生理の血(経血)の量がいつもより異常に多い、もしくは少ないということはありませんか?もちろん、女性の体は非常に繊細であるため、血の量が変わってくるのは当然です。しかし、極端に多い・少ない場合には何かしらの異常からきている可能性があります。

 

1度や2度なら問題ないことがほとんどですが、毎生理に経血の量が異常の場合は、病気の特定はもちろん、不安解消のためにも婦人科に受診することをおすすめします。検査を受けてみると、病気とは関係ないホルモンバランスの影響であることが多いのも実情です。

 

 

経血が極端に少ない場合の原因

 

経血が極端に少ない場合は「過小月経」と呼ばれる病気が該当します。生理がきてもナプキンにほとんど血がつかない、2日目でも極少量といった場合には「過小月経」かもしれません。また、通常の生理期間5日~7日に対して過小月経は2日や3日と短い傾向にあります。

 

①閉経に近づいている

40代や50代など生理の終わりに近づいている人に過小月経が起こります。これは極自然のことなので全く心配する必要はありません。

 

②ストレスによるもの

過小月経の大きな原因となるのがストレスです。10代、20代、30代と年齢に関係はなく、直近に大きなストレスを感じた場合、経血量が著しく少なくなることがあります。若い方は基本的にストレスが原因で過小月経になっているため、ストレスを取り除いてあげることが先決です。

 

③子宮の発達が未熟である

常に経血量が少ないという方は子宮の発達が未熟なのかもしれません。この場合には不妊の可能性も出てくるため、一度産婦人科に行くことをお勧めします。

 

④ホルモンバランスの崩れ

ストレスと関わりが深いのですが、ホルモンバランスが崩れることによって卵巣の働きが悪くなります。ストレスの他、食生活や運動など、不摂生な生活によりホルモンバランスが崩れ、その結果、卵巣の働きが低下し、過小月経が起こります。不摂生な生活を送っていると自覚がある方は、ご自身の生活習慣を一度見直してみましょう。

 

⑤黄体機能不全

黄体とは、排卵した後に生成される器官で、プロゲステロンと呼ばれる受精卵の着床・妊娠の維持に重要なホルモンを分泌します。分泌の指示は脳(視床下部・下垂体)で行われ、この機能に異常があると過少月経がみられることがあります。生理開始から約2週間後に不正出血がみられる場合には、黄体機能不全が疑われます。なお、黄体機能不全は糖尿病や喫煙、ストレスなどによって起こります。

 

⑥手術後の感染

出産・流産・中絶の後には子宮内に細菌が入りやすく、細菌感染による子宮内膜炎(結核性が主)が発症することがあります。また、帝王切開後の感染による子宮内の癒着も過少月経をきたす原因です。

 

 

経血が極端に多い場合の原因

 

経血が極端に多い場合には「過多月経」という病気が該当します。ナプキンの交換が1時間おきなど、極端に血が多く、生理期間が長い傾向にあるため、貧血や体の疲れなどが出ることがよくあります。また、経血にレバー状の大きな塊が混じる傾向にあります。

 

①ストレスによるもの

極度のストレスにさらされた時、ホルモンバランスが急激に変化することによって過多月経が起こることがあります。いつもは通常の量だけど、急に経血の量が多くなったという場合にはストレスが原因である可能性があります。

 

②子宮内膜症

20代~30代の人に多い子宮内膜症ですが、これにより過多月経になることがあります。強い生理痛、そのほか吐き気や嘔吐といった体の異常がある場合には子宮内膜症が疑われます。しかしながら良性であるため、過多月経が初めて、もしくは近2,3回目という場合には過度に心配する必要はありません。

 

③子宮筋腫

子宮筋層にコブ状の腫瘍が出来る子宮筋腫は、基本的に良性であり、5cm以上に肥大化していなければ放置しても問題はありません。また、約30%もの女性が大なり小なり子宮に腫瘍があるため、過度な心配は必要ありません。過大月経の他、生理期間が長くなったり、生理痛もひどくなります。

 

④子宮腺筋症

子宮線筋症は子宮内膜によく似た組織が子宮の筋層内にできる病気のこと。子宮筋腫と同様の症状であることが多いため、見分けがつきにくい病気として知られています。

 

⑤子宮内膜ポリープ

子宮にキノコ状のやわらかい突起(ポリープ)があると、子宮の機能が低下したり、経血の進路が妨げられるため、経血が一度に多く排出されます。子宮内膜ポリープは良性がほとんどで健康に害はありませんが、着床を妨げるため、不妊の原因となります。子宮内膜ポリープに対しては薬物療法は効果がなく、摘出手術をもって治療を行います。

 

⑥子宮内異物

避妊を目的として子宮内に留置する”子宮内リング”と呼ばれる避妊具により、正常な子宮の働きを妨げ、過多月経をきたすことがあります。

 

 

”病院”で行う過少月経・過多月経の治療法

 

過少月経・過多月経とともに、原因によって治療法は異なりますが、主に薬が用いられます。ハッキリとした原因が分からない場合(ホルモンバランスの乱れ)や子宮内膜症に対してはピル、黄体機能不全に対しては黄体ホルモン関連の薬(内服または注射)、感染に対しては細菌の繁殖を抑える薬などにより治療を行います。

 

子宮筋腫や子宮腺筋症に対しては摘出手術または子宮動脈塞栓術(子宮に繋がる動脈を止める治療)、手術希望のない場合は薬を用いて改善を図ります。子宮内膜ポリープに対しては悪性の可能性もあるため摘出手術を行い、病理診断を行う必要があります。

 

このように、原因となる症状・病気によって治療法は異なります。主に薬を用いて治療を行いますが、手術を必要とする場合でも過度な心配はいりません。どれも簡易的な手術で概ね入院する必要はありません。また、費用も2~3万円とそれほど高くはありません。

 

なお、過少月経・過多月経の多くはホルモンバランスの乱れが原因であるため、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内ポリープなどの病気を完全に特定することが出来ないのが現状です。検査精度は概ね70%となっています。

 

 

病院(婦人科)での診察

 

過少月経・過多月経の場合は婦人科に受診することになります。なお、診察は「問診」・「触診」・「超音波エコー」・「血液検査」・「MRI、CT」など多岐に渡ります。

 

■問診

問診とは口頭による診察のことです。生理周期や生理期間、経血の量、腹痛などの症状などが聞かれます。基礎体温表をとっている方はまとめておきましょう。なくても問題ありません。

 

■触診

触診とは膣内の診察のことです。医師が手袋をはめ、指を膣内に入れ、子宮・卵巣・膣の腫れや硬さ、弾力などを診察します。触診は診断精度が高いため、通常は行われます。

 

■超音波エコー

超音波エコーとは、超音波による画像診断のことで、腹部上から超音波をあてる方法と、膣内に器具を入れて体内から写す場合の2種類あります。子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの特定のために行われますが、診断精度はそれほど高くはありません。

 

■血液検査

主に子宮内膜症を特定するために、補助的に血液中のCA-125の値を調べる血液検査が行われます。診断精度はそれほど高くはなく、触診や超音波エコーでも完全に特定できない場合に行われます。

 

■MRI、CT

子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどを特定するために、MRI(磁気による画像診断)やCT(X線による画像診断)が行われることもあります。

 

特に若い女性にとって触診は恥ずかしいものですが、医師は多くの患者の診察を行っていますので心配はいりません。また、性交経験がない方は触診を行わないよう配慮してくれますので、同様に心配する必要はありません。

 

 

”自分”で行う過少月経・過多月経の治療法

 

過小月経や過多月経になる主な原因はホルモンバランスの崩れからくるものです。

 

●悩みを抱えている、

●ストレスがある、

●バランスの悪い食事、

●全く運動していない、

●睡眠不足・睡眠過多

 

というように健康に害がある場合、ホルモンバランスが崩れてしまいます。女性の体は非常に繊細であることから、ホルモンバランスは容易に崩れてしまいます。通院することなくご自身で過小月経や過大月経を治したいという場合には、ストレスや悩みを解消し、健全な生活スタイルを築くようにしていきましょう。

 

毎生理に過少月経・過大月経があり、生活に支障が起きている場合には、迷わず婦人科に受診してください。原因はホルモンバランスの崩れが主ですが、それ以外のこと、つまり何かしらの病気の可能性もあるため、一度受診されることをお勧めします。

 

 

ホルモンバランスを整える生活習慣

 

ホルモンバランスを整えるためには、「睡眠」「食事」「運動」など、生活の改善が先決です。WHOの基準において、日本人の90%以上が何かしらの生活習慣の改善が必要と言われています。生活習慣を改善することで、ホルモンバランスの乱れを改善できるだけでなく、さまざまな病気の予防にも繋がるため、積極的に行っていきましょう。

 

●睡眠不足の改善

睡眠中にはさまざまなホルモンが分泌され、睡眠の質が高いほどホルモンの分泌量が増加します。十分な睡眠は体や脳の疲れを休めるだけでなく、心の癒し効果もあるため、積極的に睡眠不足の改善を図ってください。ホルモンの多くは睡眠開始から3時間に分泌されるため、勉強や仕事が忙しく、どうしても十分な睡眠がとれないという方は、眠り始めの3時間の質を高めるために、寝る前にアロマや半身浴などをして、リラックスした状態で布団に入るようにしてください。

 

●偏った食生活の改善

ファストフードや肉中心の食事を続けていると徐々にホルモンバランスが崩れていきます。毎日、バランス良く食べることが理想ですが、それが難しい場合には野菜を一品加えましょう。コンビニのサラダでも構いません。可能なら、女性ホルモンと同様の働きをする大豆イソフラボン(納豆や豆腐など)、女性ホルモンの分泌を促すビタミンB6(魚、レバー、ナッツ類など)やビタミンE(かぼちゃ、アボガドなど)を積極的に摂取しましょう。

 

●運動不足の解消

運動は何もダイエットや筋力をつけるだけでなく、精神の安定化(自律神経の活性化)を促しましょう。ストレスを感じている時や不安・悩みを抱えている時には、自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまいます。気持ちが乗らない状態で運動しても効果はありませんので、やりたい時にやる!という感じで問題ありません。人が心地よく感じる時間帯は「早朝」・「夕方」・「夜」ですので、ウォーキングなど適度な運動をこれらの時間帯に行えば、さらに効果が高まります。

 

●喫煙・アルコール摂取の制限

タバコは血行を悪くし卵巣の働きを妨げます。また、お酒を大量に摂取すると(ビール2杯以上)、アルコールを分解するために多くのエネルギーを使い、さらに睡眠の質が低くなることで自律神経が乱れてしまいます。禁煙・禁酒が難しいという方は、少しずつ量を減らしていきましょう。それも難しい方は、睡眠・食生活・運動など上記の改善項目を積極的に行っていきましょう。

 

 

忙しいアナタにはサプリメントを

 

日本人の食生活は年々乱れてきており、下図(ALIC-農畜産業振興機構)のように肉中心(欧米化)の食生活になってきています。その結果、ホルモンバランスの乱れだけでなく、生活習慣病の発症率が高まっているのが現状です。

 

 

生活習慣を改善することが先決ですが、どうしても難しい場合にはサプリメントに頼るという手があります。ただし、過剰摂取はNG。サプリメントを摂取する際には、容量をしっかり守ってください。

 

●大豆イソフラボン

納豆や豆腐などに含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)が不足している時には補うように働き、過剰な時には抑えるように作用し、ホルモンのバランスを整えてくれます。

 

●ビタミンB6

ビタミンB6は人間の体に不可欠な栄養素であり、エストロゲンと大きな関係があります。生理や妊娠時には体内のエストロゲン量が増加しますが、それと同時にビタミンB6の消費量が多くなります。その結果、自律神経が乱れるだけでなく、肌が荒れたり、手足に痺れが生じたりします。ビタミンB6は消費量が多く、食事での摂取が難しいため、サプリメントで積極的に摂取しましょう。

 

●ビタミンE

ビタミンEは女性ホルモンの1つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の材料となる栄養素です。また、生理周期の改善や妊娠の維持、流産や早産の予防を助けます。

 

●プラセンタ

プラセンタとは哺乳類の胎盤から有効成分を抽出した胎盤エキスのことで、アミノ酸やタンパク質など豊富な栄養素が含まれています。ホルモンバランスの改善に役に立ち、生理前のニキビや生理不順、PMS(月経前症候群)を治す効果があります。

 

●ピクノジェノール

ピクノジェノールとはフランスに自生している海岸松から抽出したエキスのことで、非常に高い抗酸化作用を持つ、OPC(プロアントシアニジン)と約40種類の有機酸を含むフラボノイドの集合体のことです。過少月経・過多月経などの月経トラブルや子宮内膜症、そのほか肌トラブルなど、女性特有の悩みを解決してくれる優れものです。

 

 

さいごに

 

ホルモンバランスを整えるためには、まず生活習慣の改善を図ることが先決です。それでも無理な場合、または忙しい方は「大豆イソフラボン」「ビタミンB6」「ビタミンE」「プラセンタ」「ピクノジェノール」などの栄養素を含んだサプリメントを活用しましょう。それでも改善されない場合には、何かしらの病気の可能性が出てきますので、恥ずかしがらず最寄の婦人科に受診してください。

 

過小月経や過多月経、生理不順などの、いわゆる「月経異常」は過度なダイエットと深く関係しています。過度なダイエットをしている方は、理想の体重減少率を守って健康的に行うよう切り替えてください。詳しくは以下のページをご覧ください。