花粉症に悩む人は年々増加し、まさに花粉症ビジネス花盛りといった状況です。くしゃみが止まらず、鼻水がたれ、目やのどにたまらないかゆみが襲うのですから、その辛さは、並大抵ではありません。

 

花粉症の人が、わらをもすがる思いで、さまざまな薬品やグッズに飛びつくのは当然のことと言えますが、ここでひとつの重要なテーマを投げかけます。「なぜ花粉症で鼻水が出るのか?」です。花粉症のメカニズムとして一般的に語られるのは以下のとおりです。

 

 

くしゃみと鼻水で花粉を追い出そうとする

 

私たちの身体は、異物が侵入すると、それを受け入れるかどうかを考えます。私たちの身体には、食物を含め、さまざまなものが侵入しますが、身体に無害・有益なものの多くは、「入ってもよい」と判断します。ところが、無害なものでも免疫細胞が「絶対阻止」と決断してしまうのがアレルギーの始まりです。

 

花粉症の場合には、まず花粉が粘膜と接触した段階で、これを敵とみなし、免疫細胞が抗体を作成します。この抗体を「IgE抗体」と呼びます。このときはそれですむのですがふたたび同様の花粉が入ってくると、IgE抗体が肥満細胞と呼ばれる細胞に付着します。

 

すると、肥満細胞は、ヒスタミンなどの化学物質を分泌し、くしゃみや鼻水などを引き起こし、鼻水で花粉を洗い流し、くしゃみで体外に排泄しようとし、できる限り体外に花粉を放り出そうとするわけです。

 

 

鼻水は粘膜を保護するために分泌される

 

このように説明をすると、鼻水は、花粉と一緒に出て行く運命にあるように思えますが、実際には、そうではありません。鼻水は鼻粘膜を保護するという役割を持っているのです。

 

花粉症で鼻が詰まったり、鼻水がたれてきたりすれば、カゼのときと同様に鼻をかみます。すると、鼻粘膜は、何にも覆われない状態になりますから、ふたたび花粉と接触し、アレルギー症状が発生します。するとまたくしゃみが出て、鼻水が流れ、また鼻をかみます。

 

これを続けているとアレルギー反応はのどや目など鼻とつながっている部分に広がって行き、いたるところにかゆみが出て、すっかりまいってしまうわけです。この鼻水は、諸悪の根源と認識されているわけですが、鼻水は、実は、花粉に対するアレルギーから粘膜を守るために、発せられるものなのです。

 

これはカゼのときの発熱と同様なことです。カゼで発熱するのは、原因ウイルスの増殖を抑えるためです。ウイルスの多くは、38℃以上になると増殖ができなくなり、活動力が低下します。そこで体温を上げてから免疫細胞の攻撃によってウイルスを撲滅しようとするわけです。

 

鼻粘膜を保護するために分泌される鼻水を一所懸命にかんで、アレルギー反応を継続させようとするのは非常に愚かな行為と言えます。

 

 

鼻をかまないことが最良の対処法

 

そこで提案をしたいのが、鼻をかまないということです。花粉症の最大の予防法は鼻をかまないということなのです。「そんな不快なことができるか?」という反発の声が聞こえてきそうですが、それには若干の工夫が必要です。

 

まず、鼻水がたれてきたなら、これは柔らかく吸水性のある繊維やティッシュでぬぐう必要があります。しばらくは鼻はグシュグシュとした不快感があります。そしてくしゃみも出るでしょう。

 

ここでくしゃみにも工夫が必要です。空気を鼻から通せば大量の鼻水が飛び出すのでこれを避けるために吐き出される空気は口から抜くようにします。つまり中途半端なくしゃみに留めるのです。こうしてとにかく鼻から鼻水がなくなってしまわないようにします。こうしていると、やがて鼻の粘膜は鼻水、つまり鼻粘膜の分泌物で覆われ、保護されます。

 

この状態になれば、しばらく花粉症の辛い症状とは無縁でいられます。「しばらく」の長さは、花粉の飛来量にも左右され、個人差もあるので一概には言えませんが、通常、一日もちます。花粉の飛来量が多い場合でも、鼻の違和感やくしゃみは1日に3、4回ですみます。

 

 

神経質はアレルギーを悪化させる

 

花粉グッズを追い求め副作用の強い治療薬を飲むことを考えれば、一時的な不快感は我慢する価値があると言えるでしょう。しかも、この工夫だけでマスクやゴーグルとも無縁でいられるのです。

 

風を室内に入れないようにと、さまざまなスプレーが販売され、換気もせずに家に閉じこもるというのは人生の浪費です。しかも、花粉を目の敵にして、神経過敏になるのも愚かなことです。アレルギーは、精神状態と深く関連しています。

 

花粉にぴりぴりしていれば、ストレスが溜まり、さらに花粉症はひどくなります。鼻をかまないという努力で、花粉を恐がらないですめばそれだけアレルギー症状自体が軽減されるのです。

 

しかもこの療法は無料だという点にも価値があります。とにかく数日、この方法を試し、無理なようなら、今までどおりの対処をしてください、少なくても多くの人々がこの方法で快癒しているのですから。