシウムなど骨の栄養となるものをたくさん摂取し、適度に運動することを忘れないでくださいね。