ベンゾジアゼピン系以外の薬物でもその薬理作用から、催眠、鎮静、抗不安の作用を狙って使われるものがあります。何らかの理由(ベンゾジアゼピン系に対して過敏症がでるなど)で、ベンゾジアゼピン系の薬物が使えないときに使います。

 

 

ヒドロキシジン(アタラックス、アタラックスP、アラモン、ピゾン)

 

抗ヒスタミン薬の一種です。本来はかゆみ止めなどの目的で使用されますが、催眠鎮静効果が高いことからこちらの目的で使われることもあります。普通の薬局でも買うことができます。ただ、ベンゾジアゼピン系より上回ることはありません。

 

【作用・適応・容量】

1.視床、視床下部、大脳辺縁系に作用し、中枢抑制作用を示します。

2.おとなしくする作用はクロルジアゼポキシドとほぼ同等です。

3.また、酔い止め、湿疹、かゆみに対しても有効です。

4.神経症における不安・緊張・焦りに対して使用します。

5.1日75?150mgを3?4回に分けて服用します。

 

【動態】

1.発現:30分 持続:8?12時間

2.3日間で尿中に10%、糞中に85?90%排泄されます。

3.催奇形性があるので妊婦は服用を控えます。また、母乳中へも移行します。

 

【副作用】

1.フェノチアジン系、バルビツール酸系、MAO阻害薬、飲酒などで作用が増強されます。

2.めまい、低血圧、眠気などを起こすことがあります。

3.車の運動には注意ます。

4.腹痛、下痢、便秘、口渇などがでることがあります。

 

 

メプロバメート(アトラキシン)

 

ベンゾジアゼピン系抗不安薬より依存性が強く、急性中毒時の致命率が高いと言われています。

 

【作用・適応・容量】

1.視床にあるニューロンに対して作用し、情動に対する安定効果を持っていて、神経症などにおける不安感を取り除きます。また、筋肉の緊張をほぐすことで二次的に緊張感や不安感を取り除きます。

2.神経症の不安・緊張・焦りに対して使用します。

3.不眠症の対して使用します。

4.月経困難症・更年期障害での不安・緊張に対して使用します。

5.通常一回200mgを1日3回服用します。

6.頓服としては一回200?400mgを就寝30分前に服用します。

 

【動態】

Tmax:約2時間 T1/2:約8時間母乳中へは濃縮されて移行します。

 

【副作用】

1.フェノチアジン系、バルビツール酸系、MAO阻害薬、飲酒などで作用が増強されます。

2.連用で薬物依存、服用の急な中断で禁断症状が出現します。

3.発疹などの過敏症がでることがあります。

4.眠気、倦怠感、脱力感、ふらつき、めまいなどがでることがあります。

5.悪心、嘔吐、口渇、下痢、食欲不振などがでることがあります。

6.脈がはやくなったり、低血圧、失神などが出ることがあります。

 

 

タンドスピロン(セディール)

 

セロトニンに比較的選択的に作用する抗不安薬です。比較的新しい薬です。

 

【作用・適応・用量】

1.脳内セロトニン受容体のサブタイプ5HT1A受容体に選択的に作用することにより、抗不安作用を発揮します。

2.心身症での身体症状、抑うつ、不安、焦燥、睡眠障害に対して使用します。

3.神経症での抑うつ、恐怖に対して使用します。

4.1日30mgを3回に分けて服用します。

5.1日最大量は60mgです。

 

【動態】

Tmax:0.8時間 T1/2:1.2時間

 

【副作用】

1.神経症で病気の期間が長い(3年以上)の場合や他のベンゾジアゼピン系で効果が不十分な患者の場合効果が上がりにくいです。

2.1日60mgで効果がみられないときは中止します。

3.ベンゾジアゼピン系とは交差依存性がないため、ベンゾジアゼピン系から直ちに切り替えることができるが、

4.ベンゾジアゼピン系の退薬症状が引き起こされやすいので、ベンゾジアゼピン系は徐々に減らしていきます。

5.ブチロフェノロン系の薬物と併用すると錐体外路症状が増強します。

6.眠気、ふらつき、めまいなどを起こすことがあります。

7.悪心、嘔吐、胃のもたれ、口渇などを感じることがあります。

8.発疹や、かゆみなどの過敏症がでたときは中止します。

 

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