長期作用型(24時間以上)のベンゾジアゼピン系抗不安薬の効果や副作用など、種類ごとに解説していきます。即効性を重視するのではなく、長く効果が続く抗不安薬をお望みの方は参考になさってください。

 

 

フルジアゼパム(エリスパン)

 

他のベンゾジアゼピン系と同様に情動発現中枢に対する調節を行い抗不安作用を呈すると考えられています。また、自律神経系の安定化する作用を持っています。鎮静・催眠作用は弱い方です。0.25mgの白い錠剤です。

 

【作用・適応・用量】

1.抗不安作用、鎮静・催眠作用があります。

2.心身症(消化器疾患、高血圧など)、自律神経失調症による不安、緊張、焦燥、抑うつ、疲れやすいさと睡眠障害に対して適応。

3. 1日0.75mgを3回に分けて服用します。

 

【動態】

1. Tmax:1時間 T1/2:23時間

2. 母乳中へ移行が見られます。

3. 急性毒性:マウス経口910

 

【副作用】

1. 大量連用で薬物依存、急な服用の中止で禁断症状が出ることがあります。

2. 眠気、ふらつき、めまい、頭痛などが出ることがあります。

3. 飲酒などで作用が増強します。

4. 他のベンゾジアゼピン系と同じです。

 

 

メキサゾラム(メレックス)

 

ジアゼパムより強い抗けいれん作用を持ちます。鎮静作用はジアゼパムより強力です。運動機能系に及ぼす影響が少ないです。作用が発現するまで時間がかかります。

 

【作用・適応・容量】

1. 扁桃核や視床下部を含めた大脳辺縁系に作用し、鎮静作用を示します。

2. 神経症における不安・緊張・抑うつ・易疲労性・強迫・恐怖及び睡眠障害。心身症(高血圧、胃潰瘍、、心臓神経症など)での不安・緊張・抑うつ及び睡眠障害。自律神経失調症における不安・緊張・抑うつ・易疲労性及び睡眠障害。

3. 1日1.5~3mgを3回に分けて服用します。

 

【動態】

1. Tmax:1~2時間 T1/2:60~150時間

2. 発現:1~2週間後

3. ほとんどが糞中に排泄され、7~11%が72時間で尿中へ排泄されます。

4. 母乳中へ服用後2時間がピークで、6時間後まで血中の半分が移行します。10時間以降は検出されませんでした。

5. 急性毒性:マウス経口4687

 

【副作用】

1. 大量連用で薬物依存、急な服用の中止で禁断症状が出ることがあります。

2. 眠気、ふらつき、めまい、頭痛、物忘れなどが出ることがあります。

3. 立ちくらみや低血圧がみられます。

4. 発疹などの過敏症がみられることがあります。

5. 飲酒などで作用が増強します。

6. 他のベンゾジアゼピン系と同じです。

 

 

ジアゼパム(ホリゾン、セルシン)

 

本剤は大脳に特異的に作用するので、正常な意識・行動に影響を及ぼすことなく選択的に不安、その他の情動異常を除去し、鎮静、緊張除去作用を現します。また、筋肉の異常緊張を緩和し、筋けいれんも抑制します。自律神経を支配する間脳に働くので、いろいろな臓器の異常状態を安定化します。最も標準的なベンゾジアゼピン系抗不安薬。ちょっと苦い。

 

【作用・適応・用量】

1. 大脳辺縁系(感情の中枢、本能に近い部分)に作用し、不安・緊張の情動異常を改善する。また、子宮筋に作用し、異常緊張を取り去ります。

2. 神経症での不安・緊張・抑うつ。

3. うつ病での不安・緊張。

4. 様々な自律神経症状での不安・緊張。

5. 1回2~5mgを1日2~4回。1日15mg以下になるように。

 

【動態】

1. Tmax:1時間 T1/2:27~28時間

2. 発現:15~45分 持続:よくわかりません

3. 尿中へ62~73%排泄されます。

4. 急性毒性:マウス経口720

 

【副作用】

1. 眠気、注意力の低下が来ることがあるので運転は駄目。

2. 大量投与、連用後の急激な中止で禁断症状。

3. 呼吸器疾患がある場合、呼吸抑制がかかることもある。

4. 過量投与で、持続性の錯乱、眠気、不明瞭な発音、異常な脱力感など見られる。

5. フェノチアジン系、、バルビツール酸系や飲酒によって作用が増強することがある。

 

 

クロキサゾラム(セパゾン、エナデール)

 

静穏作用が強く、自発性の行動を抑えるのは弱い薬剤です。

 

【作用・適応・容量】

1. 扁桃核、視床下部、中心灰白質系に作用することによって静穏作用を発揮します。

2. 神経症での不安・緊張・抑うつ・強迫・恐怖・睡眠障害・心身症での身体症候、不安・緊張・抑うつに対して。

3. 1日3?12mgを3回に分けて服用します。

 

【動態】

1. Tmax:2~4時間 T1/2:11~21時間

2. 発現:1~2週間の連続投与で効果発現

3. 多くは糞中に排泄されます。一部が尿中へ排泄されます。

4. 母乳には移行しないのではないかといわれています。

5. 急性毒性:マウス経口3300 ラット経口2240

 

【副作用】

1. 大量投与によって薬物依存、連用中止で禁断症状が出ることがあります。

2. 眠気、ふらつき、頭痛、見当識障害、不眠などが見られることがあります。

3. 悪心、嘔吐、口渇、食欲不振が見られることがあります。

4. フェノチアジン系、、バルビツール酸系や飲酒によって作用が増強することがある。

 

 

クロルジアゼポキシド(コントール、バランス)

 

最初のベンゾジアゼピン系抗不安薬です。少量では血圧の低下はきたしませんが大量では血圧の低下をきたします。食欲亢進も見られます。ちょっとクリーム色っぽい糖衣錠の錠剤。5mgと10mgがある。粉薬は苦い。

 

【作用・適応・用量】

1. 大脳辺縁系特に扁桃核・海馬に抑制作用を示して、不安・緊張のを改善します。脳幹への直接作用は少ないため意識水準には直接影響はしません。

2. 神経症における不安・緊張・抑うつに有効。

3. うつ病における不安・緊張に有効。

4. 高血圧、動脈硬化、胃潰瘍、月経前、分娩前などの不安・緊張・抑うつに有効。

5. 1日20~60mgを2?3回に分けて服用する。

 

【動態】

1. Tmax:1時間 T1/2:6~28時間

2. 母乳中へ移行する。

3. 急性毒性:マウス経口720。一回に2500mg(250錠)を服用した女の人は1日で軽快した。

 

【副作用】

1. 大量投与で薬物依存、急な服用中止でけいれん、せん妄、不眠、振戦など。

2. 眠気、ふらつき、めまい、多幸症などが出る。

3. フェノチアジン系、バルビツール酸系、飲酒によって作用の増強が見られます。

4. 塩酸マプロチリンによって作用が増強されます。

5. 他のベンゾジアゼピン系と同じです。

 

 

メダゼパム(ナーシス、ノブリウム、レスミット)

 

睡眠作用は同じような薬に比べて同じくらいか弱い方です。体内で代謝されることによって、ジアゼパムやデスメチルジアゼパムと変化します。

 

【作用・適応・容量】

1. 抑制性のニューロンのシナプス後膜に存在する受容体に高い確率で結合し、作用を出現します。

2. 神経症、心身症に対して不安、緊張、抑うつに対して使用します。

3. 1日一回10~30mgを服用します。

 

【動態】

1. Tmax:1~3時間 T1/2:2~5時間

2. 発現:1.2~7日間以内に効果が見られます。

3. 尿中に49から75%排泄されます。

4. 母乳への移行が認められます。

5. 急性毒性:マウス経口1020 ラット経口980

 

【副作用】

1. 粉薬の場合他の粉薬(アスピリン、ビタミンC、砂糖の多く入ったもの)と混在すると変色しやすいです。

2. フェノチアジン系、バルビツール酸系、飲酒によって作用の増強が見られます。

3. 大量服用で薬物依存、連用の急な中断で禁断症状が出現することがあります。

4. 眠気、ふらつき、めまい、しびれ、高揚感、浅眠多夢などが見れることがあります。

5. 食欲不振、嘔吐、便秘、口渇などが見られることがあります。

 

 

オキサゾラム(セレナール)

 

おとなしくする作用が強く、催眠・筋弛緩・歩行失調などの行動を抑制する作用は弱い。丸い白い糖衣錠剤。5mg、10mg、20mgがあり、カプセルは10mg。

 

【作用・適応・用量】

1. 大脳辺縁系に特異的に作用(他のとこにはあんまり作用しない)する事で静穏作用が得られます。つまり意識水準を保つようなとこにはほとんど影響がないとされています。

2. 神経症、心身症における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害に有効。

3. 1日30~60mgを3回に分けて服用する。

 

【動態】

1. Tmax:7~9時間 T1/2:50~62時間

2. 80%が尿中に排泄される。

3. 母乳への移行が認められます。

4. 急性毒性:マウス経口5200

 

【副作用】

1. 薬物依存を形成することがあるので慎重に服用する。

2. 眠気、ふらつき、めまい、頭痛、舌のもつれなど。

3. 運転に注意する。

4. 他のベンゾジアゼピン系と同じ。

 

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