昨今、ハチ毒素を使った民間療法でアレルギー反応をおこしたと思われる症例が多くあり、悪くするとショックに陥り死亡する場合もあります。人為的にハチ毒によるアナフィラキシーショックを起こす場合もありますのでご注意ください。

 

日本ではハチ毒によるアナフィラキシーショック(抗原抗体反応:後述参考)により毎年40〜50名が死亡しています。

 

ハチに刺されると数分でアナフィラキシーショックになり手当が遅れると死亡する場合があるので注意が必要です。とくにアレルギー体質(後述参考)の人は注意しなければなりません。

 

 

ハチ毒による症状は4つあります

 

①ハチにさされた局所に発赤と痒みがでます。たいていの人にでる症状です。

②刺された部位だけでなく全身に皮膚症状がでます。

③刺された直後から30分以内に激しい症状がでてショック状態になります。

④刺されてから局所に2日〜3日後から1週間して限局した痒い紅斑がでます。

 

 

治療

 

①はステロイド軟膏。

②はステロイド軟膏と抗ヒスタミン・抗アレルギー剤内服・ステロイド内服。

③は救急車などで可能な限り早く病院へいきショック対策をする。

 

 

アレルギー反応の基礎知識

 

抗原と抗体

人間にとってウイルス、細菌、花粉、ダニなど人体内に入ってくる外敵(よそもん)を「抗原」といいます。人間がこの抗原に対応するために作った抵抗勢力を「抗体」といいます。

抗原と抗体が反応して結合(免疫複合体)すると抗原(よそもん)は変化して、人間への悪影響を無くすことができます。このような体の防衛システムの働きを「免疫システム」といいます。

 

アレルギーとは

もちろんこれらの免疫システムは人間にとって必要で有益な防衛能力ですが、アレルギー反応はこの反応が過剰に起こってしまって、返って人間の体に悪影響を起こしてしまうというものです。

例えば、アトピー性皮膚炎、喘息、カブレ、薬物アレルギーショックなどですね。アレルギーの語源はギリシャ語の「変化した反応能力」「普通とは異なる過敏な反応」という言葉に由来しているのですよ。

このような体質を「アレルギー体質」といいます。

 

 

アレルギー反応には4つのタイプが

 

さて、アレルギーは反応の仕方によって通常4つのタイプに分けられていますが、ハチ毒素によるばあいは1型(アナフィラキシー型)と4型(細胞免疫反応)が関係します。

 

1型アレルギー

1型(アナフィラキシー型):別名、「即時型」ともいわれ、一般的に頻度の高いものですが、アレルギー原因物質と出会うと、数分から数十分の短時間で蕁麻疹、喘息などの症状が急速におこり、全身で反応が強くおこるとショック状態になって死亡することもある恐いタイプです。

 

ソバアレルギーや「ハチアレルギーで死亡」したという事件が時々報道されることで有名なアレルギータイプですね。

 

この免疫反応の主役になるのはIgEという抗体です。喘息やアトピー性皮膚炎に深く関係しているので日常診療でもよく検査されています。ちなみにアトピー性皮膚炎患者さんの血液を調べてみますと、ダニIgE抗体が出る確立は70%以上という高い頻度です。

 

しかし、じゃあアトピーはダニが原因かといいますと、ダニだけではすべてアトピー性皮膚炎の説明がつかないのが難しいところです。子どものアトピー性皮膚炎の卵(卵白)IgE抗体も高率に陽性に出ますが、卵を制限してもそう関単に症状は良くなりません。

 

4型アレルギー

4型(細胞免疫反応):アレルギー物質と出会うと反応が起こるまで1,2日かかるので、「遅延型アレルギー」ともいわれます。ウルシ、ギンナン、ネックレスの金属アレルギーなどの、カブレ(接触皮膚炎)が代表的な疾患で、�T型と同様に日常頻度の高い疾患です。

 

ハチ毒素による4型反応の場合は刺された局所に2日〜3日後から1週間して限局した痒い紅斑がでます。