親にとって子どもは何より大切な存在です。子どもがより良く成長するために、親による精神的な援助は必ず必要としますが、では、どのような発育過程を踏んで、子どもの精神が向上していくのでしょうか。

 

ここでは、子どもの心が成長していく中で、重要となる要因についてお話したいと思います。あなたの子をより良い大人へ成長させるために、必ず最後まで読んでおいてください。

 

 

子どもとは何か

 

自分の子どもが順調に成長・発育することを願わない親はいません。けれども、この期待に反し、子ども達は知能面や行動面などで、様々な問題をはらんでいます。

 

例えば、出産直後はダウン症や先天異常などの心配がありますし、1歳を過ぎれば、発語(意味のある)が無い、妙な癖がある、しつけがうまくいかない・・・など、同年齢の子どもに較べての発育の不安があります。

 

さらに成長してからは、子どもらしい遊びをしない、他の子に関心を示さない、一人で勝手な行動をする・・・など、社会適応への不安があり、このような親の心配の種は尽きません。

 

子どもは世界の宝です。大人が責任を持って発育中の子ども達の心身を保護し、子ども優先の社会を形成することは、私たちの重要な役割です。(この考え方は、世界秩序の倫理として1990年にユニセフが提言しています。)

 

 

発育と発達

 

発育とは、1個の受精卵が子宮内で胎芽・胎児となるまでと、出生後に新生児・乳児・学童さらに青年となり成人するまでの道のりのことをいいます。

 

すべての子ども達は、遺伝子の定めるプログラムに従い、秩序正しく環境の影響を受けて育っていきます。成長・発達の結果として、時間とともに成熟へ向かっていくのです。

 

(1)身体発育を支える要因

発育は連続的に、秩序正しく進んでいきます。しかし、その間には決定的な時期 ( 臨界期 ) があり、この時に正常な発育が妨げられると、欠陥や機能障害を残すことがあります。

 

また、発育にはいくつかの基本的な方向があります。例えば、乳児の身体の粗大で不器用な運動は、しだいに細かく分化し、正確で目的に合った運動に変わっていきます。

 

発育は相互作用で行なわれ、環境の影響も大きく関係し、発育が進むほどに、個体特性、個人的特徴もはっきりしてきます。

 

発育に関係する要因には、民族、家族、性、遺伝子、染色体異常 (ダウン症など)、内分泌疾患 (成長ホルモン、甲状腺ホルモンの異常など) の遺伝因子や、経済状況、衛生状況、季節、そして適切な刺激、栄養や薬とともに、母と子のスキンシップといった情緒的な関係が重要な意味を持っています。

 

(2)身体発育と精神発達のバランス

 

発達は原則として、一定の順序で連続的に進みます。例えば、首がすわる→寝返る→お座り→つかまり立ち→ひとり立ち→歩くなど。しかし、全体がいつも一定の速度で発達するのではありません。

 

例えば、身長・体重の成長パターンと神経系やリンパ系や生殖器の発達パターンは、それぞれの速度が異なります。また、発達には基本的に次のような、いくつかのパターンがあります。

 

①頭部から尾側の方向へ

( 例:眼球運動→上肢の運動→下肢の運動の順序で発達)

 

②近位(躯幹の中心)から遠位(末梢)方向へ

( 例:上腕の運動の方が指先の運動よりも早く発達)

 

③粗大から微細へ

( 例:4〜5ヵ月頃、母指と他の指を対向させて指の腹でつまむ)

 

 

親と子の絆

 

子どもの成長段階において、家庭内の人間関係が子どもの心理に微妙に影響を与えることがわかっています。

 

例えば、両親の不和が子どもに神経症的影響を与えたり、親の愛情の欠如が子どもを非行や反社会的な行動に走らせたりします。また、逆に親の過保護は子どもに未熟な性格を植え付けてしまうことになります。

 

(1)母親と子ども

子どもと接することの多い母親の養育態度は、子どもの精神の発育に大きな影響を与えます。
放任、干渉、厳格、溺愛など、いずれの傾向も過度になると子どもの性格を歪ませたり、チック、かんもく、頭痛、夜尿、ぜんそくなどの病気の原因になることもあります。

 

(2)父親と子ども

父親の役割は、母親ほど表面立って見えないものですが、まさるとも劣らぬくらい、重要性を持っています。父親の日常生活の態度が知らず知らず、子どもの人格を形成する種となっています。

 

なかでも、父親としてのけじめのある発言や力強さは、家族が危機に直面した時、母親を支え、父と母の協力による問題解決が何事にも変えがたい印象を与え、子どもの性格に大きな影響をあたえます。

 

(3)しつけのコツ

心の健康な人は、自分自身のことには余裕を持ち、人に愛情、やさしさなどを与えることができます。人の話を聞き、人の立場に立って「時間を、場所を、愛を、物を」惜しみなく人に与えることができます。

 

子どもがこのような「与える人」になるためには、本人が母親に、あるいは家族によって、「真の愛を与えられていること」が必要になります。特に乳幼児期には、毎日、母のスキンシップなどで徹底した愛情を受けることが基本になります。

 

さらに、良いことをしたり、辛抱すると、母親による愛の報酬があることを体験させ、学習させる。そして、悪いことをした時、辛抱しなかった時、甘えすぎた時などに基本的な信頼関係をもった親が厳正なしつけを適切に行わなければなりません。

 

大切なのは、これらの「善悪の区別を明確に理解させるようなしつけ」を矛盾なく規則的に行うことです。親のきまぐれや、子どもに対する意地で、不適切なしつけが行われると、のちの子どもに神経症、人格障害などの発生をも引き起こしかねません。

 

 

あとがき

 

「3つ児の魂、100まで」ということわざがあるように、生まれてから3歳くらいまでが、人間の人格形成の上で最も重要な時期だといえます。

 

そして、この重要な時期に、幼くして両親から引き離されたり、親から間違った養育を受けたりといった異常な体験をすると、子どもは、時として行動異常や情緒異常などの障害を起こし、将来的にも歪んだ性格を形成するなどの結果がみられます。

 

そのような不幸は絶対にあってはならないことです。子どもの心身の成長には家庭的な雰囲気のなかで、両親の親密な愛情を継続して受けていることが大切なのです。

 

よって、両親は、子どもの愛情を注ぎながらも、過保護になりすぎず、適切な養育とふれあいをおこない、子どもが健全に成長するよう努めなければなりません。子どもは人類の宝ですから。