1週間以上、下痢が止まらない、そんな状況に陥ってしまう人は実に多いのが現状です。1週間以上続く下痢にはさまざまな原因が考えられ、勝手な判断するのは危険ですが、何が原因なのか知ることは非常に重要ですので、下痢の原因を知っておきましょう。

 

また、便は健康のバロメーターでもあり、いつもと異なる色や臭いの場合には、病気の発症も考えられます。多くの体調やストレスによって下痢が起こりますが、1週間以上続く場合には積極的な治療が必要な病気の可能性もありますので、一度病院へ受診することをお勧めします。

 

 

下痢を起こす原因

 

水のような下痢が続く場合は、脱水症状になりやすいので注意が必要です。吐き気などをともない食事や水分の摂取ができないと、脱水はさらに進み全身状態が悪化することもあります。

 

このような状態にまでなってしまったら点滴をする必要があるので、早めに専門医を受診してください。下痢を起こす原因はいろいろありますが、主なものは以下の通りです。

 

●腸内容の刺激

食べ物の消化不良・腐敗・醗酵により腸管の運動が亢進したり、腸液の分泌が異常に多くなったりして下痢が起こります。

 

●腸管壁の病気

食べ物とは無関係で、腸管の炎症、潰瘍、腫瘍によるものです。

 

●自律神経の失調

腸管の神経、とくに腸の緊張を高める神経の興奮などにより、腸の運動が亢進したり、腸液の分泌が多くなって下痢を起こします。

 

●精神的なストレス

小腸、大腸には腸の緊張の強さを調節する神経が作用しています。心配ごとや不安、悩みごとによってこの調節のバランスが崩れると下痢を起こします。

 

●感染症によるもの

重度の感染症で細菌が血液を通して腸に入り、腸の粘膜を刺激することにより下痢を起こします。

 

 

慢性の下痢の原因

 

上記の原因はいわゆる一過性のものが多いのですが、1週間以上続く下痢が慢性的に(周期的に)訪れる場合には、胃や腸に病院での治療が必要となる病気が原因となっている可能性があります。

 

●胃に原因があるもの

胃を切除したあとのダンピング症候群など。

 

●腸の器質的な疾患

組織や臓器に炎症、変性、壊死、腫瘍など何らかの具体的な変化がある病気、ここではがんやポリープ、クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸憩室、吸収不良症候群など。

 

●腸の機能的な疾患

過敏性腸症候群など、検査をしても具体的な異常がみつからない、心身のアンバランスなどが原因と考えられる病気。

 

●感染症

腸結核、感染性胃腸炎、ロタウイルス・ノロウイルス・サポウイルス・アストロウイルス・腸管アデノウイルス・パレコウイルスが原因の感染性下痢症など。

 

●寄生虫

回虫、裂頭条虫、横川吸虫、クリプトスポリジウム、ジアルジア、サイクロスポーラなど、飲食物(生物や汚水)による原因。

 

下痢による病気

画像出典: Kanazawa Medical University 金沢医科大学

 

そのほか、泌尿器の炎症、肝臓病、胆道の病気、慢性膵炎、膵がん、糖尿病、甲状腺機能亢進症、アレルギー疾患、中枢神経の病気など、腸以外の病気でも下痢になることがあります。

 

下痢の時、とくに注意する必要があるのは、血液や粘液、不消化物、膿などが混じっていたり、色が白、赤、黒、緑などで通常と異なるときや、酸っぱいような、または腐ったような臭いがするとき。また下痢に加えて発熱、吐き気、嘔吐などの症状があるときです。このようなときは専門医を受診して原因をはっきりさせましょう。

 

 

下痢予防は日常生活の見直しから

 

下痢をしやすい人は、生活を規則正しくし、暴飲暴食は避けましょう。とくに下痢をしやすい食品、例えば冷たいものや刺激の強いもの、脂肪分や繊維の多いもの、砂糖分などをなるべくとらないようにする必要があります。

 

体を冷やさないこと、睡眠や休養を十分にとること、ストレスをため込まないことも大切です。腸の運動が激しくなると下痢が起こるので、できるだけ腸の運動を起こさないための工夫もしましょう。腹部を冷さない、無理にお腹に力を入れない、下痢の激しいときは静かに横になる、などを心がけます。

 

 

下痢がひどい時には・・・

 

あまりに下痢が激しいときはできるだけ安静にして、食事もひかえなくてはなりません。多量の水分やナトリウム、カリウムなどが体から失われてしまいますので、水分やミネラルの補給を目的としたスポーツドリンクを利用するとよいでしょう。

 

症状が軽くなってからは、重湯、くず湯、ミルクなどの流動食からはじめ、少しずつ粥食、普通食へと移ります。副食としては卵や白身魚、じゃがいもなど、繊維が少なくて栄養価の高いものを柔らかく調理してください。

 

慢性の下痢の場合には、腸の負担を軽くするための食事療法を行います。低脂肪、高たんぱくの食事など、腸の粘膜に対して刺激が少なく、消化吸収のよいものをとるようにします。原則として野菜や果物の生食は避けるようにします。

 

薬物療法もありますが、下痢はほかの病気の症状としてあらわれることも多いものです。みだりに市販薬を使わないように注意しましょう。

 

病院で用いる下剤の薬(止痢剤)にはアドソルビン、タンナルビンなどがあり効き目もありますが、多少の副作用があるので、必ず医師の指示を受けて服用するようにしてください。

 

 

胃腸薬(漢方)も効果的!

 

下痢が一週間以上続く場合の原因の多くは胃腸の機能低下によるものです。それゆえ、機能を正常に戻すために、食事療法に加え、胃腸薬(漢方薬)を使用してみましょう。

 

下痢に効果的な漢方薬は、桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)、人参湯(にんじんとう)、五苓散料(ごれいしゃんりょう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などがありますが、個々に購入するのはやや難しいため、市販の胃腸薬で問題ありません。胃腸薬を服用する際には、お腹を温めるという意味でも、温かいお湯(お茶)で飲むようにしてください。

 

 

心配であれば一度受診を!

 

下痢の原因は多岐に渡り、病気の可能性も否定できません。特に発熱や吐き気など、他の症状が現れている場合には、一過性の下痢とは考えにくく、何かしらの病気による下痢である可能性が高いと言えます。それゆえ、一度病院へ受診することを強くお勧めします。

 

かかるべき科は消化器科が理想ですが、近くに大きな病院がなければ内科でも構いません。内科での診断が難しい場合には医師より専門の病院を紹介してくれます。

 

必要なら内視鏡検査を

下痢の原因を特定するのに外観だけでの診察では無理があります。概ね、胃や腸に異常がある場合が多いため、内視鏡検査によって病気の特定を行います。  内視鏡検査には準備を必要としますので、受診してすぐ行うわけではありません。医師により検査が必要と言われれば、病気の早期特定のために行ってください。

 

 

まとめ

 

下痢の原因の多くは体調不調やストレスによるものであり、これらの場合には3日程度で自然回復します。しかしながら、1週間以上続く場合には、単なる体調不良やストレスとは考えにくく、病気が潜んでいる場合が多いのが実情です。

 

もちろん、体調不良やストレスが継続的に起こっていることで、下痢が1週間以上続き、ある日突然治っている場合もあるでしょう。ただ、便は健康のバロメーターであり、「下痢=異常」でもありますので、少しでも早く治すためにも、一度病院へ受診することをお勧めいたします。