癖には、「自分を認識するため」「ストレスを解消するため」という、ふたつの理由があります。例えば、両手を重ね合わせると、「触る」感 覚と「触られる」感覚が同時に感じられます。

 

一方、他人を触った場合は、「触る」感覚だけ。他人は自分ではないので、「触られる」感覚はありません。これは、私たち大人が、どこまでが「自分」でどこからが「他者(もの)」なのかを理解している証拠です。赤ちゃんは、まだ自分のことがわからないの で、癖といわれる行動を繰り返すことによって、自分自身を探索しているのです。

 

もうひとつの理由は、赤ちゃんの自己防衛。生まれた瞬間からたくさんの刺激の中に身を置くことになるので、この世界に慣れていない赤ちゃんにとっては、疲れてしまうこともあるでしょう。そこで癖に夢中になって外界をシャットアウトし、気持ちを落ち着かせているのです。

 

いずれにしても、目的が達成されれば自然に消えるくせが多いので、大人が無理に直そうと思う必要はありません。その時期特有のかわいいしぐさととらえて、とことん楽しんでしまいましょう。

 

 

指しゃぶり(2カ月ごろ〜1才過ぎごろ)

 

いつも目の前にある物体(手)を「何だろう?」と思い、確認のためにしゃぶってみるところからスタート。すると「なめる」、「なめられる」、という感覚が わかるようになり、徐々に「自分の体の一部なんだ」と認識していきます。

 

また、指しゃぶりに集中することで外からの刺激をシャットアウトし、ぐっすり眠り につけるという目的もあります。このように、赤ちゃん期の指しゃぶりは成長のために必要なことで、多くの場合、1才ごろには終わります。

 

 

髪を引っ張る・抜く(2カ月ごろ〜1才過ぎごろ)

 

赤 ちゃんは頭に汗をかきやすいため、あせもができてかゆいなど、頭皮が気になってかきむしっているのかもしれません。

 

頭皮が赤くなっているなどの症状が見られる場合は小児科か皮膚科の受診が必要ですが、無意識に手を動かしているうちにたまたま髪を握ってしまい、細くてやわらかい髪の毛の感触や、髪の毛を引っ 張られる不思議な感覚に興味を持ったとも考えられます。

 

痛いときには、赤ちゃんも自分からやめるでしょうし、そんなに長期間続く癖ではないので、あまり 神経質に考えなくてもいいでしょう。多少髪の毛が抜けたとしても、それで将来ハゲたりすることはないので心配しなくて大丈夫です。

 

 

ものをなめる(3カ月ごろ〜1才過ぎごろ)

 

これは、癖というよりも、本能でしょう。赤ちゃん は経験がないため、何かを見ただけではそれがどういうものかがわかりません。そこで、敏感な口に入れて 「ざらざら」「つるつる」「かたい」「やわらかい」などの質感を確認します。

 

それを繰り返すうちに、見ただけでものの質感がわかるようになるのです。赤 ちゃんにとって大切な経験なので、ママは誤飲に気をつけて、見守ってあげましょう。

 

 

体を反らす(6カ月ごろ〜1才過ぎごろ)

 

自分の意思で体を反らすようになるのは、6カ月ごろから。抱っこされているときに体を反らすのは、遊んでいることがほとんどです。大人のビックリした反応が 楽しくてやっていることも多いので、落とさないように気をつけながらつきあってあげて。

 

一方、何か気に入らないことがあったときにも、体を反らして抵抗す ることがあります。赤ちゃんが何を要求しているのか、探ってみましょう。

 

 

頭を振る・ぶつける(6カ月ごろ〜2才過ぎごろ)

 

お座りができるようになるころから 見られる癖です。大人には理解しにくいですが、クラクラめまいがしたり、視界が変わったり、頭に何かがぶつかる感触がしたり…いつもと違う感覚がおもし ろくて繰り返すのかもしれません。

 

いずれにしてもこの癖は、やっている本人にとってもラクではないはず。その都度大人が、赤ちゃんの体を抱え込むなどの 対応をしているうちに、たいていはすぐに消えます。

 

 

かみつく(1才ごろ〜2才過ぎごろ)

 

これは、癖ではないような気もしますが、時々ママたちか ら相談を受けることがあります。低月齢の赤ちゃんがかむときは、歯が生える時期で、口の中がかゆくてかむのだとよく言われていますが、1才ごろの赤ちゃん がかむ場合は、興奮したり、言葉で伝えられない感情をかむことで表現することもあります。

 

ママはその都度赤ちゃんの目を真剣に見つめ、「痛いからやめて ね」と伝えましょう。感情のコントロールができるようになるころにはママの気持ちも伝わり、自然と消えていきます。

 

 

まとめ

 

このように、赤ちゃんは何かを表現するために、癖という形で手足や五感を使って行動に移しているのです。癖は十人十色あると言っても過言ではなく、時としてママを困らすこともあるでしょう。

 

しかしながら、赤ちゃんの癖は成長の過程で非常に大切なものです。それゆえ、赤ちゃんの癖を見守り、癖の延長線上で何か危ない行動に出た場合はしっかり怒ってあげ、大事に大事に育てていきましょう。