すぐに気分が落ち込む、やる気がでない、イライラする、急に泣きたくなる、死にたいと感じるなどの症状が発現する場合、「鬱病」だと感じる方がいますが、実は鬱病っぽい症状がでる病気(障害)の一つに「適応障害」があり、実際、医療機関で鬱病と診断された方の中に、「適応障害」の可能性が高い、または再診断される方がたくさんいます。

 

適応障害は、精神的な症状の一つで、鬱病をはじめとする精神疾患に該当しない場合に診断される病名(厳密には病気とは言えない)です。必ず治るものですので、適応障害と診断されても深く受け止めず、ゆっくりと自分のペースで改善に取り組んでいきましょう。

 

 

適応障害とは

 

適応障害とは、簡単に言うと自分が置かれている状況に上手く適応できない状態のことを指します。勉強や仕事、家庭などにおいて、多大なストレスを感じることで、鬱病のような憂鬱(ゆううつ)な気分や不安感、過剰な心配、神経過敏などの症状が現れるため、鬱病と診断されがちですが、適応障害と鬱病は異なります(後述)。

 

適応障害は、鬱病とは異なるものの、鬱病と似た症状であることから、鬱病の前段階とも捉えることができます。そのため、鬱病の治療で用いられる抗うつ剤や抗不安剤によって精神状態の安定化を図りますが、鬱病のように薬のみでの治療効果はあまり望めず、ストレス対処のために、また状況に適応できるようになるために、考え方の変換や自信をつけるなど、「セルフコントロール」によって改善を図る必要があります。

 

 

鬱病と適応障害の違い

 

鬱病と適応障害の違いは、細かく分けるとたくさんありますが、その大元となるのが「行動力」です。鬱病にかかると、まず行動そのものに対して一切の気力が失われます。個人差はありますが、食事や睡眠、遊びなど、日常生活におけるあらゆる行動に対しての行動力がなくなり、常に鬱々とした気分が続きます。

 

一方、適応障害の場合には、鬱々とした気分があるものの、それは短期的であり、食事や睡眠などにおいては行動力が低下するものの、自身が楽しいと感じる「遊び」に対しては意欲的になれる傾向にあります。また、症状の「程度」や症状発現の「期間」にも違いがあります。

 

鬱病
  • Ÿ食事、睡眠、勉強、仕事、遊びなど、あらゆる行動に対するやる気が起きない。
  • Ÿ強い症状が”2週間以上”、絶え間なく続く。
適応障害
  • Ÿ食事、睡眠、勉強、仕事などに対してはやる気が起きないものの、遊びに対しては行動的になれる(ときもある)。
  • Ÿ軽度~中等度の症状が不定期に起こる(毎日ではない)

 

鬱病と適応障害の違いは他にも多々あり、診断やチェックシートが考案されていますが、いずれも未だ確実性はありません。そもそも精神疾患全般は、診断が非常に難しく、内科・外科的疾患と比べてはるかに誤診が多いものです。以下に鬱病と適応障害の診断基準を記します。

 

<鬱病の診断>

以下の症状のうち、少なくとも1つある。

  • 抑うつ気分
  • 興味または喜びの喪失

 

さらに、以下の症状を併せて、合計で5つ以上が認められる。

 

  • 食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
  • 不眠あるいは睡眠過多
  • 精神運動性の焦燥または制止(沈滞)
  • 易疲労感または気力の減退
  • 無価値感または過剰(不適切)な罪責感
  • 思考力や集中力の減退または決断困難
  • 死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図

 

<適応障害の診断>

  • はっきりと確認できるストレス因子に反応して、3ヶ月以内に症状が出現する。
  • 以下のどちらかで示されるほど重症である。
  1. そのストレス因子からの予測をはるかに超えた苦痛
  2. 社会的または職業的(学業上の)機能の著しい障害
  • 他の精神障害の基準を満たしていない。
  • 症状は死別反応を示すものではない。
  • そのストレス因子が終結すると、症状は6ヶ月以上持続しない。

 

医療現場において、鬱病と適応障害を診断する時には、まず鬱病の診断を行い、鬱病の可能性が低く、その他の精神疾患に該当しない場合に適応障害と診断します。適応障害の3にある「他の精神障害の基準を満たしていない」という項目に注目すると、その診断の根拠がわかるはずです。

 

 

鬱病の自己評価

 

鬱病の診断においては、さまざまなチェックシートが考案されていますが、多くの医療現場で、アメリカの医学者アーロン・ベックの「Beck Depression Inventory」が使用されています。まずはご自身で鬱病かどうか診断してみましょう。

 

※ここ2、3日の気分に最もよく当てはまる項目を選んでください。選ぶ前には、各問のすべての文章をよく読み、当てはまる項目の「得点」を合計していってください。

 

<Beck Depression Inventory(鬱病自己評価表)>

第1問0点悲しい感じはしない
1点悲しい感じがする
2点いつも悲しく感じて、追い払えない
3点耐えられないほど悲しくて、不幸である
第2問0点将来をとくに悲観するようなことはない
1点将来を悲観してしまう
2点将来に何の期待もないように感じる
3点将来は絶望的で、良くなることはないと感じる
第3問0点自分が失敗者だとは思わない
1点私は他の人よりも失敗してきたと思う
2点これまで失敗の連続だったと思う
3点私は人間としてまったくの失敗者だと思う
第4問0点これまでと同じように満足感を感じる
1点以前のようにものごとを楽しむことができない
2点本当に満足できるようなことはなくなった
3点何もかも不満足で、うんざりする
第5問0点とくに罪悪感を感じるようなことはない
1点罪悪感を感じることが多い
2点ほとんどの時間、罪悪感に悩まされる
3点いつも罪悪感を抱いている
第6問0点自分がなにかの罰を受けているとは思わない
1点自分は罰を受けるかもしれないと思う
2点自分は罰を受けるにちがいないと思う
3点自分は、今、罰を受けていると思う
第7問0点自分に失望してはいない
1点自分に失望している
2点自分にうんざりする
3点自分を憎んでいる
第8問0点自分が他の人より劣っているとは思わない
1点自分の弱さやあやまちに対し批判的である
2点自分の欠点をいつも責めている
3点何か悪いことが起こると,いつも自分のせいだと自らを責める
第9問0点自殺を考えるようなことはない
1点死にたいと思うことはあるが、実行することはないだろう
2点自殺したいと思う
3点もし機会があったら自殺するだろう
第10問0点いつもより泣きやすくなったとは思わない
1点以前とくらべ泣いてしまうことが多い
2点いつも泣いてばかりいる
3点以前は泣くことができたが、今はそうしたくてもできない
第11問0点これまで以上にイライラするようなことはない
1点以前とくらべイライラすることが少し増えた
2点かなりの時間、イライラした気分である
3点たえずイライラしている
第12問0点他の人に対する関心を失ってはいない
1点以前とくらべ他の人に関心を持たなくなった
2点他の人に対してほとんど関心がなくなった
3点他の人に対してまったく関心がわかない
第13問0点これまでと同じようにものごとを判断できる
1点以前とくらべ判断を先送りするようになった
2点なにかにつけて決めることがとても難しい
3点まったく何も決めることができない
第14問0点特に自分の魅力がおとろえたとは思わない
1点老けて見えるのでないか,魅力がないのではないかと心配である
2点もう自分の容姿は変わってしまい、魅力がなくなったように感じる
3点自分は醜いにちがいないと思う
第15問0点だいたいこれまでと同じように働ける
1点何かやり始めるのにかなり努力がいる
2点何をやるのにも相当な努力がいる
3点何できなくなってしまった
第16問0点いつもどおりよく眠れる
1点以前とくらべよく眠れない
2点いつもより1~2時間早く目が覚め,再び寝つくのが難しい
3点いつもより数時間も早く目が覚め,再び寝つくことができない
第17問0点いつもより疲れた感じはない
1点これまでより疲れやすくなった
2点何をやってもすぐ疲れる
3点疲れてしまって何もできない
第18問0点いつもどおり食欲はある
1点以前とくらべ食欲がない
2点食欲がかなり落ちている
3点まったく食欲がない
第19問0点最近、とくにやせたということはない
1点最近2kg以上やせた
2点最近4kg以上やせた
3点最近6kg以上やせた
第20問0点体の調子が特に気になることはない
1点痛み、胃の不快感、便秘などの体の調子が気になる
2点体の調子が気になって、他のことを考えるのが難しい
3点体の調子ばかり心配し,他のことはまったく考えられない
第21問0点性に対する関心はこれまでと変わりない
1点以前とくらべ性欲が低下した
2点性欲がほとんどない
3点性欲がまったくない

 

計21問の合計得点が「20点未満」の場合には鬱病ではないと考えられ、「20点以上」の場合には鬱病の可能性があります。ただし既に述べたように、鬱病の診断は未だ確実性に乏しく、また各問に対する答えが回答者の精神面に強く影響しているため、必ずしも得点と鬱病の可否・重症度は結びつきません。

 

1~10点 → 正常範囲の気分の揺れ11~16点 → 軽度の気分の動揺17~20点 → うつとの境界域21~30点 → 中度のうつ状態

31~40点 → 重度のうつ状態

41点以上  → 極度のうつ状態

 

医療現場では、このようなチェックシートを用いて鬱病の診断を行い、鬱病でもなく他の病気ではないと感じた場合に、適応障害と診断します。

 

 

適応障害の症状

 

適応障害の症状は、鬱病と非常によく似ていて、主に鬱病にみられる「鬱々した状態」が強く発現することがあります。これには、たとえば自分に対する罪責感(自分を責めたくなる気持ち)、過去や他人との比較による自己嫌悪、人生に対する不安感や絶望感などが影響しています。また、身体にもさまざまな症状が発現します。

 

気分・思考の状態身体的症状
  • Ÿ強いうつ気分
  • 興味や喜びの喪失
  • イライラ感
  • 気力の減退
  • 強い罪責感
  • 思考力や集中力の低下
  • 疲れやすさ
  • 食欲の障害
  • 睡眠の障害
  • 精神運動の障害(制止または焦燥)
  • 死への思い
  • 倦怠感
  • Ÿ頭痛や腰痛
  • Ÿ肩こり
  • Ÿ体の節々の痛み
  • Ÿ胃の痛み
  • Ÿ食欲不振
  • Ÿ下痢や便秘などの胃腸症状
  • Ÿ発汗
  • Ÿ息苦しさ

※鬱病の症状と混同

 

既述のように、鬱病はあらゆる行動に対する意欲が減退し、さまざまな精神・身体症状が2週間以上絶え間なく続くのに対して、適応障害は遊びなどの”楽しみ”に対しては意欲がでることが多く、鬱病と似た症状(軽度~中等度)が不定期(毎日ではない)に起こります。

 

 

適応障害の原因

 

適応障害の原因の最も大きなものが「ストレス」です。人は、自分を取り巻く環境、たとえば勉強や仕事、人間関係(家庭を含む)など、さまざまなところで大なり小なりストレスを受けています。

 

継続的でも多少のストレスであれば対処することができますが、大きなストレスを受け、なにかのはずみで精神状態のバランスが崩れることで、適応障害を発症します。これは鬱などの他の精神疾患の原因と基本的には同様です。

 

適応障害と言うと、「社会に適応する能力がない」と思われる方もいるでしょうが、そうではなく、ストレスや自己に対する適応力が低下した状態です。適応力の低下のキッカケとなるのが大きなストレスというわけです。

 

適応障害の発症のキッカケとなるストレスは、単発の大きなストレスではなく、継続的な大きなストレスであるのが特徴で、たとえば①家庭環境が悪い、②人間関係が悪い(孤立している)、③勉強や仕事に対して常に苦痛を感じている、などが影響しています。また、④悲観的な性格(ストレスに対して過敏)、なども大きな要因となっています。

 

①家庭環境が悪い

家庭というのは、“最も癒されるべき場所”です。その場所に居心地が存在しないと日常的に大きなストレスが降りかかります。虐待やネグレクトなどによる機能不全家族はもちろん、両親や兄弟との確執によって居心地が悪い場合も発症の原因になります。

 

②人間関係が悪い(孤立している)

家族や兄弟、友人など、周囲の人たちとの人間関係が悪く、孤立している場合にも常に大きなストレスを受けます。また同時に、孤立によって悩みや不安、自身のさまざまな感情を解消できないために、ストレスの発散ができず、どんどん蓄積していきます。その結果、適応障害の発症に至ってしまいます。

 

③勉強や仕事に対して常に苦痛を感じている

家庭環境や周囲との人間関係が良くても、勉強や仕事に対して感じ、常に大きなストレスをかかえている場合にも適応障害を発症します。受験や成果に対するプレッシャーは、想像以上に心身に大きな悪影響を与え、精神の破綻をきたします。

 

④悲観的な性格(ストレスに対して過敏)

これら①②③などによって、ストレスに対して過敏な反応を示すようになります。性格というのは、成長の過程で形成されていくもので、過去・現在に関わらず、①②③のような状況が続き、大きなストレスを継続的に受けていると、ストレスに対して敏感になり、悲観的な性格になることがあります。

 

 

適応障害の治療

 

適応障害を治すためには、精神的に不安定な状態を安定化させるために、鬱病などで使用される「抗うつ剤」や「抗不安剤」を継続的に服用します(程度次第)。また、睡眠障害の症状がでている場合には、睡眠促進剤などの薬を使用します。

 

ただし、抗うつ剤や抗不安剤は補佐的な役割であり、それ単体で改善できるわけではありません。適応障害の根本な原因となるのが、「環境」と「適応力の低下」であるため、治すためにはそれらを改善・向上させる必要があります。

 

薬物療法

SNRI(サインバルタ、トレドミンなど)やSSRI(パキシルなど)といった抗うつ剤、ロラゼパム(ワイパックス)などの抗不安薬によって、抑うつや不安感の緩和を図ります。これらは補佐的な役割のため、必ずしも必要としませんが、強い抑うつや不安感、睡眠障害など、生活に支障をきたしている場合に処方されます。

 

抗うつ剤、抗不安剤、睡眠導入剤によって、気分全般における症状が緩和されると、ストレス因子に対応する余裕が生まれますので、「自己適応力の向上」にも大きく作用します。なお、これらの薬物は副作用の少ない(効果の低い)ものがまず処方されますが、副作用がでることもありますので、その際にはかかりつけの医師に相談してください。

 

<主な副作用(軽度)>

抗うつ剤SNRISSRI食欲不振、吐き気、下痢、便秘、口の渇き、頭痛、眠気、ふらつき、発汗など
抗不安剤ロラゼパム眠気、ふらつき、めまい感、倦怠感、脱力感など

 

環境の調整

適応障害の治療においては、環境の調整が大きなウエイトを占めます。適応障害を発症した原因のほとんどが、家庭環境や人間関係、勉強・仕事であり、これらの環境の中で大きなストレスを受けますので、ストレスを受けない(または軽減する)環境作りに取り組まなければなりません。

 

これは容易なことではありませんが、たとえば家庭環境や人間関係が悪い場合には、一時的または半永久的に距離を置くことも一つの手段であり、それが難しい場合には、ストレス発散の術を見出す必要があります。勉強や仕事に対して苦痛を感じている場合においても、中断または辞めることができない場合には、余暇の時間を作るなどして定期的にストレス発散に努める必要があります。

 

自己適応力の向上

そういった環境の調整、ならびにストレスの発散が難しい状態にある場合には、自己適応力を向上させていかなければなりません。適応障害を発症すると、ストレスに対して通常よりも敏感になることが多く、今まで特に気に留めなかったことに対しても過剰な反応を示し、容易に大きなストレスを受けてしまうものです。

 

適応障害を発症している時には、抑うつ的な気分などによって、必然的に自己適応力が低下していますので、短期間で向上させていくことは容易ではありませんが、①ストレス(嫌なこと)を楽観的に捉える、②違う角度・視野を広げた考え方を取り入れる、③自信をつける、④リラクゼーション法を実践する、などをできる範囲で取り組んでいくことで、少しずつ自己適応力を向上させることができ、結果的に適応障害の改善を図ることができます。

 

①ストレス(嫌なこと)を楽観的に捉える

大きなストレスを受けると、誰しもが抑うつ状態に陥るものです。また、適応障害を発症すると、小さなストレスに対しても悲観的になりがちで、その影響から症状の増悪を招いてしまいます。

ストレスは、大なり小なり必ず受けるものですが、その捉え方によって受ける程度は大きく変わってきます。まずは何に対してストレスを感じているのか整理し、その上で嫌なことがあった際には深く受け止めないようにし、「だから何だ」、「そんなの関係ない」、「人は人、自分は自分」、「過去は過去、今は今」、「どうにでもなれ」、「時間が解決してくれる」など、あらゆる物事に対して楽観的に捉えるようにしましょう。

 

②違う角度・視野を広げた考え方を取り入れる

適応障害を発症し、特に抑うつ状態にある場合には、学校・仕事に行こうと思っているけど体が動かないなど、「やりたくても出来ない」状態が続くことがあります。そのような状態が継続すると、「自分はダメな人間だ」、「なんで出来ないんだ」と、自分を責めたり嫌悪感が生まれます。

しかしながら、これは適応障害によるもので、あなた自身が原因ではありません。そもそも適応障害は、家庭環境や人間関係、勉強・仕事など、あなたの周囲に存在する人や物事が原因となっていますので、あなたが「ダメな人間」ということは一切ないのです。これは励ますために言っているわけではなく、紛れもない事実です。

気分が落ちている時には、思考力・理解力が低下し、考え方が一つに限定される(悪い方に)傾向にありますが、よくよく考えてみると、違う事実であるということがよくあるものですので、違った角度から考えてみるようにしましょう。

 

③自信をつける

①②と繋がりますが、「今まで出来ていたことが出来ない」など、適応障害を発症している時には、自分に対して自信がない状態にあるのが通常です。自信が生まれると、ストレスに対して楽観的に考えやすくなったり、さまざまな角度から物事をみて判断することがより容易になります。

自信のつけ方は人によって大きく異なりますが、たとえば「寝込む状態が続いている場合」であれば、毎日起きる時間を一定にするなど、生活リズムの改善に取り組んでみてください。決まった時間に起きられなかったり、2度寝してしまうことがあっても気にしないでください。できた時のみ自分を褒めてあげましょう。

 

④リラクゼーション法を実践する

リラクゼーション法を取り入れるのも効果的です。思考を変えるのは容易ではありませんが、リラクゼーション法であれば容易に取り入れることができ、気分が落ち込んでいる時には、気分を上向きに変えることができます。リラクゼーション法にはさまざまなものがありますが、最も簡単に実践できる「呼吸法」をまず取り入れてみましょう。

 

  1. 肩の力を抜きましょう(肩をぶらぶらさせると良い)。
  2. 3秒かけて鼻から息を吸います。(下腹部を膨らます感じで)
  3. 5~10秒かけて口から息を吐きます。(下腹部をへこます感じで)
  4. 息がすべてでた状態で2秒息を止めます。
  5. 2~4を3分ほど繰り返しましょう。

 

このような「セルフコントロール」は、適応障害の治療に大きな効果を占めますが、無理に実践しようとする必要はありません。休養も治療の一つですので、しっかりと休養をとることも非常に大切です。あくまで“無理をしない程度”に実践していくようにしましょう。

 

 

周囲の人々の理解

 

現状、適応障害に対して深い理解を持っている人はそれほど多くいません。これには「遊びには意欲的が湧く」ということが大きく関係しており、鬱病であれば何に対しても意欲が沸かないものの、適応障害であれば「遊びには意欲が湧く」ことが多く、このことから「甘え」という感覚を持つのです。

 

適応障害は病気ではないものの、気分の減退などの精神症状、身体のだるい・疲れやすいなどの身体症状が現れていますので、適応障害ではない人のように活発的に行動することができません。その一方で、「やらなければいけない」という気持ちがあり、それを上手くできない状態に焦りやイライラ、自責の念・嫌悪感を抱いています。また、ストレスに対して過敏な状態にあります。

 

精神状態が安定している方にとって、適応障害の精神症状や身体症状を完全に理解することは難しいものですが、理解に努めることは出来ます。理解者が一人でもいることで、安心感が生まれますので、ご家族やご友人の方は、適応障害についてや適応障害なった背景、当事者のことを少しでも理解できるように努めて頂ければと思います。

 

思いやりのない言葉がけや否定、叱責は絶対にしないようにしてください。当事者は、「やらなければいけないけど出来ない」という一種のジレンマの中にいます。何もできない時があるのが普通ですので、寄り添いながら見守ってあげてください。