心臓病のなかでも問題になるのは虚血性心疾患。生活習慣病ですから、生活習慣を改善することによって、進行を遅らせ、予防、改善を図ることができます。

 

虚血性心疾患の3大原因は、高血圧、高コレステロール血症、そして喫煙です。そのほか、加齢や肥満も危険因子になります。まずは食習慣を正して、動脈硬化を促進させないようにしましょう。

 

 

 

 

動脈硬化のリスクファクター

 

 

現在、動脈硬化を促進するリスクファクターとして次の10項目が指摘されています。これらの危険因子が、複雑に重なり合って動脈硬化が増幅されると考えられます。

 

一般的には高脂血症、高血圧、糖尿病などの組み合わせによって進行するケースがほとんどで、ここにストレスや喫煙といった環境要因が加わると、さらに進行度はひどくなります。

 

 

1.高コレステロールや高中性脂肪などによる高脂血症

2.高血圧

3.糖尿病

4.喫煙

5.ストレス

6.男性

7.遺伝歴

8.動脈硬化性疾患の既往がある

9.HDL(善玉)コレステロール値が低い

10.肥満

 

 

危険因子をなくす暮らしを!

 

予防には、日頃から心疾患を起こしやすい危険因子をなくすように心がけることがポイントです。3大危険因子を取り除くことを目的にしましょう。

 

 

高血圧予防の食事

 

食塩を摂取すると、人間の体には体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあるため、のどが渇き、水を飲みたくなります。水を飲めば、体内の水分量は増え、循環血液量も増えて、心臓の拍出量も増加します。そうなると末梢血管にかかる圧力が大きくなり、血圧が高くなる、という仕組みです。

 

食塩そのものも血圧を上昇させます。食塩の主成分である塩化ナトリウムには、末梢の動脈壁に入り込んで収縮させる働きや交感神経を刺激して心拍数や心臓の拍出量を増やす働きがあり、血圧を上昇させます。

 

日本人の食塩の摂取量は1日13グラム。長寿などの研究から理想的なのは6グラムになっており、日本人全員が食塩のとり過ぎ。過剰摂取は高血圧との関係ばかりでなく、がんの危険性も高まるので、多くても1日10グラム以下に。高血圧の人や心臓病を予防する目的なら7〜8グラムに抑えましょう。

 

 

高コレステロール血症予防の食事

 

食べた食品中のコレステロールが吸収されたものは、総コレステロールの10〜20%で、ほとんどは体内で合成されます。したがって血清脂質を増やす材料になる高脂肪の食品を避け、カロリーオーバーにならないように注意します。

 

1日の総脂肪摂取量は、総摂取エネルギーの25%を越えないようにしましょう。また、1日に摂取するコレステロールが250ミリグラムを超えると、LDLコレステロールなどが上昇することがあるので、コレステロールを多く含む食品の摂取を控えます。また、コレステロールの吸収を抑制する食物繊維を積極的に摂取するのも有効。1日20〜30グラム程度の摂取が目安です。

 

 

たばこをやめますか、人間をやめますか

 

喫煙とがんの因果関係は周知のことですが、問題になっているのは、冠動脈疾患、つまり心臓病との因果関係です。喫煙は悪玉といわれるLDLコレステロールを増やし、善玉といわれるHDLコレステロールを低下させます。そのうえ、動脈硬化を促進しやすいコレステロール、酸化LDLを増やします。

 

喫煙者が動脈硬化になる確率は、かつては1日20本喫煙者にあっては非喫煙者の3倍といわれていましたが、現在では1日10本程度でも同じ確率を示すことが明らか。

 

血圧への影響も大きく、成分のニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、1本の喫煙で最大血圧を10〜20mmHg、一過性に上昇させます。一過性とはいえ、その状態が15〜20分ほど続くので、チェーンスモークは慢性的に血圧を上げていることになってしまいます。

 

問題になるのは受動喫煙。毎日20本喫煙する夫と生活する妻は、冠動脈疾患の危険率が3倍、肺がんでは2倍にのぼります。たばこは「タチの悪い恋人と別れる」ようなもの。すっぱりと切れるか、徐々に遠ざかるかのどちらか。突然死によって人間をやめる前に、たばこをやめましょう。